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初夏のひかりが降る川べりで、君を見かけて恋に落た。
背後に山の緑がいくつもの色を放っていた。
初めて、ときめくという気持ちを知った。
君が投げたボールを両手で受けたとき、心が乱れ、
愛するという感情には痛みがあるのだと気付く。
今、僕は、ゆっくりと旋回する飛行機の中から、
まっさおに広がる故郷の海を見ている。
故郷の海には多くの島が点在して、その周りを漁船が静かに流れていく。
海にはいったい幾つの色があるのだろう。
言葉にできない言葉と同じくらいに色は溢れている。
またいつでも帰っておいでと声が聞こえたけれど、もう僕には帰る場所がない。
降りたつ街の海には色がなかった。
ある部分にシコリが出来て、ガンが再発したのかと思ったけど、摘出して検査したところ良性だった✨。
もっと生きていけるぞー!
でも、切ないこともいっぱいあるな。
想いは白湯のように心を温めるけれど、切なさは刃物のように心をえぐる。
感覚が溶けてしまえば感情が殺せる。
廃墟だと思っていた家から灯が見える。
木が語りかけてくる。
風が降る。
今度、生まれ変わってこれたなら、次は君が僕を見つけて。