明日のEテレ、将棋NHK杯トーナメントは、今話題の中心となっている三浦弘行九段と、その三浦を1億%クロと断じた橋本崇載八段による遺恨マッチ。
見逃せませんなあ。
三浦のソフト指し疑惑とそれに関する将棋連盟の処分について、ネットの意見をみると三浦擁護の声が案外と多い。
①確たる証拠がない
いまのところそうみたいだねえ。
だけど、たとえば学生時代、突然テストの成績が良くなった生徒がいたとして、そんなものクラスメートなど仲間からすれば勉強してできるようになったのか、それともカンニングしたのかなんてのは、ふだんの様子を見ていれば感覚で判るものだ。
それよりももっと分かり易いか。
今回の件は、ある日突然、高名な画家の作風が筆致まですべて変わって、それらすべてが新人の作品にそっくりだったというようなことだからなあ。
偶然と言い張ることもできようが、「そんな言い訳通るか!」と周囲が言うのも当然じゃないの?
対戦の毎に相手の指し口を徹底的に研究している棋士同士のこと。
突然、これまでにない指し回しをしてきたとしても、それが事前の研究によるものなのか、ソフトに頼ってカンニングしたものなのかはきっと明白に判るものなのだろう。
三浦には疑いに足る指し口が見られ、なおかつその手が指された際に疑いを持たれるような行動が見られたということ。
たとえ三浦がシロだったとしても、瓜田に履を納れず李下に冠を正さずとの言葉もあるように、トップ棋士でありながらの三浦の行為は批判を受けても仕方あるまい。
②証拠のない、あいまいな嫌疑のまま処分したことへの批判
そんなもの、将棋界内部の処分であり、家庭になぞらえれば母親が、見なれないブランド品を身に着けている娘に対して「なんでそんな高価なもの持ってるの! はっきり答えるまで夕飯抜き!」といったようなもんだろ?
身内の処分に他者が文句を言っても仕方があるまい。
家庭内のことであっても虐待とみなされる行為にまでなれば、外部からの適切な指導が必要だろう。
三浦に関しても、「除名」とまでなればそれは生活権や職業選択の侵害ともなろうが、いまのところ下されているのは、わずか3カ月ほどの公式対局禁止ってだけだしなあ。
会社で嫌疑不明のミスにより減俸を言われたようなもので、それが嫌なら転職すればいい。
三浦だって棋士としての生活権は奪われていないのだから、それでも納得いかないというなら棋士など辞めて一般の会社に転職などすればいいだけのことだ。
上の例で娘が「児童虐待だ」と裁判に訴えれば、もしかすると勝てるかもしれない。
三浦も同様だ。
だけど、それで、勝ってどうするのよ。
娘にとって家庭がひとつしかないように、三浦にとっても、プロ棋士として将棋を指すことで禄を食むには将棋連盟に頼るしかない、唯一無二の存在なのだ。
この連盟の処置があまりに酷いと棋士仲間が賛同するようならば、三浦が中心となって第二の連盟を立ち上げるようなことも可能だろうが、そうではないようだしねえ。