次の舞台の話しの軸となる存在で15歳の少女の役があるのですが、彼女は白血病です。もちろん役の上での話しです。ところが彼女は生きようとはしません。母親はそれが我慢なりません。そもそも彼女は学校にも行かず、引きこもり、厭世感に心を支配されています。
なぜ、彼女はこうなってしまったのか?
そこは舞台では描かれません。でもなぜこうなったのでしょう?
いじめですね、多分・・・。
言葉は心を抉ります。深く傷つけます。学校で誰に何と言われて彼女は傷ついたのでしょうか? ぶす? ごみ人間? くず? しね? 肉眼で見ると目が腐る?
当然、遠足の班を作る時はどの班にも入れて貰えず、恥ずかしい思いをします。授業中に後ろから飛んで来た消しゴムのカスが髪の毛に絡まっていたかもしれません。背中には紙が貼られ「やりまん」と書いてあったかもしれません。
親がいかに自分を大事に思ってくれているかを知るには、きっとまだ若過ぎます。育ち始めた自尊心も手伝って、13歳頃には生まれて初めて自殺を意識し、精神は蝕まれ、検査と治療が人格を押しつけてくる。母親には泣かれ、父親には殴られる。自殺願望の雨から身を守る術はなく、薬の洪水に飲み込まれる。やがて彼女は部屋から出なくなります。
彼女に向かって大人は口々に言います。
「そんなんじゃ生きていけないぞ」
「甘ったれるな。世の中そんなに甘くないんだ」
「いつまでそんなことをしてるつもりだ?」
誰も教えてはくれません。
世の中は甘いことを。どいつもこいつも弱く、嘘付きで、脆いことを。汚いことを。そしてどこかに彼女を愛してくれる人がいることを。
学校の優等生だった奴が、社会に出ても優等生とは限らないことを。
ハリソン・フォードはいじめられてた。高校の時には「クラスで最も成功しそうにない人」で堂々の第1位を獲得し、事務所の社長からは直々に「才能がないから役者は諦めろ」と説得されたことがある。
ウォルト・ディズニーは若い頃に新聞社をクビになった。その理由は「想像力が足りない」だった。
アインシュタインは馬鹿過ぎるという理由で入学を断られたことがあり、アメリカ史上最高の大統領、リンカーンは地方選挙に何度も落ちた。
彼女は自分が白血病と知っても、生きたいとは思わない。
生きたいと思って欲しい母親と対立します。
数ある見どころの一つですね。
来てね♡
さようなら。