松浦大悟参議院議員インタビュー【第3回】フィルタリングがもたらす産業衰退の危機 | マンガ論争勃発のサイト

松浦大悟参議院議員インタビュー【第3回】フィルタリングがもたらす産業衰退の危機


早急な規制はコンテンツ産業の芽をつぶす


--コンテンツ規制の中で、フィルタリングの義務化についてはどう考えていらっしゃるのでしょうか。


松浦さん:フィルタリングを義務化することでSNSなどは、ほぼ見られなくなってしまう。先日、はてなに「ねみんぐ!」を開発している高校生たちが訪れてプレゼンをおこなった。このソフトも遠隔地に住んでいる高校生たちが、ネットで交流して開発したものです。フィルタリングの義務化は、こうした創造性を潰してしまうように思います。

 

 経済全体が下降線を辿り、自動車や家電製品など日本が得意としてきた分野でさえ伸びがゆるやかになっている中、コンテンツ産業は大きな成長が見込める有望な分野として注目されています。フィルタリングによってこれからのコンテンツ産業を担う若者たちの芽を潰してしまうことは、国益を大きく損なうと見て間違いないでしょう。


--現状、フィルタリングの性急な導入に伴う問題点はどこにありますか?


松浦さん:ホワイトリスト、ブラックリストのどちらを導入するにしても、判断が民間に委ねられていることです。

 現在でも民間企業のフィルタリングでは、政党のホームページはもちろん、創価学会をはじめとする宗教団体のページも見られなくなっているものがあります。その理由は「子供に有害だから」です。


 国民的合意もないままに、一民間企業の判断で情報の制限が完璧に行われてしまうというところに、情報技術社会の難しさがあります。これはグーグル八分の問題とよく似ています。グーグル八分がなぜ問題なのかと言うと、グーグルは確かに民間企業ではありますが、検索エンジンの分野ではシェアの多くを占めており、すでに公的役割を担っているからです。

 

 私たちの生活に欠かせない検索エンジンから弾き出されるということは、ネット社会では抹殺されたも同様です。そのような判断を一民間企業がすることが果たして良いことなのか、非常に議論が分かれます。


--例えば、同性愛のサイトもポルノグラフィだけでなく10代の同性愛の人々を支援するNGOのサイトまで一律に有害として規制されていると聞きましたが、これをどうお考えですか?


松浦さん:それ自体が差別だと思います。ユダヤ人や黒人、部落といったものをカテゴライズしていれば差別だと批判されるでしょう。

 これを国がフィルタリングとして許可することは、国が差別を許容していることになってしまうのではないでしょうか。そうした観点からも、フィルタリングの義務化には反対です。





このほか、話題は10代の同性愛者の自殺

率の高さなどにも話は及んだ


フィルタリングとゾーニングは別種のもの


--法務省や総務省では、フィルタリングは、ゾーニングという認識を持っているようですが。


松浦さん:フィルタリングはシャットアウトでありゾーニングとはまったく異なります。

 ゾーニングとは、歌舞伎町は歓楽街、永田町は政治、霞ヶ関は行政といったふうに、棲み分けを行うということです。用が無い人、見たくない人は、行こうと思えば行けるが行かなくて済むこと、これがゾーニングです。

 ゾーニングという名目でシャットアウトを行おうとすることは、言葉のごまかしがあるではないでしょうか。


--結局は、フィルタリングは、ソフト等を用いて各家庭で親がサイトごとに判断するものであり、それをやらないのは親の怠慢ではないかと思いますが。


松浦さん:サイトごとに閲覧の可否を決めることは、それは技術的に可能だと聞いています。大手携帯会社にそれを採用しない理由も聞きましたが、その理由は答えてもらえませんでした。


--規制をする、しないという議論は感情論になりがちです。例えば、データーのウソを追及するようなやり方も、それぞれに都合のよいデーターを持ち出してくることになり、対話にならない。これからは、コンテンツ産業による国益や、日本発の文化、愛国心といったものを対話の糸口にしてゆく必要があるのではないでしょうか。


松浦さん:そうですね。議員の中にも、まだ少数ではありますが、表現の自由という観点からではなく、コンテンツ産業の発展を阻害してしまうという見地から、コンテンツ規制の法案に反対している人は出てきています。



【続く】



(取材:永山薫/昼間たかし 構成:昼間たかし)