雨の中のドラムセット搬入と搬出は、やっぱりしんどいですね。
これも、ほんの5年前ならこれほどまではキツいとは思わなかったはずです。
コロナ禍前の自分と今の自分を比較しても意味のないことかもしれませんが、ちょうど年廻りが不運だったと考えるしかありません。少しずつ自らの衰えを実感し、それを自覚して徐々に対策を考えるという時間を奪われてしまったのです。私も、実はあと少しで還暦です。
ガクンと崖から落ちたような感覚です。坂道を下るように、ではありません。
車の自動ワイパーが最高速度に勝手になってしまうような大雨の中での、自宅での車への積み込みと会場への搬入は大変でした。
会場について、持込台車でブルーシートをかけて運ぼうとしても、結局シートは風で飛ばされ機材は雨まみれ、傘をさしていては台車をうまく押せないから、私も雨でずぶ濡れ、思いがけない段差によって、雨の中で一度機材をぶちまけてしまった際には、もうこのまま出演をやめて帰ろうかと思ったくらいです。しかも、ドラムセットへのダメージは、かなり大きかったと思います。
バンマスからは、朝のうちに一階の搬入口に来るようにとの指示がありましたが、何度確かめても場所がよくわかりませんでした。結局、大雨の中で悲惨な搬入となったのでした。バンマスに、搬入口の場所がわからないから詳しく教えてほしいと連絡をしたら、かなり待って返信があり、今は小雨だからそのまま4階から搬入してくれとのこと。しかし、全く小雨にはなっていませんでした。
10m以上はあろうかという長いスロープをそろりそろりと台車を押していくはずが、機材の山が崩れてしまったので、雨の中何往復もして機材を必死の思いで店内に運び込みました。
その作業中には、管楽器を持った出演メンバーらしき人が何人も側を通り過ぎて行きました。集合時間に遅れたわけではなかったのに、結果として私だけが会場に遅れて到着したということになってしまいました。
苦労してヘロヘロになって、ずぶ濡れでやっとのことで会場入りしたら、皆さんは既に揃っていました。バンマスが、私のドラムのセッティングが終わるまでリハを始めないと言うので、すごく焦って準備をしました。
ドラムは、本来は微妙な位置調整やチューニングの調整に時間がかかるものなのです。結局は様々なことが整わないままボロボロのリハをして、やっと昼休みに。やっと残りのシンバルも付けて、チューニングなどの調整もして、全曲の譜面もやっと確認して、本番に備えました。
本番は、全力で頑張りました。水分もしっかりととりつつ、初見の曲も譜面を凝視して(笑)何とかやり遂げました。目の前でバンマスが指揮をしていたのですが、その拍取りがメチャクチャなので、頭が混乱してしまいました。私はその指揮を極力見ないようにして、必死にテンポキープを心がけて演奏をしました。
コンマスの方がカウントを出してくださるのですが、私がそのカウント通りのテンポで演奏を始めても、ベースの方と合わなかったり、ボーカルの方からテンポが早いだの遅いだの注文があり、なんだかな〜という感じでした。
その他、身体的な辛いこともありました。これまでこんなことは全くなかったのですが、右膝と股関節が痛くなり、ドラム演奏に支障が出るほどだったのです。以前に海浜幕張の本番で演奏した時は全くそんなことは無かったので、わずか半年で身体の深刻な劣化が始まっているということの証だと自覚しました。これは、大問題です。この半年、あるいは1年で私の身体の状況は著しく劣化しました。この現実を今後どのように受け入れて、どのように頑張っていったらいいのか、悩ましいところです。
ライブが終わった後に、私はドラムの片付けを始めました。これも、時間がかかるものなのです。参加している管楽器の皆さんは、いつものとおりに私に声をかけるでもなく、ドラムセットの撤収をしている私には目もくれずにどんどんと帰っていきます。もちろん、多くの人に次から次へと「何かお手伝いすることはありませんか?」とか言われたら閉口してしまうので無視してくれたほうがいいんですが、それにしてもみんな私に対する視線も冷たい感じです。つまり、呼ばれたプロの方も多いから、こんな雰囲気になるんでしょうね。
私もいつも、正式メンバーではなくトラとして参加をしているつもりですが、報酬は一切受け取っていませんので、お知らせしておきます。今回は特に、入場料を取るライブにおけるトラだったので、私なんかでいいのかなと不安になりました。本来出るはずだったドラムの方にもまことに申し訳ないことです。
メンバー紹介でバンマスから名前を忘れられていた私を哀れんだのか、演奏後に観客の方が突然ステージに近づいてきて、ドラムがよかったと褒めてくださいました。ファンになったとまで言ってくださったのですが、きっとお情けでしょう。
私も、昨日のベルガモットライブでメンバーの名前が出てこなくて焦りましたが、私と父と同じ年齢であるバンマスが私の名前を忘れたことを責めるつもりはありません。でも、改めてわかりました。バンマスの方による演奏の依頼が重なったり抜けたりしてしまうのは、顔と名前が一致していないからなのでしょう。つまり、私に依頼をしたのか他の方に依頼をしたのか、わからなくなってしまったのですね。
こちらのビッグバンドには時々トラとして参加していますが、演奏自体は楽しんでやっています。今日も自分なりに楽しく演奏できました。そこで改めて問題となるのが、私はこのところ切実に体力気力共に低下しているのに、これだけの機材運搬の労力著しく費やしてまで、ドラム演奏をやる意味があるのかなと。ベースとしてのトラ参加とは訳が違います。
さて、将来のまんホール建設に向けて、今回初めて行ったホールについて分析してみます。
こちらのホールは、収納式のステージと階段座席が設置されている本格的なもので、アマチュアには到底実現できるようなものではありませんでした。ホールのデザインや構造について、参考になりそうな点は、しっかりとチェックしておきました。このような本格的なホールのミニチュア版を目指すのか、それとも簡易施設を目指すのか、悩ましいところです。
※本文は、掲載後にも随時修正と加筆を続けています。