築地市場の移転延期に伴い、東京都に対して、補償も含めた早急な対応を求める要請書 | 東京中央市場労働組合オフィシャルブログ

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《築地市場🐟有志の会》と《守ろう ! 築地市場パレード実行委員会》は10月20日、以下の要請書を東京都に提出しました。

全文を掲載します。

 

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2016年10月20日

 

東京都知事

小池百合子 殿

 

築地市場🐟有志の会

守ろう ! 築地市場パレード実行委員会

 

 

 築地市場の移転延期に伴い、東京都に対して、補償も含めた早急な対応を求める要請書

 

 

 私たち《築地市場・有志の会》、及び《守ろう ! 築地市場パレード実行委員会》は、築地市場の移転に反対の立場の事業者有志団体・市民団体です。本日は、築地市場の移転の延期に伴い、すでに起きている様々な問題についてご対処頂きたく要請にまいりました。

 

 本年8月31日、都知事は築地市場の移転について「延期」を決断されました。移転計画の延期について私たちは、無謀な計画の強行による混乱をひとまずは回避することができたと考えており、心より感謝を致すところです。しかしながら、その後の対応は「相談窓口」の人員を3名から6名に増員したに止まり進んでいないのが現状です。現在までのところ深刻な問題が表面化するには至っておりませんが、既に発注した造作物・工事等の支払いは始まっており、また当初の移転予定日だった11月7日までには、廃業を予定していた事業者が店を閉じる、リース契約の支払いが始まる等、混乱する場面も予想されます。

 さらに、豊洲新市場の土壌汚染問題についても、9月10日には土壌汚染対策の前提であった“盛り土”がされていない事実が発覚し、その後も豊洲新市場の地下水、地下空洞の溜まり水、大気などからベンゼン・シアン・ヒ素・水銀・六価クロムなどの物質が相次いで検出され、連絡通路の下には除去されていないシアン・ベンゼンが環境基準の700倍を超えて残されていることもわかりました。これを要するに、築地市場の移転の前提となる関係者との約束の悉くが反故にされていたということになります。もはや、東京都行政と、築地市場の関係者・一般消費者との間には最低限の信頼すら失われたと言わざるを得ません。

 築地市場の移転計画そのものを中止するには、それ相応の手続き・段取りが必要であろうことは理解しておりますが、これをこのまま長期にわたって放置できる状況でないのもまた事実なのです。。

 

 つきましては、築地市場の移転計画については早期に白紙撤回することを要請するとともに、緊急に以下通り要請をするものです。宜しくお取り計らい頂けますようお願い致します。

 

 

 

1 全事業者・関係者への聞き取り調査の実施と補償の範囲の明確化等

 既に述べたように、築地市場の移転日程の延期により既に事業者には様々な請求・支払いが発生しており、今後、深刻な事態も予想されます。つきましては、以下について早急に対応をお願い致します。

 

① 業界団体の協力を得ながら、直ちに全ての事業者・関係者に聞き取り調査を行い、移転に向けて各事業者が、どのような投資・支出、準備をし、延期によってどのような問題が生じるのか把握すること。

② 現在、東京都の設置した相談窓口では、たしかに話しは聞くものの具体的な補償については何も決まっておらず、まさに“聞く”だけという状況となっており機能していないのは明らかです。

 ついては、早急に現行の条例で補償できる範囲・補償できない範囲を明確化すること。③ 現行の条例で補償できる範囲については、直ちに補償を行うこと。

④ 補償できない範囲については、早期に特別措置条例をつくるなどの対応をすること。

 何卒、関係する業者・労働者・消費者が安心できるよう、とりわけ、中小・零細の事業者には格段のご配慮を頂けますよう、お願いいたします。

 

 

2 プロジェクトチームによる調査・検証

 都知事は“盛り土問題”に係る緊急記者会見で、築地市場の移転問題を「ガバナンスの問題」としました。まさしくその通りで、そもそも必要な手続きを確実にふんだうえで計画を進めていれば、築地市場の移転計画は法令上「補償」などという問題になるはずのないものです。今回、私たちが「補償」を求めているのは、特に仲卸事業者・関連事業者の行う造作工事、ストッカー・物品の購入等において「強要」「恫喝」「脅迫まがい」という訴えが少なからず存在するからにほかなりません。

