4月5月は花見だ、
ゴールデンウィークだと、
なにかと人手には恵まれた。
だが6月の声をきくと同時に
ピタリと客が少なくなった。
無理もない、
暑かったり寒かったり
雨が降ったり曇ったりと
気候が不安定だからだ。
谷中にも閑古鳥が鳴いていた。
だが、私が着くといつもの
木陰の椅子に母と若い娘が座り
何やら食べていた。
私は準備しながら一生懸命話しかけた、
完全に芸人のモードになっている。
どこから来たの?
昼ごはん食べた?
どこで何食べたの?
私もう15年もここで大道芸やってんのよ?
バナナの叩き売り見たことある
?
もう絶滅危惧種よ。
寅さんって知ってる?
立て続けに矢継ぎ早に会話を
つないでいった。
そして会話は盛り上がったので、こうなったらつなぎ止め芸をみてもらおうと欲 が出た。
だが申し訳なさそうに、、、、
「すみません、これから有明でイベントを見に行く予定があるので、これで失礼します」とそそくさと去って行った。
だが10分間の一コマに本日の運が集約されてた。
その後すぐ中年夫婦がやってきた。
私はまたベラベラ喋りながら近寄って行く。
主人はバナナの叩き売りご存知で調子良く乗ってくれた。
そこで私はすぐに芸に入ろうとするが、奥さんが次ぎへ行こうと反応がない。
駄目だ、こりゃあ、
2人のうち1人が反対したら、
上手くいった試しがない。
私は簡単に諦めた。
たが後で考えると上記の2組は
私にとっては最高の上客だったのに。
(大魚を取り逃がした、うーん残念)
それから一時間誰も来なかった
。
ダーツやったり、
けん玉やったり、
独楽を回したりいろいろやった
が、とにかく人がいない。
たが終わり直前にパラパラと人が来て2回やった。
ギリギリ交通費だけは稼げた。
後片付けも終わって時計を
見ると3時半、
谷中霊園の桜並木にはいっぱいの陽射しが残っている。
これから家まで遠いなあ!
夏は始まったばかりだ、
これから体力的にももつかなあ?
重いキャリーを引きながら
とぼとぼと歩く。
ふでまるくんは今日みたいに
世間話しながら、いつの間にか
芸に入ってた、こんなテクニックを身につけると、もっと別な世界が見えてくるよ。
とこんな思いで感慨深かった。
トップ写真は10年前、盛大な飯能祭りでのバナナの叩き売り。
次回予定は旧吉田屋酒店にて
6/8(土)13時から15時
6/9(日)13時から15時