「月まで3キロ」「8月の銀の雪」などの作品
で知られる、伊与原新氏の最新作です。
高校卒業後28年ぶりに故郷に戻り、自身の夢で
ある天文台を作ろうとする女性がいました。
それは高校時代の文化祭で作り上げた、空き缶
でできたオオルリのタペストリー製作を思い起
こさせ、当時の仲間が集まってきます。
その天文台作りの過程で、高校時代の真実が徐
々に明らかにされていき、復活した友情にも微
妙な影を落としていきます。
しかし天文台の完成とそこから見える夜空は、
そんな思いも洗い流してくれるのです。
理系専攻の著者が流星群という何ともロマンチ
ックキーワードを駆使して、人と人との繋がり
を、何とも言えない語り口で紡いでいく、心洗
われる一冊です。
クリックお願いします。