川端とRC
また記憶を無くし、床に寝ていた。
川端の本を握りしめたまま。
本棚と食器棚の間にちょうどスッポリ入る空間があり、
そこがどうにも居心地良いらしく、酔うとその空間に行っては、
猫のように寝そべるクセがある。
映画でも観ようかなと、ジャク・タチの「ぼくの叔父さん」を少し観た。
大好きな映画なんだけど気が乗らず、川端の小説を引っ張り出して
読んでいるうちに眠ってしまったようである。
こんな半端な時間に目覚め、朝も早いのでとっとと寝れば良いものを
まぁ軽く呑んで寝るかと、グビリングビリンしていたら、ほっこりしてきた。
ほっこりというのは、イギリスの方からキマシタ、の、スティーブン・タイラー氏の
会社の王国で知りましたがNEO話はまたいつか。
川端の「掌の小説」という短編集の中の「バッタと鈴虫」が好きで
19歳の夏に買ってその後何度も読んだんだけど、何年か振りで
読み直すと、少し過剰演出っぽい部分もあってちょっとどうかなと。
でも、好きですね、やはり。
海外の青春文学的なものでも好きなのはあるけど
やっぱり日本の、特にこの頃のものに強く惹かれてしまいます。
「誰かバッタ欲しい者いないか。バッタ!」
「おくれ!おくれ!」
「バッタ欲しい者いないか」
「頂戴な、頂戴」
「バッタだよ」
「いいから頂戴!」
「あら!鈴虫だわ。バッタじゃなくってよ」
「鈴虫だ!鈴虫だ!」
女の子は明るい智慧の眼をちらっと虫をくれた男の子に注いでから
腰につるしている小さい虫籠を外してその中に虫を放した。
「鈴虫よ」
「ああ、鈴虫だよ」
この辺の部分が、すごく好きです。
この賢くって無口で男っぽい男の子と、無邪気な周囲の子供達と
とってもカワイくって、オマセで賢い女の子の世界。
後半の人生論的な部分も、自分に当てはまる部分が多々あって
それはそれで好きなのですが。
音楽的にはLES BAXTERの「BRAZIL NOW」を聴いていて
これは1989年に神保町の古本屋でジャケに惹かれて購入して
その後何百回も聴いた大好きなレコードで、
思わずクロード・ルルシュの「白い恋人たち」を観たくなったが、
探すのがめんどうでやめた。
内容よりも、映像美というか、色がすごくすごく好き。
色で言えば70年代スコセッシとか時計仕掛けの色も好きだけど
「白い恋人たち」の、あの甘美な色が、すごく好き。
このサントラのレコードも大好きで、中の音楽も大好きだけど
ジャケがいいですね。大好きです。
でその後、15年位前に買ったポストロックっぽい近未来的ラウンジ風の
BOSSANOVA HAWAIIという10インチを聴いていた。
このユルくってヘンチクリンなレコードも大好きで。
この時間に目覚め、空を飛んだ夢をみた、という素敵な人の話を
思い出して、RCの「シングル・マン」のB面の2曲目に入っている
「うわの空」という曲が聴きたくなり、今、聴いている。
今日はこのまま眠りたい。