昨年暮れから個人的に注目してきた暇空茜による告発問題。
昨日は東京都が住民監査請求の結果を公表したことで、一つ目の佳境が訪れた様子。
とはいえ暇空氏はまだまだ追及の手を強めていくようだから、今後いくつもの山が訪れることになりそうだ。
私はというと、昨日は昼間に所用で出かけていて、そうしたら夕方にはツイートやらYouTube動画やらといろんなものが出ていて、追いかけるだけでも一苦労。
メディアがこの件を大々的に取り上げない理由としては、そういうところもあるんだと思う。
昨年11月29日の「リーガルハラスメント会見」のちょい前からこの件を気に留めていて以後は一通りの展開を見てきたハズの私ですら、昨日半日ほど目を離していたら追いつくのが困難なぐらいに次から次へと情報があふれ出てくるんだから、これをメディアの人間が「仕事」で追いかけるのは大変だと思うよ。
記者はこれに限らずいくつかの案件を取材しているに違いなく、自力で調べ切れないところは誰か証言者を立ててしゃべらせるわけだが、その時に誰を頼るかというのも難しい。
簡単に証言してくれるのはColabo側だけど、ふつうの感覚でみれば「怪しい」というのはさすがにいくら盆暗でもわかるハズ。
都職員からすれば「記事にしてくれるな」という内容だから、ヘタに突っこめば今後の取材に支障が出てしまう。
じゃあ監査請求した暇空氏はというと、こちらも取材依頼をするとすぐにその内容をTwitterで拡散されそうだし、そもそも受けてくれるのかもわからない。仮に取材ができたとしても、どんな要求があるのかはよくわからなくて面倒くさいし、対面取材ではなくメールのやりとりだけとなった時には記事としての信憑性も薄くなってしまう。
信憑性については記者自身で裏どりすればいいと思うかもしれないが、彼らは「実名顔出しこそ最上」と教えられてきたから、それ以外のやり方を知らないし、例えやったとしても上司がいい顔をしない。
しかも、ちょっと取材のやり方や記事の書き様を間違えれば、どちらの側にも「声の大きなフォロワー」が少なからずいるからとんでもない批判を受ける危険がつきまとう。
仕事として記者をやっている以上、とりあえず政権批判やおもらい記事をやっておくほうが手間がかからないし、上司からの覚えもめでたいのだから、そっちにしとくべ、みたいなところが記者の本音ではないか。
「公金の不正利用疑惑」というのは大きな問題のハズなのだが、そもそも記者連中の多くは、この件に限らず何事に対しても問題の大小なんて考えてないんじゃないかな。話題性があってなおかつ手っ取り早く記事にできるということに最大級の価値を置いているんだと思うよ。
その点でいうと、モリカケや統一教会なんて超ラクチンだったハズだ。
野党議員があることないことペラペラとしゃべってくれるし、これをネタにして自民攻撃なんてのは、本来の問題とは「かけ離れた」ところで騒いでいるだけなのだから、逆襲される危険もない。
しかしColaboについては、問題の要点が明確だから、これを報じるとなればColabo側か暇空側か、どちらかを確実に敵に回すことになる。
モリカケなんぞと違って、実態があるからこそ面倒くさくて手掛けたくない。
記者として楽なのは、モリカケなんかと同様にColabo側の話を前面に打ち出して、実際の問題からは離れた「性被害女性への差別」なんてところで展開していくことなんだろう。
ナニカの手下みたいな記者も一部にはいるだろうが、その他大勢にしても「楽だから」と今後そちらに流れる可能性はある。
あと記者以上の仕事をしている暇空氏に対して「一般人のくせに」と逆ギレしたりやっかんだりしている記者も多そうで、わずかに残っている「俺はメディア人なんだ」という微小なプライドを守るために「扱わない」というのも結構大きな理由としてありそうだ。
都監査委員、再調査を勧告 都事業受託した女性支援団体の会計:朝日新聞デジタル (asahi.com)
これなんかも、まず「監査請求が妥当でない」という点から書いているあたり、心情的にはColabo寄りなんだろうとは思うが、それでも事実をそのまま書いているだけで十分。
それ以上のことを既存メディアに望んでも、意欲や能力がないんだから仕方がない。
「こんな大問題を扱わないのはおかしい」といっても、もともとマスコミなんてそんなものなのだ。
ロッキード事件だって、立花隆がいなければ一切表に出ることはなかっただろう(これについては裏にアメリカがいたなんて話もあるが)。
まあともかく「Colabo側の変な方向に流れないだけマシ」ぐらいに思っておいて、妙な動きがないかと監視しつつ、どこかに奇貨が現れることを薄っすらと期待しておくぐらいの態度でいるのが正解なんじゃないかな。