「ワクワクがわからない!!」
と沈痛な面持ちで美人な友に告白されたんだけど、
「へ~そうなんだー」てニコニコしてたら
「ちゃんと真剣に考えて」って
プチ八つ当たりをくらったので
ちょっとだけちゃんと考えてみた。
「ワクワクって、何?」て聞いたら
「ワクワクすると、人生が変わるっていうし、
良いことばっかり起こるし、金運もアップするし、
結婚もできるって」
「まじか」
「まじで」
「で、ワクワクって何?」ってもう一回聞いたら
「テンション上がること!
もう、それに向かって突き進む!ってこと」
「これまでの人生のなかで人前で
イエーーイ!!!!って叫んだこと、ある?」
「うーん、たぶんない。」
「これまでの人生のなかで
ちょっと良い紅茶とケーキ食べて
美味しい...♡って呟いたこと、ある?」
「何回もある。」
「以上です。さ、カレー食べに行こ。」
「(怒り)」
「(美人がムッとしてる顔って怖いなー)
えーと、ね。
今の場合、ワクワクって言葉の意味の範囲が
狭すぎなのかなぁって思うのね。」
「?」
「テンションだだ上がり!てのが
今言ってるワクワクってことだと思うけど、
辞書で調べてみると、こうなわけ
すっごい簡単に言ったら、
喜んでるって状態のことだよね。」
「うんうん。」
「で、さらに、ワクワクの語源は
つまり、湧き水みたいに
自然に湧いてくるもんだよってことよね。」
「ほうほう。」
「だから、
ワクワクがわからない!って悩むのも、
ワクワクしなきゃって力むのも、
ちょっと違う気がするよねー」
「そ、そっか」
「で、すっごく簡単にしたら
ワクワクって喜びなんだねってさっき言ったけど、
喜びって、嬉しいってことでもあるから、
その表現の範囲を調べてみたら
とても嬉しい!の表現って
例えば
〝強い歓喜の表情が感情の光のように沸き、
全身を包む″
てのがあるんだけど
少し嬉しい、の表現は
〝ひそかな喜び″〝甘酸っぱいような喜び″
〝気分がいい″ “しみじみとした満足”
とかがあるじゃん。
「うん、うん」
「さらにさらに、《湧く》
っていうのに注目して表現してみても
アイスランドにあるストロックル間欠泉みたいに
約5~10分おきに
熱湯と蒸気が噴きあげてる、のも
うちの裏山の水源みたいに
こぽこぽ静かに穏やかに
水面を揺らしている、のもある。」
「そうだね」
「だから
イエーーーーーーーイ!!って叫ぶのと
美味しい...♡って呟くのと
同じ“湧く”だから、
どっちにしても
すでにワクワクしてるよってことじゃない?」
「え」
「え?」
「(早くカレー食べたい)」
「じゃあどうしたらいいの?」
「早くカレー食べたらい、じゃなくて
美味しい...♡って呟きが湧いてくるのも
これもワクワクだな〜って
大事にしたらいいんじゃない」
「え。えーーーーそれでいいの」
「(悩むより)いいんじゃない(知らんけど)」
そのあと2人でカレー食べに行って
「美味しい....しあわせ〜♡」って呟いてて
「幸せだからデザート奢ってあげる」って
もりもりのデザートプレート奢ってくれたよ
おしまい
花療法家
よしだまなみ