ひらの(9)
商店街の中にある全興寺。境内で紙芝居が演じられている。変なシャツを着たおじさんが、平野の大念佛寺に伝わる「幽霊の片袖」のいわれを、おどろおどろしい絵とともに語る。集まった子どもたちは真剣だ。奥に進むと「地獄堂」。中にはえんま大王が鎮座し、鬼や奪衣婆が恐ろしい顔でにらんでいる。ドラをたたくと地獄の様子を描いたビデオが流れる。「ほとけのくに」もある。無数の石仏に囲まれ、床にガラスの曼荼羅がある洞穴で瞑想が出来る。地獄の釜の音が聞こえる石の穴、昔のおもちゃが展示された「小さな駄菓子屋さん博物館」など、ここだけでも見る価値がある。
今の子どもたちにとったら「駄菓子」は新しいお菓子かもしれない。
コーヒー豆をひく古い道具を並べた「珈琲屋さん博物館」、江戸後期に建てられた町家は「町家博物館・今野家」として公開され、中を見たり、家主の話を聞くことが出来る。とにかく町中が「博物館」と名乗って、楽しませようとしている。これが「平野町ぐるみ博物館」。秩序立っていない手作り感覚が面白い。
■杭全神社は「鎮守の森博物館」として「生きた博物館である」と書かれている。特別何か展示しているわけではない。普通の神社だが、樹齢800年の巨大なクスノキ「生きた博物館」はウソじゃない。
クスノキの右側に「布団太鼓」の小屋がある。
地車(だんじり)とは違った迫力と美しさが・・・私は大好きである。
本殿には風格があり・・・
神輿が似合う。
一時、布団太鼓も神輿も担ぎ手の若者がいなくて、地車(だんじり)のように引っ張っていたこともあったが、最近は町おこしの効果が出たのか・・・どんどん若者がもどってきている。祭りの時だけかもしれないが・・・ちょっとカーニバルのようなお祭り騒ぎ風になっているのが気がかりだけど。
ふだんは静かな鎮守の森・・・杭全神社。










