南三陸町で贈る歌
今日は本当に忘れてはいけない大切な一日になりました。
宮城県の気仙沼と南三陸町の訪問です。
気仙沼は、去年3月に開催された宮城県ろうあ協会が主催する『耳の日まつり』で歌わせて頂いた時に来て頂いた方、美夏さんにお会いするのが目的でした。
美夏さんのお宅は鹿折地区で津波と火災が発生し、被害が大きかった地区です。
美夏さんのお宅も全壊で、私のCDやサイン、一緒に撮影した写真も無くしてしまった事を聞き、是非直接お渡ししたいと思っていました。
その願いが叶い、今日再会することができました。
待ち合わせ場所に着いたとき、笑顔で車から降りて来てくれた美夏さん。元気そうな笑顔にとても感動しました。
本当に大変な状況の中で、輝くばかりの笑顔で私を迎えてくれました。


励ますつもりが、逆に励まされてしまいました。。
こんなことくらいしかできませんが、改めてCDをプレゼントさせていただきました。
Twitterを通じて出会った素敵な出会いに感謝しています。
美夏さんもこのブログを見てくれているかもしれません。
本当にありがとうございました。
そして、復興までは長い時間がかかると思いますが、焦らず、ゆっくりと、無理をしないで頑張ってくださいね。
本当はもっとゆっくり、たくさんお話していたかったのですが、また会う事を約束しました。
そして、もう一つの素敵な出会いは、南三陸町志津川。
気仙沼から志津川までの道は、4月10日の訪問の時に一度通った道です。
ちょっとキレイになったところもあれば、ほとんどは全く変わらない状態で、被害の大きさを改めて感じました。。
今回の被災地訪問は、避難場所の志津川小学校で歌うのが目的でした。
ここには、被災地の方とボランティアの方との素敵な出会いがあり、入籍されたとのニュースが報道されていました。
その方々にお祝いの歌として、
レコーディングを終えたばかりの新曲『WEDDING ROAD』をプレゼントする予定でした。
残念ながらご都合が合わず、次回ということになりました。
その場をご提供頂いた方(渡辺様)から、
ぜひ歌で「送って」いただきたいというお話を頂きました。
お祝いではなく、葬儀のはなむけの歌をとのご依頼でした。
3月11日の震災の時に、津波警報を最後までアナウンスされた女性をご存知でしょうか。
津波が来た時に最後まで防災アナウンスをして亡くなられた方、未希さんです。
先日ご遺体が見つかり、今日は葬儀でした。
震災の前に入籍されていて、今年の秋に結婚披露宴を控えていたそうです。
ご自宅は高台にあり、海が一望できます。
ご自宅の一階も津波の被害に遭われています。
信じられない高さとその恐怖に足が震えました。。

今日の海は穏やかで、青空の下の景色は彼女が本当に素敵な環境の中で育ったことを想像させてくれました。
葬儀で『WEDDING ROAD』を歌うということに抵抗を感じていたのですが、ご家族から是非とのリクエストを頂きました。
心を込めて歌うつもりで来たこの地、そしてこの出会い。
本当に運命の出会いでした。
そして、新曲『WEDDING ROAD』は、この日の為の曲だったのだと感じました。
未希さんとご主人は、仙台で本格的に手話を勉強されていたのです。
ご紹介頂いた方も、お二人が手話が出来ることを全く知りませんでした。
ご主人もご家族も参列頂いた方々も、歌いに来る歌手が手話シンガーである事を知りませんでした。
繋がっていました。
本当に不思議な運命的な出会い。
この運命的な出会いを知り、涙が止まりませんでした。
お寺はご自宅から近く、同じくらいの高台にありました。
この地に生まれ、この地に眠る未希さん。
私は東京でこの震災を体験しました。
宮城のことはニュースで見ていて本当に言葉にならない想いで居ました。
未希さんのことも、もちろんニュースで知っていました。
まさかこういう形でお会いできるとは夢にも思っていませんでした。
葬儀を終えた皆様がご自宅に戻られました。
3曲歌わせていただきました。

1曲目は、
勇敢で素晴らしい行動で最期を遂げた未希さん。
無念の思いや
二度とこんなことはおきないでほしくないという願い、
そして感謝の気持ちを込めて
佐々木祐滋さんの【INORI】という曲からお贈りしました。
2曲目は
未希さんのおかげで助かった方はたくさん居ると思います。
そんな未希さんは、これから大切な存在としてずっと心の中に居ます。
これからずっとそばで見守ってくれるという思いを込めて、デビュー曲でもある【伝えたいコト】を歌わせていただきました。
最後に披露宴を控えていたということ。
ご両親への感謝の気持ちを込めて【WEDDING ROAD】を歌いました。
未希さんの素敵な笑顔を見ながら心を込めて歌いました。
最後は我慢ができなくて涙が込み上げてきてしまいました、歌に込められた思いは届いたでしょうか。。
列席者の皆さんも被災者です。
みなさんには命があります。
笑顔を忘れず、少しずつでもいいので、焦らず前へ進んで行ってほしいと思ってます。
本当に、本当に運命の出会いに感謝し、私も焦らず少しずつ頑張っていきます。
【WEDDING ROAD】素敵な曲をいただきました。
そしてこの曲に魂が込められました。
心を込めて歌い続けて行きたいと思います。
感動の出会いに感謝します。
