アジアはどこからどこまでだ | 日本語あれこれ研究室

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日常生活の日本語やメディアなどで接する日本語に関して、感じることを気ままに書いていきます

 

 

 「アジア」とはどこを指している言葉であるか、というのが今回のお話。

 少々古い資料だが朝日新聞別刷り「globe」の2014月3日号の特集は「イスラム的アジアを行く」というもので、惹句として次のようにある。

「イスラムというと中東のイメージが強い。でも、アジアにも多くのイスラム教徒が暮らしている。」云々。

 ん?と違和感を持った。だって中東だってアジアの一部でしょう? なのに上記の文だとアジアじゃないみたいだし。その辺をこのブログのテーマにしようと思って「globe」を保存していたので、それをやっと書いてみよう。

 

 小中学生のころ地図帳を見るのが好きだった。当時の記憶によると、アジア州というのは東は日本やフィリピンやインドネシアから始まり、中国やインドがあり、西は中東全体を含み、北にはソ連がある。しかしなぜかソ連はアジア州とヨーロッパ州にまたがっていて、面積的には大部分がアジアなのに首都モスクワがヨーロッパ側にあるのでヨーロッパの国ということになっていた。……はずである。

 そういえばソ連の中のアジアとヨーロッパとの境界って誰が決めたんだ? どういう根拠によって?

 

 そもそも考えてみると世界地図上の「州」とは何だろう。世界の国々がアジア州・ヨーロッパ州・アフリカ州・オセアニア州・北アメリカ州・南アメリカ州という6大州に分けられているということだけど、まあ、ある国の位置をざっくり言うのに便利ではある。

 それにしたって例えば「中南米」と括って言うけど、いわゆる中米(西インド諸島やグアテマラやパナマなど)は北アメリカ州だったと思うんだよね。どうして南米と一緒にまとめられてるんだろう?

 

 さらに考えてみると、近ごろ「州」を付けないね。ただアジアとかアフリカとかオセアニアとだけ呼ばれてる気がする。しかも手元の最新の地図帳をよく見ると、州の区分の線が書かれていなくて範囲が漠然としている。

だからロシアの中にあるはずのアジアとヨーロッパとの境界線がどこだったのかが分からない。ハワイはアメリカ合衆国でありながらオセアニア州だったと記憶してるけど、そのことも分からない。南北アメリカ州の境目も分からない。

 

 今や「欧州」または「欧州連合」と言う場合にしか「州」という言葉が使われていないということに気づく。これは盲点というか大発見なのでは。

 もともと世界をつの「州」に分けていたことに特に意味がなかったんじゃないのか? だから、先の記事のように中東とアジアとを別物と見なす表現が登場してくるのかも知れないね。

 

 と、以上のようなことをつらつら考えてみたわけだ。前に亜細亜堂というスタジオに所属していた人間だが、それは別に関係ない。

……にしてもかつての「脱亜入欧」という言葉は何て卑屈なのだろう。

 

※追記

 一応手元の辞書で6大州を引いてみた。「明鏡国語辞典」にはアジアもアメリカもアフリカも項目自体が存在しない。地名は収録しないという方針ならそれでもいいのだが、なぜか「ヨーロッパ」だけは項目があって地理的なことなどが説明されている。謎の辞書だ。