仕事終わり。
向かうスーパー8時半。
店舗は小さいが、野菜が安く、惣菜が美味い。
この時間、狙ってる訳でもないが、仕事帰りに寄ると、この時間。
大体この時間になると惣菜などが半額になって来る。
大体この時間に寄ると、いつもいる人がいる。
それも1人2人ではない。
半額になる前から、カゴには大量の惣菜。
何日分の弁当を買ってるのだ?
そんなに天ぷらばっかりパックに詰めてどうする?
天津飯を3つも4つもお前は1人で食べるのか?
そのカツサンドは明日の朝ごはん?
そして、半額のシールを貼る兄ちゃんが現れたら、取り囲む。
カゴを差し出し、さあ半額にしたまえ、と言わんばかりに。
主婦もいれば、おじいちゃんや、仕事帰りのサラリーマン風、何をしてるかわからないが何だか怪しい人まで。
缶ビール2本、刺身(半額)、から揚げ(半額)、麻婆丼(半額)。
晩ご飯&晩酌セットを買うサラリーマン。
カゴ一杯、大量の惣菜、オール半額。
おかず作りに困らず、家計助けのためか、主婦らしきおばちゃん。
弁当2つ。
杖をつき、おぼつかぬ足取りだが、カウボーイっぽい格好をした白髪のおじいさん。
1人暮らしだろうか?おばあちゃんの分も買っているのだろうか?
何だか半額がはじまったスーパーの惣菜コーナーには物語が詰まってます。
哀愁が漂ってます。
切なさが転がってます。
その一方、近くには大学や専門学校があるので若い人も買いに来るのです。
若い男2女2。
たぶん大学生。
ワイワイ、キャイキャイ言いながら買い物を済まし、半額の惣菜だらけのカゴを持つ人たちが並ぶレジへ。
会話から察するに、どうやら家飲みでもするのかな?
どうやら焼肉パーティでもするらしい。
カゴにはお酒がたくさん。
肉がたくさん。
おつまみがたくさん。
半額惣菜一切無し。
何なら、そのお肉ってそこそこ高いやつですよね?
「1人3000円くらいと思ってたけど、めっちゃオーバーしてるな(笑)」
と言いながら、ビトンの財布を取り出す、若い兄ちゃん。
いや、ヴィトンか。
ふむ。
その大学生の前には、カゴ一杯の半額惣菜を買う主婦。
その大学生の後ろには、見切り品の野菜と半額の惣菜を持つ俺。
ふむ。
仕事終わり。あとにするスーパー9時少し前。