黒猫のタンゴ(5)
明治時代、浮世絵は印刷技術の発達により、衰退の一途を辿っていた。浮世絵の木版画の製作技術を学び、大正時代に画家に呼びかけ、新しい時代の浮世絵「新版画」を作り出したのが、渡邊庄三郎さんである。意外にも最初に賛同したのは、オーストリア人のフリッツ・カペラリや、イギリス人のチャールズ・バートレット、エリザベス・キースら、海外の画家だった。やがて、日本人画家にも広がりを見せ、橋口五葉や伊東深水、川瀬巴水らが手がけるようになる。
■フリッツ・カペラリ
1915「黒猫を抱える裸女」
浮世絵は、1660年頃に絵師の菱川師宣が大勢の人に楽しんでもらうことを目的に、肉筆から木版画に切り替え、急速に庶民に広がった。当時、江戸に男性が多かったことから美人画が流行り、女性には役者絵、長く親しめる源氏絵や武者絵、花鳥画、名所絵などが生まれ、大衆のニーズに応えながら、芸術性が高まっていく。「浮世絵は、江戸時代の大衆文化を描いたもので、決して堅苦しいものではありません。直感で“楽しい”とか“色がきれいだな”と思えば、それで浮世絵を理解したと思っていい。最初に解説を読むのではなく、理屈抜きで、好きな絵を選ぶことが大切です」と、極彩色を操る浮世絵の摺師の技術が今に伝わる「渡邊木版美術画舗」渡邊章一郎さん。
江戸時代の庶民の文化として浮世絵は発達した。だから、猫は多く登場する。
さらに、猫は単なる脇役ではなく、その主役としても活躍する。
その系譜は「鳥獣戯画」から脈々と受け継がれるマンガやアニメのルーツでもある。
何でもかんでも、楽しまなきゃ損々という庶民の心意気である。
クロネコヤマトのマークの元になった運送会社アライド・ヴァン・ラインズ(Allied Van Lines)のマークを調べました。現在は、ケアフル・ムービング・ネットワーク(Careful Moving Network)という運送会社に受け継がれているようです。





