3年に渡るゴリツィアでの留学生活もこれで終わり。11日月曜日は朝も午後もばたばた動き回った。
 朝一番、ミラーノに用事で出かけなければならない友達がわざわざ17個ほどの段ボール箱をガレージに運んでくれた。更に5箱ほど日本に送る荷物も託した。本当にお世話になりました…。5年くらい前に歴史で留学していた先輩が持ち帰った本はトン単位だったと聞いてびっくりしたけど、それは決してオーバーな話ではないのだと実感した。
 数年前に定年退職してドゥイーノで年金生活をしている経済史の先生にお会いして、一緒にアルキヴィオへ。どこの国でも今経済史は斜陽で大変だ、というような話をした。滞在の最後にアルキヴィオで見たのは、前日グミュンドゥで見た一代目ポルシェが生きた、あるいは「オゼリャン」という題でこのブログにも書いたダミアーノが生きた時代のゴリツィア産業史。中小企業支援団体の資料にざっと目を通した。史料があまりあちこちに散らばっていない、都合のいいテーマなので、ここでしばらく掘り起こし作業を続けようかと思った。
 音楽学校に行くのもこの日が最後だった。結局発表会には間に合わなかった。先週ついに男の子が生まれたといって、アントニオが写真を見せてくれた。6月にはナポリのオーケストラの公演で日本中を回るらしいので、東京で会う約束をした。事務で働いている友達や、夏にお世話になった先輩にも挨拶して、借りていた楽器を返した。いつかまたチェロを再開できるといいんだけど。
 夜は安価な郷土料理の店、ファレニャーメで巨大リブを友達親子と堪能。美味しかった~。またみんなに会えるのはいつになるのかな…。

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〔オススメのオルゾット〕
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〔海の幸スパゲティ〕
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〔巨大な焼きリブ、ファレニャーメ風〕

Via Maniacco, 2
tel. 0481-547390
定休日 日曜日(月曜定休が多いゴリツィアでは希少!)
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Sale e Pepeサーレ・エ・ペペ

テーマ:
sale e pepe
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やっと念願のサーレ・エ・ペペに行ってきた。私が近々日本に帰国するのを知った友達がお昼ご飯をご馳走してくれるというので、図々しくもサーレ・エ・ペペをお願いしてみた。
この店はStregnaというマタユールやカステル・モンテにも近い、チヴィダーレの北の寂しい集落にあって、ゴリツィアからだと車で1時間弱くらい。この辺の地理に詳しくない人にとっては分かりづらい場所にあるのに、店はいつも繁盛している。沢山のグルメ本でも評価されていて、実は今まで2回予約を試みたけど、両方満席だと断れた。客層は「食べ歩きが趣味」という感じの熟年カップルとかグループがほとんどで、駐車場には高級外車が数台停まっていた。でもこの店は評判の割に押さえたコストと地域の伝統的な料理を再生させている点が評価されている。
今日は連れが風邪を引いていて、私も最近アルコール控えめなので、なんとグラスワインで済ませてしまった。ただ本来この店は行き届いたワインリストでも知られているらしく、見せてもらったらコッリオの生産者達のワインがよく揃えられていた。ゴリツィアのダミアンとかオスラヴィアのプリンチッチまで入っていた。
胡桃入りカボチャスープ、薫製ニシンとラディッキオのサラダ〔乾燥ブドウが入っていた〕。猪肉入りフリウーリ風ニョッキ、自分でも真似して作ってみたいチーズ入りのオルゾット(大麦リゾット)、子豚〔maiale di latte〕のヒレ肉のステーキとポレンタ。それにRubiniのトカイ・フリウラーノとメルロー。
sale e pepe
sale e pepe
sale e pepe
sale e pepe
sale e pepe
そう言えば、最近夜はチェントロにある友達の事務所へ行って、コピー取りをしている。イタリアは日本に比べて、コピー制限がかなり厳格に守られているので、顔見知りのコピー屋の所でもじゃんじゃんコピーを取るには若干のストレスがある。と言うわけで友達の申し出は本当に有り難く、せっせと人がいなくなった事務所通いを続けている。

