■加川良
・・・五木寛之さんのことを書きながら、浮かんだ歌がある。
●「伝道」作詞/作曲:加川良
悲しいときにゃ 悲しみなさい
気にすることじゃ ありません
あなたの だいじな 命に
かかわることも あるまいし
そうです それが 運命でしょう
気にすることじゃ ありません
生まれて 死ぬまで つきまとうのは
悩みというものだけなのですよ
●「教訓Ⅰ」作詞/作曲:加川良
命はひとつ 人生は一回
だから命を棄てないようにネ
慌てるとつい フラフラと
御国のためなのと 言われるとネ
青くなってしりごみなさい
逃げなさい 隠れなさい
・・・学生時代によく歌った。当時は学生運動もあったりして「革命だ」なんて息巻いたりして、やがて、「挫折」という言葉が一世風靡する時代に突入した。
五木さんは、今を「ウツの時代」と表現されている。私はちょっと違うニュアンスで捉えている。「ウツ」ではなく「ゆううつ」の時代と感じている。
それは、【自分は「うつ病である」という症候群】が蔓延していると考えるからである。
もとより人間には「躁」と「鬱」の側面があり、それを行ったり来たり。すなわち「一喜一憂」するのが常である。
このようなことを考えるようになったきっかけは、「前向きに」という言葉や、「暗い」という言葉が人間を否定するかのように用いられることに対して疑問を抱いたからである。
今回の震災においては、「がんばれ」という表現と「だいじょうぶ」という表現について、様々な意見が交わされている。
しかし、結局のところ・・・「がんばれ」としか言いようのない現実があり、私は答えの無い、出口が見つからないまま混沌とした気持ちで今日まで過ごしてきた。
先日、道頓堀に桑田圭祐さんが登場してゲリラライブを披露してくれた。
闘病中の身ながら、今回の震災に際して前倒しの登場である。
関西の元気を東日本へ・・・というメッセージ。確かに、そうだと思う。しかし、「カラ元気」では長期的な復興は支援できない。流行や悪乗り?ではなく、一人ひとりが自分の元気を確かめ振り返りつつ、真に自分を見つめた上での言動を少しずつでもいいから、開始することだと思っている。
さて、めったに病院に行くことも無かった私なのだが・・・
とある東郷青児さんの作品がデンと飾られている病院に行くはめになった。





