《PROJECT80》71森薀⑨
・・・ようやく「文華殿」の公開です。
★『橿原神宮特別参拝と文華殿特別公開』
634-8550奈良県橿原市久米町934/0744-22-3271
https://kashiharajingu.or.jp/news/13870.html
橿原神宮では、令和2年より奈良県に委託し実施していた文華殿保存修理工事が竣工したことを記念して『橿原神宮特別参拝と文華殿特別公開』を開催いたします。
本公開では、神職が通常お入りいただけない橿原神宮 内拝殿での特別参拝に皆様を御案内し、完工した★文華殿(重要文化財 織田家 柳本陣屋御殿〔旧織田屋形大書院及び玄関〕)をご覧いただけます。文華殿は、部屋ごとに異なる格付けや江戸城本丸御殿を模したとされる現存する唯一の「上中下段の三段構成」などが特徴です。また、剥落止めを施した極彩色の丸彫り欄間や、かつて存在し、この度一部復原した上段の間 帳台構えの外廊下をご覧いただけます。
★修理工事:令和2年(2020)6月1日~令和8年(2026)3月31日
https://www.pref.nara.lg.jp/n037/61788.html
修理は奈良県が橿原神宮より受託し、文化財保存事務所橿原神宮出張所が直営にて実施しました。「文華殿」は、織田信長の弟、織田長益(有楽斎)の五男・尚長を藩祖とする柳本藩の陣屋御殿のうち、大書院及び玄関が移築されたものです。陣屋御殿は文政13年(1830)に一度焼失し、現在の建物は天保15年(1844)に再建された時のものです。明治10年(1877)4月以降は、柳本小学校の校舎として使用されており、小学校校舎の改築計画に伴い撤去されることとなりましたが、昭和39年11月に橿原神宮へ奉納され復原保存が実現しました。その後、修復工事が竣工された昭和42年に重要文化財に指定されました。江戸城本丸御殿大広間と数多くの共通点が指摘されており、江戸城の大広間が失われた現在、それを偲ぶことができる唯一の建物となっています。
文化財建造物の工事を行う際には、まず建物全体を覆う仮設の屋根を建設します。これは、工事のために建物を守っている瓦などを外してしまうと、雨や風で建物が傷んでしまうおそれがあるからです。旧織田屋形大書院及び玄関がある敷地内には、日本庭園史学の基礎を築き、作庭家としても有名な★森蘊氏が設計した美しい庭園があります。そのため、素屋根の建設にあたっては、庭園を壊さないようにする必要がありました。大型クレーンを庭園入口付近に設置して全体を組立てられるように施工手順を計画し、素屋根の構造に工夫を凝らして工事面積を小さくすることで、庭園を壊さずに、素屋根を建設することができました。旧織田屋形は、橿原神宮の「文華殿」として結婚披露宴会場などに使われているため、橿原神宮としては、できるだけ周囲の庭園の眺望を妨げないようにしたいとのご意向がありました。そのため、新たに「ガラス耐震壁」を開発して耐震補強することになりました。これは、従来の耐震壁の代わりになる地震に耐える設計のガラスに木枠を廻したパネルを作り、開口部にはめるというものです。これにより、外光を取り入れ開放的な雰囲気を保ちながら、景観も損ねることなく耐震性能が向上します。