Stregna(Udine) 33040
Via Capoluogo, 19
Tel. 0432-724118
Email alsalepepe@libero.it
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ドズヴァルドの薫製プロシュット

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 イタリア・スロヴェニア国境地域に住んでいると否が応でも豊かな豚食文化の一端に触れないわけにいかない。ここフリウーリ=ヴェネツィア・ジューリア自治州のプロシュット生産地としてはなんと言ってもサン・ダニエーレが有名だけど、生産者単位ではおそらくコルモーンスのドズヴァルドが一番だと思う。
 そもそもコルモーンスのプロシュット文化はローマ時代に遡る伝統を誇るものの、現在この町で生産しているのはドズヴァルドのみ。プロシュット生産に人生と情熱を捧げているご主人 ドズヴァルドのプロシュットは薫製されているのが特徴だ。
 この日は数ヶ月まえにドズヴァルドでプロシュットを予約した友達が商品受け取りに行くのに同行する約束をしていたのだ。
写真の10数キロのプロシュットで140euro。そんなにめちゃくちゃ高いものでもないみたい。友達が頼んでおいてくれたらしく、奥さんが工場〔兼家〕の案内をしてくれた。
d'osvaldo
d'osvaldo
〔パンチェッタ。豚バラ。脂肪がいっぱい。〕
d'osvaldo
〔パンチェッタを作る部屋。食欲をそそる胡椒と肉の香りが充満している。〕
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〔友達用に作っているという薫製豚足〕
d'osvaldo
〔絶対見たいと思っていた薫製部屋。鍋の中にはローズマリーが入っている。2階にプロシュットがどばーっと吊されていて、1階から煙が格子状の天井を抜けてプロシュットを燻す仕掛け。〕
 驚いたことに、まだ日本には輸出していないそうだ。ドイツから直接買いに来る客に売る程度であとはイタリア国内のレストランに卸しているらしい。
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ビバネージ

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に最近はまっている。トレヴィーゾ県にあるビバーノという町で生まれたパンというかクラッカーの一種。イタリア料理屋で食事の前に供される、ぼそぼそ食べるアレです。
 隣のトレヴィーゾ県の影響を強く受けているポルデノーネ県出身の友達の家に夕食を食べに行ったとき、「私ビバネージ食べよ。ビバネージ、知ってるでしょ?」〔彼女〕「何それ?」〔私〕というやりとりの後、動物柄の袋入りビバネージを食べた。オリーブオイルと白胡麻の風味が豊かで、手作りの温かみもあり、1つ2つつまむ分には膨張感もない。それ以来ゴリツィアで動物柄の袋入りビバネージを探していたら、近所のPellicano〔スーパー〕で発見。
 確かトレヴィーゾに行ったときもこのビバネージがレストランのテーブルに置かれていたと思うんだけど、食べた記憶はない。食事の前にはお腹を膨らませたくないので、パンとかグリッシーニとかこの手のものにはあまり興味がなかったのだ。
 ゴリツィアーニに「ビバネージ知ってる?」と聞くとみんな「?」という反応。写真を見せるとみんな「あ~」って言うけど、名前は知らないみたい。
bibanesi
bibanesi

