一番見たくない生き物を我が家でついに見てしまった。土曜日の夜のことだった。動いているところを見た瞬間に、心臓がドキッとして痛くなった。

実は、スエさんも私と同じく心臓の病と戦っていて、私同様に長時間の対応は難しいので、昨晩は早めに9時には終了。よっ同志、という感じ。
その後、私がスタジオまんぼうbase の事務室で仕事をしているときのことだった。Gがゆっくりと現れた。以前に、千葉みなとの某ラーメン屋に登場したのと同じような動き。極力刺激しないようにして、スタジオ側のドアをそっと閉めて、他の部屋に行けないようにした。そして、戦わずにじっと見ていたら、ゆっくりと棚の後ろに入っていった。
この時期になると、Gはけっこう屋外の路上を歩いていることが多く、隙あれば住宅に入り込もうとしている。毎年3匹くらいは、そういうGに遭遇する。今年もすでに2回見ているが、我がスタジオへの侵入は阻止していたつもりだった。しかし、機材の搬入や搬出でドアを開放している時間もあるので、いつの間にか入り込んでいるということもあるはずだ。通気口から入るというパターンも考えられる。
このままにはしておけないので、作戦を考えた。まずは、事務室内に閉じ込めること。そして、せっかく買ったのに設置を忘れていた誘因殺虫剤を事務室内の各所に即座に置いたこと。最後は、G用ではないが、虫用の殺虫剤を棚の後方に噴射することである。
1日経った日曜日の夜、スタジオでの作業を終えて事務室に戻ったとき、私は自身の勝利を知った。Gが動けない状況で仰向けに倒れていたのだ。殺虫剤の効果か誘引剤の効果かは判らないが、棚の後ろでのご臨終ではなくてよかった。駆除できたことを確認できなければ、ずっと不安でいなくてはならないからだ。
おもむろにティッシュで死体を処理しようとした際、衝撃的なことが起こった。死んでいると思っていたGが突然動き出したのだ。私は、慌ててティッシュでGを押しつぶし、何度も何度も押し潰して二度と生き返ることが無いようにした。まさに、心臓が止まるかと思う瞬間だった。
用意周到に策を取り、勝利したと思っても、その後のことを油断してはいけないのだという教訓だった。
前にも書いたとおり、Gは私が最も嫌う存在である。その生き方が嫌いなのだ。常にこそこそと逃げ回っているが、そうかと思うと突然反撃してくることもある。そして、その反撃はだいたい失敗するのだが、失敗してからも再び逃げようとする。Gは、卑怯者の象徴のようなものだ。人においても、こそこそと逃げ回る自己中心的な人物のことを「ゴキブリ野郎」などと揶揄する理由もよくわかる。
私は、Gのような人間にも決して負けない。もし今後、そういう人物が私に実害を及ぼすようなことがあれば、徹底的に叩き潰す。