「ISO 9001」の改正動向(ISO/CD 9001:委員会原案) | 京都で働くコンサルタントのブログ
2013-07-16 05:17:00

「ISO 9001」の改正動向(ISO/CD 9001:委員会原案)

テーマ:品質マネジメント
皆さん、こんにちは。
(株)マネジメント総研の小山です。

これまで、情報セキュリティのISO(27001、27002)の改正について何度かご紹介してきましたが、「ISO 9001(品質マネジメントシステム)」についても、現在、改正の手続きが進められています。

今回は、その「ISO 9001」の改正動向についてご紹介します。

現在、マネジメントシステムのISOを新規に発行する場合や改正する場合、共通の仕様で、章立てを構成するルールとなっています。

「ISO 9001」については、現在、以下の章立てとなっておりますが、

 1.適用範囲
 2.引用規格
 3.用語及び定義
 4.品質マネジメントシステム
 5.経営者の責任
 6.資源の運用管理
 7.製品実現
 8.測定,分析及び改善


改正版では、共通の仕様に基づき、以下の章立てとなる予定です。

 1.適用範囲
 2.引用規格
 3.用語及び定義
 4.組織の状況
 5.リーダーシップ
 6.計画
 7.支援
 8.運用
 9.パフォーマンス評価
10.改善

(共通の仕様については、過去記事をご参照ください)
 ▼マネジメントシステム規格の共通文書化(2012年11月16日)
 http://ameblo.jp/management-souken/entry-11407955860.html


ISOの改正手続きは、WD(作業原案)、CD(委員会原案)、DIS(国際規格原案)、FDIS(最終国際規格原案)を経て、IS(国際規格)として発行されます。

情報セキュリティのISO(27001、27002)は現在、FDIS(最終国際規格原案)段階まで進んでおりますが、「ISO 9001」は、現在CD(委員会原案)段階となっております。

2014年5月にDIS投票、2015年7月にFDIS投票、2015年9月に正式改正という計画となっております(遅れる可能性もあるようです)。


CD(委員会原案)と現行規格(2008年版)の相違点について、要求事項の切り口では、主に次の2点が挙げられます。

○1点目
・マネジメントシステムの共通仕様「6.1」には、
 「リスク及び機会への取り組み」という節が設けられています。
・「ISO 9001」における「リスク」の考え方については、
 「risk control」や「risk management」 を主眼とせず、
 「risk based thinking」を基本とする、とのことです。

○2点目
・これまで序文にあった「プロセスアプローチ」が、CD(委員会原案)では、
 「4.4.2.プロセスアプローチ」として要求事項として加わっています。


また、用語の切り口での相違点は、主に次の2点が挙げられます。

○1点目
・サービス産業への適用を容易にするため、
 「product(製品)」が「goods and services(商品・サービス)」に、
 「design(設計)」が「development(開発)」に変更されています。
・ただ、まだ議論が尽くされておらず、変更になる可能性はありそうです。

○2点目
・「継続的改善」という言葉が「改善」に変更となっています。
・これは継続性の軽視ではなく、ニュアンスとしてイノベーションを
 含めたいため、とのことです。
・「Quality management principles(品質マネジメントの原則)」で
 「継続的改善」が「改善」に変更されたことと同期が取られています。


ところで、CD(委員会原案)の「7.1.資源」に「7.1.5.知識」という項が設けられているのですが、「7.2.力量」の中に含めた方が妥当ではないかと考えられます。

改正に携わっている方にこの点について質問したところ、
「“知識”という項目を入れることは議論したが、
 どこに入れるかまでは議論を尽くしていない」
とのことでした。


このように、まだCD(委員会原案)段階ですので、これから各国の専門家たちにより議論が積み重ねられ、さらに良いものへと進化していくものと思われます。


引き続き、動向をウォッチして、情報提供したいと考えています。


※追記
「ISO 9004:2009(組織の持続的成功のための運営管理-品質マネジメントアプローチ)」では、“6.資源の運用管理”の中に“6.7.2.知識”が配置されていることから、「資源」のカテゴリの中に「知識」を配置することは、「ISO 9004」の構成に準拠しているとも考えられます。



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