アルバからのお客

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さんが来た。イタリアのあちこちでワインやら料理やらを修業中のソムリエさんで、この地方の白ワインを試飲したり、リストランテやトラットリア巡りをするのが目的らしい。経済的に厳しい修業時代に、あらゆるレストランを回り、試飲、試食を繰り返しても、将来何の保証もない。そういう境遇には大きなシンパティアを感じる。
 初日の夜にはカザルサというパゾリーニの故郷にある900ノヴェ・チェントというレストランに行ってきた。というのも地元の名だたるレストランはみんな予約で一杯か閉まっていたから。実はこの日はサン・ヴァレンティーノだったということをカザルサでようやく思い出した。サン・ヴァレンティーノはイタリアでもかなりどうでもいい類の新しい商業的なイヴェントらしく、無視する人は完全に無視する。
 食事は魚介類をメインにしたサン・ヴァレンティーノ・メニューで、軽くおいしく食べられた。チョコレートづくしのドルチがなかなか美味しかった~。
http://www.ristorante900.it/

またお別れ

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 サラマンカでエラスムスをするルームメートが家を後にし、もう1人も別のアパートに引っ越した。彼女は仕事の関係でもうしばらくゴリツィアにいるとはいえ、これまでのように毎日しゃべったりはできなくなるだろう。というわけで、先日ジャンニという学生に人気のトラットリアでささやかなお別れパーティを開いた。この店の料理は大味でものすごい量があることで有名。リュブリャンスカとかステーキを頼むと、3人分くらいのが運ばれてくる。当然食べきれないけど、みんな家に持って帰るので問題なし。金曜日のバッカラとビールが美味しいという評判もある。
 最後の食事会は他人抜きで、なんて話をしていたにも関わらず、夜の11時を過ぎるとどこからともなくそれぞれの彼氏が現れ、なんとなく解散になった。イタリアは若い内からカップル単位で行動する「カップル社会」だと折に触れて実感する。カップル単位で人付き合いするから、パートナーと別れると必然的に交際範囲の半分を失うことになる。面倒この上ないらしい。
 今回のルームメート達とは何の問題もなく、楽しく共同生活を送ることができた。向こうはたったの4ヶ月、私は1年以上と滞在期間の差があったから、なんとなく生活用品は私持ちになってしまったのが私は不満で、向こうにしてみれば週末に実家に帰るにも関わらず電気、ガス、水道代を均等に3分割されるのが不満だったと思う。その辺り、お互いに言葉を飲み込んで、仕事や友達のことを日常的に話し合って上手くコミュニケーションを取れたかな。
 実は次に家にやって来るのは「22,23」位の「女子学生3人組」。「ロンドン」でエラスムスをやっていた友達同士だと聞いて、少しイヤな予感がしている。あと数ヶ月、平穏に暮らせるといいんだけど。

住所 Via Morelli 8/B
Telefono: 0481 534568
休み:火曜日、土曜日(昼のみ)
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キジを食べた

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正月明けにようやくキジを調理した。オリーブオイル、塩、ローズマリーでシンプルにオーブン焼きにしてみたんだけど、結果的に失敗だった。生焼けを気にする友達が焼き過ぎた肉はぱさぱさしていた上、「野生」の臭みが抜けていなかった。10日くらい待ったんだけど、足りなかったのだろうか。友達の家にまだ10匹くらい冷凍したのが入っているらしいので、再度挑戦してみるつもりだけど、何が悪かったのかプロに聞いてみてからにしよう。
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パネトーネ

テーマ:
panetone
 どうしても食べたいものが見付からない、という経験をゴリツィアに来てから数ヶ月おきにする。大体何か重たい(もらい)モノを賞味期限が切れる前に食べきろうとしているときに起こる。スーパーの陳列棚を隈無く見ても、料理の本を読んでも、ここで食べられるものには一切食指が動かなくなる。せめてヴェネツィアやウィーンに行けば…なんてことを夢想しては、細々といつものメニューを作り続ける。
 今回のきっかけはパネトーネだった。ミラーノでふくらし粉の分量を間違えて誕生したと言われるパネトーネは巨大なプリン型の菓子パンで、中には通常干しぶどう、果物の砂糖漬けなどが入っている。ちなみにこれよりバターの量が少なくて中に何も入っていないのがパンドーロ。こちらはヴェローナのお菓子だ。クリスマス前から年末にかけて、このパネトーネを自分で1つ買った後で、友達から2つもらい、合計3kgを1人で平らげることになったのだ。自分で買った市販のパネトーネはまだ軽い食感だったんだけど、ローカルな店の職人が作ったようなの(写真)は中に入っているフルーツが多いせいか、やたらと重厚で甘ったるい。賞味期限は数ヶ月あるけど、固くなるから数週間で食べ切るようアドヴァイスされ、この10日間毎朝パネトーネと格闘している。まだ1個半(!)残っていて、しかも最後のが一番重たそう。これを終えたら食欲は戻るのだろうか。