 ついては、以下の事実関係についてプロジェクトチームによる検証を行うよう要請致します。

 

①築地市場の移転に係る関係者の合意形成は、どのように行われたのか。問題はなかったのか。

②事業者の行う造作工事、物品の購入等の指導にあたって、「恫喝」「強要」「脅迫まがい」のような事実があったのか、なかったのかの聞き取り・検証。

③事業者の行う造作工事、物品の購入等の指導にあたって、その価格設定は適切なのか。不当な高額の請求はなかったか。

 

 

3 築地市場・施設の補修

 本年8月16日、都知事は築地市場を視察されました。ご覧頂ければお分かりと存じますが、現在の築地市場はボロボロという状態です。

 しかしながら、これら全てが「老朽化」の問題という訳ではありません。必要な修繕を行っていないこと、そして本来なら4年に一度行われてきた「店舗移動(全ての仲卸店舗が抽選でシャッフルされる)」が移転の関係で長期間行われず、造作部分が劣化していることによるところは非常に大きいと考えます。

 築地市場の本体は、地面と柱と屋根という単純な構造となっており(売り場部分)、補修は決して難しいものではありません。直ちに補修・舗装をお願いいたします。

 

4 仲卸店舗移動の5月実施と、施設使用料・光熱費の減免措置

 豊洲新市場の仲卸店舗は狭いという問題があり、かなりの数の事業者が廃業・若しくは廃業予定の事業所と、営業の譲り受けを行っています。したがって一人の事業者が複数の離れた場所の事業所での営業を強いられるなど、不都合が生じています。

 そこで、東卸協同組合の協力がなければできませんが、東京都の責任(予算措置を含む)とイニシアチブで仲卸の店舗移動の実施を是非お願いいたします。

 土壌汚染が問題となっている以上、延期は長期に渡る可能性があり、店舗移動が実現すれば事業者も落ち着いて商売ができ、移転用に購入した機器を使用することもでき、衛生面の問題もかなりの度合いで向上することになります。

 また、移転を前提として店舗を取得した等で不都合がしょうじている場合については、5月までは減免措置を検討するようお願いいたします。

 

5 公開の説明会の開催、大規模意向調査の実施

 築地市場の移転問題にかかる混乱は、合意形成に問題があったことは疑う余地がありません。つきましては土壌汚染問題に係る専門家会議で実現しているように、全ての問題についてマスコミ等にも開かれ、誰でも質問をすることができる開かれた説明会の開催をお願いします。

 と同時に東京都の責任で、築地市場の移転の可否も含む、全事業者・関係者への大規模意向調査を実施し、この問題の解決の資料として頂きたくお願いいたします。

 

6 築地市場の移転計画の中止決定

 既に述べたように、多くの関係者・消費者と東京都行政との間には、最低限の信頼すらが失われております。そしてまた築地市場には、移転が中止になるならば廃業の予定を撤回して営業を続けようという事業者が数多くいます。

 ついては、1日も早く、出来ることならば本年の11月中には(年末を落ち着いて仕事に打ち込むことが出来る)移転計画の白紙撤回・中止のご判断を頂けますよう、強く要請いたします。

 と同時に、これまでに築地市場の移転を理由に既に廃業をされた事業者が数多く存在します。これら事業者の中には、築地市場が続くならば築地市場での事業を再開したいと望む声も多数あります。条例上難しくはありますが、業界団体と協議のうえ特別措置条例を視野に検討いただけるよう要請致します。

 

7 東京都職員のケア

 既にご承知おきの通り築地市場の移転計画は、極めて強引なやり方で進められてきました。当然、移転計画の延期により現場の東京都職員への重圧は如何ばかりかと心配されるところです。

 つきましては、今後の卸売市場行政を進めるにあたって、所管の職員を十分に配置し、心のケアまで含めた対応を宜しくお願いいたします。私たちは、彼らと築地市場の現在地再整備を行うことになると考えるからです。

 

以上

 

 

築地市場・有志の会  代表呼びかけ人 

 

和知幹夫

山口タイ

宮原洋志

石塚千枝子

吉野悦男

堀江チヨ

 

 

守ろう ! 築地市場パレード実行委員会 

 

東京中央市場労働組合

日本消費者盟                                  

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