心待ちにしていたDCU版「ピースメイカー」シーズン2。その第1話は、期待を遥かに超える大胆な幕開けで、観始めた瞬間からすっかり引き込まれてしまった。
まず驚いたのは、これが今までのDCEUとは全く違う、ジェームズ・ガンが描く新しいDCUの物語として始まっていることだ。シーズン1のあらすじから入ることで連続性を感じさせつつも、全く新しいステージに進んだという印象を受ける。またリック・フラッグ・シニアの「地球にまた次元の裂け目が出来るのはなんとしても避けたい」という台詞からピースメイカー2は「スーパーマン」事後のストーリーだということがわかる。
なかでも特に興味を引かれたのは、ピースメイカーの父親の武器庫がマルチバースへの入り口になっているという設定だ。単なる武器庫が「ポケットユニバース」になっているとは、斬新で今後の展開に大きな可能性を感じ、ワクワクさせられた。
キャラクターたちも相変わらず魅力的で、それでいて変化も感じられる。
ピースメイカーはカイトマンを倒したりと、いつも通りの破天荒ぶりで安心したが、別の世界の自分(しかもコミック初期の姿!)と出会ってしまう展開には驚かされた。
ウォラーが全くこりていない様子で暗躍しているのも、不気味で目が離せない。
そのウォラーの策略で政府機関から省られ自暴自棄になっているエミリア・ハーコートは見ていて痛々しい。
マルチバースの使い方も非常に巧みだと感じた。死んだはずの兄キースと父親が幸せに暮らす世界を見せられるシーンは、ピースメイカーの心情を思うと、とても切なかった。
テレビシリーズとは思えないほど刺激的な描写もあり、全体に漂う不穏な雰囲気と散りばめられた多くの謎に、あっという間に心を掴まれた。第1話からこれほど引きが強いとは、正直予想以上だ。今後の展開が全く読めず、すぐにでも続きが観たい、そう思わせる素晴らしいスタートだった。