キジ到着

テーマ:
 クリスマスを目前にした今日ようやく友達の狩人がキジをとってきてくれた。友達が丸々と太った雄のキジを袋から出したときには思わず「ぎゃっ」と叫んでしまった。鮮やかな色のふかふかした羽に包まれたキジは外傷がほとんどなく、眠っているみたいだったから。こんなに綺麗な生き物を私なんかが食べちゃってもいいのだろうか、と何だか申し訳ない気分になった。
fagiano
fagiano2
 夜の9時頃、覚悟を決めて台所で解体にとりかかることにした。まずは羽むしりから。想像以上に細かい羽が宙を舞うので、本来は昼間外でやるべき仕事だと実感した。羽はかなり力を入れないと抜けない。特に長い尾の羽は一本一本丁寧に抜いていった。一旦作業を始めると覚悟が出来るのか、怖いとか気持ち悪いという気持ちは薄れ、とにかく肉を一片でも無駄にしないように、美味しく食べられるようにという一心で作業に集中。皮を傷つけないようにゆっくり羽むしりを終えるまで1時間くらいかかった。途中で抜く羽を少しでも減らそうと、頭、手羽、足を切断。食事用のナイフを使っていたお陰で一苦労だった。友達からのアドヴァイスに従って、体に残った細かい羽は火であぶった。
 内臓抜きは羽むしりより物理的には楽だけど、精神的にきつかった。お腹を切り開き、内臓が見えたときにはちょっと感動したけど、これを取り出すのは意外と難しかった。内臓は互に複雑に絡み合っていて、「すぽっ」と取り出せるようなモノではないのだ。最後は「ぶちっ、ぶちっ」と大雑把に手でつかみ出し始め、途中で白いチューブのようなグロテスクなものを引き出したときには思わず悲鳴をあげてしまった。とにかくこれは思っていたよりずっと気分が悪い作業で、最後は貧血で頭がくらくらした。残った肉〔骨を除けたらパニーノくらいしか作れなさそう!!〕をラップしてフリーザーに入れ、作業完了。散乱した羽を簡単に掃除して脱力。この日はもう床につくことにした。
 ともあれ、これで1週間後には柔らかく臭みの抜けた野生のキジ肉を食べられる。ちょうどお正月頃だな。後はレシピを研究して、何が何でも美味しく食べ切らねば。次はウサギももらってみようかな…。
mulin vecio
 久し振りにグラディスカのムーリン・ヴェーチョへ行ってきた。ここに一歩入るとまるで時間が止まったかのような気分になる。銅鍋が頭上のあらゆるところにぶら下げられ、田舎風の飾りが施されている。いつもの顔がいつものように温かく迎えてくれる店だ。夕食前の時間帯、一杯やりに来ているおじさん達で店は一杯だった。
 歴史ある「グラディスカのムーリン・ヴェーチョ」といえば州内の若者の間でも有名なんだけど、最近は近場、カルソのアグリツーリズモが発達して、少しのお金で同じジャンル(加工肉、チーズ、ピクルス、ワイン)のものをより美味しく飲み食いできるから、どうも分が悪いみたい。少し前にグラディスカに来たとき「ムーリン・ヴェーチョに入ろう」と言ったら、若い友達に「高いから」と反対された。確かにここでは若者の姿をあまり見ない。