ぎょ(216) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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「ムツゴロウ」が泥の海をジャンプする姿は、なかなかカッコイイですね。そして「蒲焼」・・・ということで「どじょう」のことが浮かびました。


泥鰌(1)


どぜう1


鰻は「鰻目ウナギ科」であり、泥鰌は「鯉目ドジョウ科」です。

■日本産のドジョウ科は、5属9種と2~3の亜種が知られています。主なものは、「ドジョウ」、「フクドジョウ」、「ホトケドジョウ」、「エゾホトケ」、「シマドジョウ」、「スジシマドジョウ」、「ヤマトシマドジョウ」、「アジメドジョウ」、「アユモドキ」です。「ドジョウ」は、日本の各地、朝鮮半島、中国、台湾などの水田、溝、池沼、河川の緩い流れの場所などに住んでいます。


どぜう2

■「フクドジョウ」は、北海道及びサハリン、朝鮮半島、中国東北部に分布しています。河川の流水域に棲み、体長は20cmに達します。口ひげは6本、背中は黄褐色、体側には不規則な濃いめの斑紋があります。習性は、ドジョウとほぼ同じといわれています。

■「ホトケドジョウ」は、日本の特産です。本州と四国に分布し、湧水を水源とする細流に住んでいます。体長は6cmほどで口ひげは8本、背中は灰褐色で、濃い不規則な小班点があります。腹側は淡く、内蔵が透けて暗赤色に見えます。習性はドジョウとほぼ同じです。いわゆる「谷戸」に棲んでおり、開発によって絶滅に瀕している希少種です。


どぜう3


■「エゾホトケ」は、北海道特産で、浅い池や湿地帯の細流に棲んでいます。体長は8cm、口ひげは8本。背中側は、灰褐色で腹側は淡く、雄は体側にハッキリした黒色縦帯があり、雌は不明瞭です。生態はドジョウと似ています。

■「シマドジョウ」は、北海道と九州西部を除くほぼ日本全土に棲んでいます。澄んだ川や湖の岸近くの浅い場所の砂や砂礫底が好きなようで、砂にもぐります。口ひげは、6本、眼下部に先端が二又になった1本の棘があります。側線は不完全で、体長は、5~12cm、地方によってほぼ一定した変異があります。餌は、底棲の小動物が好きなようです。産卵期は5~6月で、あまり食用にはされません。観賞用として、アメリカに輸出されます。


どぜう4

■「スジシマドジョウ」は、琵琶湖を中心に、山陰、四国、九州の一部に分布しています。体長は12cm、口ひげは6本、体側に、2本の切れ目のない暗褐色の縦列帯がり、背鰭と尾鰭にも縦縞を持っています。

■「ヤマトシマドジョウ」は、以前は「タイリクシマドジョウ」と呼ばれていました。九州の大部分と山口県の佐波川・阿武川以西に分布しています。体側の中央線上に8~10個の暗褐色の円形斑紋が並んでいます。稀に、縦帯型もあるようです。近年の遺伝学的研究で、スジシマドジョウとシマドジョウのそれぞれの2倍体が交雑して生まれた異質4倍体の可能性があるということです。


どぜう5

■「アジメドジョウ」は、日本の特産種で、名前の「アジメ」は、味の良いという意味です。木曽川、神通川などの中部地方、三重県の山岳地帯や五十鈴川、琵琶湖に注ぐ川の一部の上流域に棲んでおり、岐阜県下には最も多く棲んでいます。体長は10cmに達し、口ひげは6本、体色は淡黄褐色で、体側の中央部に雲状の斑紋が不規則に並んでいます。背中にも同様の斑紋があります。主として藻類を摂っています。

■「アユモドキ」は、日本特産種です。琵琶湖の淀川水系と岡山県の幾つかの河川で、流れの緩やかな場所の石の間などに棲んでいます。体長は15cmに達します。形態は、他のドジョウとは異なり、体は側扁し、尾鰭の後は深く湾入しており、二又になっているのが特徴です。食性は、ドジョウとほぼ同じです。琵琶湖では、かなり危機的な状況のようです。


どぜう6

■体長は、大きくなると30cm程まで達する場合もあります。通常は、雄は12cm以下、それ以上のものは雌だと考えて良いでしょう。雌は、何時でも卵を持っていますので、研究が進まない頃は、ドジョウは雌だけだと考えられていました。満3年で成熟します。雄は胸鰭が長く先が尖り、背鰭の基部の前後に瘤状の隆起があります。雌の胸鰭は、頭長の半分より短く、先端に丸みがあります。適水温は、20~30℃で、冬には泥中にもぐり、群でかたまり越冬します。鰓呼吸の外、直接空気を吸い込んで腸呼吸をすることが知られています。

■産卵は、梅雨の時期を中心に4月から7月末まで行います。雌の抱卵量は、多いもので16万粒くらいです。早朝、一尾の雌に数尾の雄が追尾行動を起こし、その中の一尾が雌の胴に巻き付いて締め付けます(産卵行動図参照)。雌は産卵し雄達は放精します。受精卵は、産卵場所の泥や草、水田では稲株などに付着し、20℃で約50時間、30℃では約20時間で孵化します。


どぜう7


■いわゆる「ドジョウヒゲ」は、上顎に三対、下顎に二対で、合計10本持っています。体色は、生活場所によって違いがありますが、背中は暗褐色、腹側は黄色味で黒い小班点があります。黒い色素胞を欠いた個体は、黄赤色のヒドジョウとなります。

孵化仔魚は、ミジンコなどの動物性プランクトンを捕食し、成長すると泥の中に存在する有機物、植物質を餌にします。戦後、水田に農薬が撒かれたために広い範囲で死滅したり、化学肥料の施肥で有機性の餌が不足し、天然産のドジョウが激減しました。産卵期の雌にホルモン注射をして排卵させ、人工授精後、養殖するようになりました。


どぜう8