「JIS Q 9001:2015」の読み解き方 | 京都で働くコンサルタントのブログ
2015-12-01 06:33:36

「JIS Q 9001:2015」の読み解き方

テーマ:品質マネジメント
皆さん、こんにちは。
(株)マネジメント総研の小山です。

「ISO 9001(品質マネジメントシステム-要求事項)」が9月に改正され、その日本語版の規格に当たる「JIS Q 9001:2015」が11月20日付で発行されました。また、品質マネジメントシステム(QMS)の「基本及び用語」を定めた「JIS Q 9000:2015」も同日付で発行されました。


これにより、認証取得組織においては、本格的な移行作業が進められていくものと思われます。ちなみに、JISではなくISOが発行されてから3年以内に移行を完了する必要がある点に注意が必要です。


さて、「ISO 9001」は1987年に初版が発行されて以来、1994年、2000年、2008年と改正を重ねてきている規格です。

今回の改正は、「ISO/IEC 専門業務用指針-第1部:統合版ISO補足指針」附属書SLに従って開発されたもので、既に2013年に改正された「ISO/IEC 27001:2013(情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)-要求事項)」「ISO 9001」と同日付で改正された「ISO 14001:2015(環境マネジメントシステム(EMS)-要求事項)」と同じ構成となります。

従って、複数のマネジメントシステムを運用する組織にとっては、統合整理しやすい構成となったと考えられます。


なお、今回の改正は外観上大きく変わったように見えますが、本質的な部分は変わっていないので、元々、本質をしっかりと押さえて仕組みを構築していた組織にとっては、それほど大きな影響はないものと考えられます(本質を外していたり、不足があれば、対応しないといけない事項が増えるものと思われます)。


「ISO 9001」は顧客満足の向上に役立つ規格であることから、今回の改正をよい機会として捉え、改正の要点を改めて確認し、規格の本質の理解を深めていただければと考えます。

その際に「JIS Q 9001:2015」を読み解き方として、以下、4点ほどご紹介したいと思います。ご参考になれば幸いです。


(1) 規格の序文を疎かにしない

今回の序文は、以下の構成となっています。
 0.1 序文
 0.2 品質マネジメントの原則
 0.3 プロセスアプローチ
  0.3.1 一般
  0.3.2 PDCAサイクル
  0.3.3 リスクに基づく考え方
 0.4 他のマネジメントシステム規格との関係


「品質マネジメントの原則」は先日(11/1)ご紹介したとおりです。
http://ameblo.jp/management-souken/entry-12090552428.html

また、「プロセスアプローチ」の下に、「PDCAサイクル」及び「リスクに基づく考え方」が置かれている点にも注目して読むと理解が深まると考えます。
こちらもFDIS(最終ドラフト)をもとにご紹介(8/16)したとおりです。
http://ameblo.jp/management-souken/entry-12062260382.html


(2) 規格の解説には思いが込められている

規格の解説には、以下の事項が記載されています。
 1 今回の改正までの経緯
 2 今回の改正の趣旨
 3 主な改正点
 4 審議中に特に問題となった事項
 5 原案作成委員会の構成表


「2 今回の改正の趣旨」には、改訂の目的が記載されているため、これを把握することで、より本質的な規格の理解につながります。

また、「3 主な改正点」も、要点を押さえる上で有用です。

そして、「4 審議中に特に問題となった事項」については、検討したプロセス等が記載されており、どういう議論の結果、このような表現に落ち着いたのか等、規格改正に携わった方の思いが伝わってきます。


(3) 規格改正に携わった方の話を聞く(解説を読む)

先の「5 原案作成委員会の構成表」に記載されている方は、規格の改正プロセスをご存知と考えられます。

その方の話を聞く、あるいは、その方が書いた解説を読むことにより、規格の行間の理解が深まることが期待できます。


(4) 『新旧規格の対照と解説』(日本規格協会)

今回、日本規格協会から『ISO 9001:2015 要求事項の解説』だけでなく、『新旧規格の対照と解説』が出版されています。

文字通り、新旧の規格を対照して解説されており、また、品質マネジメントシステム規格国内委員会が監修していることから、「ISO 9001:2008」を理解されている方は特にこの書籍が理解を助けるのではないかと考えます。



今回の改正は、より事業目的の達成に寄与するものとなるように、という思いが根底にありますので、ぜひ、本質的な理解をもって、「ISO 9001」をうまく活用していただければと思います。




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