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2005年 第28回24時間テレビ車いすトライアスロン
挑戦をさせていただいた場所は、国際トライアスロン発祥の地、熊本県の天草でした。
http://hamadayori.com/hass-col/sports/triathlon.htm
あれから12年、今年の24時間テレビが放送される数日前、SNSを通じて私を探してくださった方から、一通のメールが届きました。
それは車いすトライアスロンゴールがある、本渡海水浴場で声援を贈ってくださった方でした。
12年の時を経てその場にいらした方とご縁があるなんて嬉しくてなりませんでした。
言葉を交わす中で、胸が熱くなるエピソードを教えていただきました。
その方から送られたメールです。
(ご本人の承諾を得ております)
あの日大貫さんを応援しようとたくさんの方が海水浴場に駆けつけました!
そしてゴールを目指し海水浴場に入って来られる時にテレビ関係者のスタッフさんかボランティアさんかわからないのですが
『声援を送る際に『頑張れー』はなるべくやめましょう。
大貫さんもぅ充分頑張ってます!
体が動かなくなるまで…最大限の力を振り絞ってこっちに向かってる!
だから『頑張れー』はキツいと思うから他の言葉をかけましょう!!』
というものでした。
たぶん現場に立ち会った方の誰かでしょうね…。
みんなからも
『うん、そうだ!そうだ!』
『あと、一歩!』とか
『ゴールは目の前よ!』
っていう声援を送ろう!って決めたんです。
そこにいるみんなが不思議と仲間になったような素敵な瞬間でした☆
おそらくそれを提案されたのは1番近くで大貫さんの頑張りをずっと見てこられてた方の声かも知れませんね。
上記のエピソードを教えてもらいました。
初めて聞くお話に、涙が溢れてしばらく止まりませんでした。
ご存知の方も多いかと思いますが、実はゴール直前にこの様なことが起こりました。
中継には映っていなかったのですが、ゴールから僅か1キロ手間で、唇が痙攣し、体が全く動かなく
なったのです。
その時、完走は無理だと思いました。
唇の痙攣は酷くなるばかり、呼吸は乱れ、目も開けられない状態、
そして、ついに腕が垂れ下がってしまいました。
しかし、そこに映像には無かった大きなドラマがありました。
動かない私を見た、応援に駆けつけてくださった方々が、涙を流して
「大貫さん起き上がれよ!」 
「大貫さんゴールして!!」
「みんなが大貫さんの完走を待ってるよ!!!」
皆さんが、しゃがんで涙を流しながら私に送ってくださった心からの熱い声援に、
私は、「このままここで終わったら、自分に負けることになるじゃないか!!!」と。
今でも不思議なのが、全く動かなかった体が、もう一度起き上がることが出来たのです。
薬を飲んだわけでもない、注射をしたわけでもない。
そこにあったのは、「皆さんの心からの熱い声援」
この声援が、まったく動かなかった体をもう一度起き上がらせ、ゴールへと向かわせてくれたのです。
そして、8月28日、午後8時過ぎ、9時間6分と言う時間で51.5キロの道程を完走することが出来ました。
あの時、知らないところで私を想いこの様な言葉が交わされ、想いがひとつになり、ボロボロだった私の体にしっかり届いたからこそ、
「完走」と言う二文字を掴むことが出来ました。
自分の力で完走出来たのではない。
皆さんが、同じ空の下で繋がる皆様がゴールへと導いてくださったのです。
私のことを応援してくださった皆様、心から、心から、ありがとうございました。
「私はとても幸せでした」
人間の持つ力はとても不思議なものです。
自分一人では不可能であったものも、みんなの力と支えがひとつになると可能になる。可能性の無限さを教えてもらいました。
皆様から頂いたものを胸に、これからも「自分を信じ、自分に負けない」精一杯生きて前進します。