表題作は、92年の作品なのでリアルでは知らず、
文庫で初めて読みました。
好きだ~!と思っていた男の子のことを、ほかの人が
ちょっとけなしたり、ふとしたしぐさ、声を聞いて
一瞬にしてその想いが覚めてしまう。
小学校の頃から笙子はそんなことの繰り返し。
でもある時、そのことで人を傷つけたと実感し
自分を初めて省みる。
連作の中、最後に出てくるのは、同じ男の子。
もう笙子も、ブレたりしません。
うまく書けませんが、いい感じの読後感でした。
この辺の絵は、もう私の苦手の部類に入っているのですが、
その苦手意識を私が持ち始めたあたりから、逆に、
私のなかでは作品の内容がものすごく良くなっている
ように思います。
ミュージシャンを描くことも多いけれど、それでも
主人公の多くはごく普通か、せいぜい学校内で
やや目立つ程度であることが多く、扱うのは特別な子、
非日常的なことではありません。
そんな平凡な日々や人間にもドラマはあるんですよね。
たとえばブログ上で、それを積極的に語る人もいれば、
そうでない人もいる・・・でも言わないだけで誰にでも
長い人生の中、ドラマチックな出来事がないはずは
ないのです。
こういうお話づくりは、昔からでしたね。
そこがたまらなく好きだった。
それでいて、要所要所にくらもち技がうまく利いていて、
「α」という作品の感想の際にも書いたけど、
ありふれた物語なのに、スタイリッシュなものに
見えるんですよね。
「おおっ!ここであれが、そう効いてくるのか・・」と
いうようなことも度々ありました。
本当にセンスの良い方だと、昔から思ってた。
「セルロイドのドア」
リアルでは読んでいないけど、別のコミックスに
収録されていた。
「誰かの夢の中」にいるのかも・・・・という
ちょっとファンタジーのようなお話し。
「パラパラ」
幼い頃に誘拐されかかった女の子の記憶。
とても美しい思い出として残っていたのに、
え?そうだったの・・・なんてことはありますね。
思い出なんてそんなものなのかも。
知らない方がよかったこともあるし、
あ、そう・・・と納得しておくほうがいい場合もある。
「糸のきらめき」
これはこの作品メインのコミックスも持ってる。
リアルタイムで夢中で読んだ作品でした。
この少し前まではまだ絵が不安定なこともあったけど
このあたりからの数年間の絵は私は最高に好き。
人とうまく付き合えない少女が歌を通じ
成長していくお話。
ものすごくドラマチックな作品で大好き。
この作品の前に「スターライト」という作品があって、
実はその「スターライト」以前のお話がこれ。
私の記憶では「スターライト」は野口五郎がモデル
というかあの方に取材をしたのだったように思います。
当時はやはり取材を通じて甲斐バンドとも交流があり、
音楽ものもとても多かった。
漫画のこととなると記憶力は良いのだ。
それにしてもくらもちふさこ、うまいです。
あの頃描いていた方で、今も進化し続ける方は
本当に少ない。ますます頑張って欲しいです。
「さめる」
最初に変換したとき、「冷める」と出てしまいました。
でもここでは「覚める」です。
調べてみたら微妙に違うんですが、これ!といった
明確なものもない感じ。辞書も限界がありますね。
ワタクシ的には
「冷める」
気持ちが変わる、萎える・・・そしてそこには
すでに嫌悪感も伴う・・・という気がしますが、
どうでしょう。
「覚める」「醒める」
このふたつは辞書でも似ている感じ。
前ほど心惹かれるものはなくなっちゃったけど、
でも興味がなくなったり嫌いになったりした
わけではない・・・。
この辺のうちになんとかしないとね!
百年の恋も覚めてしまう (集英社文庫―コミック版)/くらもち ふさこ

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第1巻だけですが、池田理代子作「エロイカ」を再読。
ナポレオンの生涯を描いた長編です。
ベルばらでおなじみのロザリーやベルナール、
アランなどが出てきます。
でも絵は豪華絢爛なんだけど、「ベルばら」より
後に描かれた歴史もののいくつかは、私には
妙に鼻につくのが正直なところ。
そして豪華なのに、雑な部分がかなり多く、
とんでもない絵も結構あります。
主要人物2,3名以外は全部アシスタントさん
じゃないのかな。
それはよくあることだと思うけど、池田理代子
レベルのアシスタントならもうちょっと熟練者が
居そうな気がするんだけど、かなり違和感。
先日、改めて古い作品を読み返しました。
池田先生は歴史ものを描くコツや技術をお持ちで
歴史モノ作家の代表者とも言えそうなお方。、
読めばやはり面白いけれど、昔ほどの情熱が
私にはどうにも感じられないのです。
ゆえに第2巻に進む気力がない。
近々もうちょっと短めのものを読んでみます。
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