ゲートキーパーとは、悩みを抱えている人に寄り添い、声をかけ、必要な支援へつないでいく人のことで、近年自殺対策の一環でも注目されています。ちょうど10年前に西伊豆町で開かれた研修会に参加していて、2回目の参加です。今回は若手の町職員の中に入り研修を受けました。ちなみにゲートキーパーは「いのちの門番」の意味を持ちます。

 

 

皆さんは健康の定義についてご存知でしょうか。偉そうですが私はこの研修を通じて知りました。WHO憲章の中にあります。「健康とは、ただ単に病気でないとか、病弱でないということではなく、身体的、精神的及び社会的にも良好て調和のとれた幸福な状態であることをいう」と。

 

しかし、現代社会においては必ずしも健康な状態で過ごせているかと言えばそうではなく、とくに、コロナ禍においては心を病む人が多くなっているといいます。最近の報道で自治体職員の3.8万人が心の病で休職しており、これもコロナが起因しているとの見方があります。

 


2023/1/12 静岡新聞より

 

余談ですが、朝の連続テレビ小説「舞い上がれ!」では、ヒロインがリーマンショックで傾いた工場の経営を手助けしていますが、父親はその時の心労が重なり亡くなっています。多かれ少なかれあのリーマンショックにより人生がくるってしまった人は多くいて、やむなく自死を選択するケースもあったと思います。

 

自殺者が3万人を超えたのがちょうどリーマンショックの後からで、平成10年の頃でした。その後も高止まったまま推移しています。その後は行政の経済的支援や自殺者対策に乗り出すなど徐々に功を奏し、今回のコロナウィルスの感染拡大による打撃にも何とか耐えている事業者は多いものと考えます。ただ、ゼロゼロ融資の返済が本格的に始まると、今のコロナ禍の回復が思うようないかない現状にあっては、厳しさが増すことが予想されます。

 

ここ数年はコロナ禍で若干増えているのと、女性が増える傾向にあり、このことは、生活の不安定な状況におかれる女性に厳しさが増している状況が見えます。世の中的には賃上げが政治の争点になっていますが、一番しわ寄せを受ける非正規雇用の方やシングルマザー対策など、弱者支援を進めることです。

 

厚労省、警察庁 「令和3年中における自殺の状況

 

ゲートキーパーに話を戻しますが、日本人のうつの有病率は6.2%で、16人にひとりはうつ病にかかると言われています。また、睡眠不足が続くとうつ病を発症し、自死に至ると言われています。過労による自死の選択はこのケースが多いものと思われます。毎日のように交通情報で「人身事故の影響で・・・」と聞きますがいたたまれません。日本の明るい未来を築くためにも、ゲートキーパーは大切な役目と思います。詳しくは厚労省ゲートキーパーのページをぜひご覧ください

 

 

 

東伊豆町議会議員  須佐まもる