すでにここまで全勝で2次予選通過を決めているU-22日本代表。
最終戦のこの試合は、最終予選へ向けての新戦力の発掘に注がれた。
結果は3-1と勝利だったものの、正直内容は乏しかった。
この試合でチームとしての出来をどうこう言うことにそれほど意味がない
ことは分かっているが、全員がアピールしようと個人プレーや難易度の
高いプレーを選択し、それが原因でバタバタした試合になってしまった。
いや、実際のところアピールしようという心意気は重要だと思うし、それが
いけないのではないのも分かっている。ただ、アピールすることに全力
になってしまったことで、一つ一つの単純なパス・トラップが雑になり、
それが原因で何度もなんでもないところでのミスが出てしまった。
幾つかのビッグプレーの代償があれだけのミスに繋がってしまうのでは、
正直ゲームとして成り立たない。
個人的に今日取った3点のうち3点とも、それほどアピールの対象に
なったのかといえば、それは「No」であったように思える。
それよりもっとアピールになったハズの選手がいた。
仙台のFW萬代である。
幾つもの決定機、しかもチームで作り出したチャンスにことごとく絡んで
いたし、それはひとえに萬代の武器である、飛び出しのタイミングの良さ
によってもたらされたチャンスであったと思う。
身長もあり、走れて尚且つ飛び出しにも優れる能力の高さを十分に
アピールしたと思うが、しかし、ことごとくGKとの一対一を外してしまった。
あれらを確実に決めていたなら、恐らく最終予選当確であったと思う。
なんでもない一対一だったし、恐らく今日の3ゴールと比べれば最も
難易度は低かったであろう場面だったが、あれを一つでも決めていれば、
今日の目的として考えれば一番のアピールになったのではないかと思う。
さて、ヴェルディサポ注目の一柳はというと、試合感が心配されはした
が、まぁまぁの出来だったと思う。気持ちを全面に出し、前への守備を
貫いて何度かいいインターセプトを見せたし、空中戦も今日出たCBの
中では一番効いていたと思う。
が、幾つか気になるプレーがあった。
一つはDFラインのビルドアップ時の決定的なパスミス。
もっともこれに関しては3バックの全員がやらかしていたし、一柳の
パスミスは一回だけだったのに対し、他二人は幾度かやらかしていた
のであまり目立たなかったが、そんなもの一度でもしてしまうのが
いただけないことは愚問である。
二つめはサイドへ流れて守備に行った際、かわされてからも後ろから
ガツガツいってしまい、FKを与えてしまったこと。
正直あの場面はDFの人数も足りていたし、イエローをもらうほどに
行く必要性のない場面。あれは相当なマイナスイメージになったと
思う。個人で頑張るのはいいのだが、あれでは周りが見えていないか、
冷静になれていない証拠。とても残念な場面だった。
以上のことをふまえ、今日の一柳が最終予選メンバーに入れるかは
少々難しくなったように思えた。もっとも、最近一柳に代わって召集
されていた、本日キャプテンマークを巻いていた細貝が、アピール
するために攻撃にばかり力を注いでいたため、これをどう評価するの
かというところは反町監督次第だと思う。
CBとしては恐らく、一柳か細貝のどちらかが最終予選メンバーに
残るのではないか。