藻谷浩介さん出演の「激論!クロスファイア」をレポート | ☆孤独な子育てに寄り添う☆ワークライフバランス講師のほぼ両立日記

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テーマ:

8月19日にBS朝日で放送された

田原総一朗さん司会の「激論!クロスファイア」の内容が面白く、

またどなたにも知ってもらいたい内容だったのでまとめてみました。
テーマは「アベノミクスは成功したか」で、ゲストは藻谷浩介さん。

 

田原:「有効求人倍率1・56」「雇用の拡大」「就業者数が過去5年で最高」と言った点が安倍首相の評価を上げているが、
一方で「デフレからは脱却していない」「物価が上がらない」という点では評価されていない。

藻谷さんはアベノミクスを痛烈に批判しているが。

藻谷:アベノミクスの中でも「女性の活躍推進」や「若者の賃上げ」についてはすばらしく、よくぞ言ってくれたという思いではある。ただアベノミクスの中の「異次元の金融緩和」は百害あって一利なしだと思う。

山一、拓銀がつぶれた1997年の就業者数は就職氷河期と言われていたにもかかわらず6557万人で、今は6531万人。ほとんど変わっていない。就業者数が増えたというのは嘘。みんな、昨対や「率」でみていて「数」で見ていない。

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この5年間で65歳以上の働く人は200万人以上増えた。しかし15~39歳は2414万人⇒2298万人と200万人ほど減った。(就業者数が増えたのは高齢者が増えたからで)若者は足りない。つまり、就職は当然楽になる。ついでにいうと、1997年は若者の数が2764万人で今より500万人も多い。つまり1997年は若者が多すぎて就職氷河期になっていた。

なのでアベノミクスで若者の雇用が増えたというのは嘘で、増えていない。むしろ減っている。

次に就業者の男女別内訳のグラフを。

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この5年間で15~64歳の女性就業者数は110万人増えた。男性は64万人減った。しかし1997年に比べると男女ともに減っている。どんどん人口が減る中何とか持ちこたえているのは、65歳以上の就業者が212万人増えたから。
しかし今後はもう女性の就業者数も増えないし、経済が活性化しない。
実は1994年から2017年までの約四半世紀。日本の個人消費も総賃金もずーっと横ばいである(グラフを提示)。
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安倍首相になってから増えたように見えるようなグラフの見せ方をしているだけ。ちゃんと数字を見ないとダメ。
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男女の平均賃金の差は10対7くらいだが、景気を良くしようと思うならこの賃金差を逆にするとよい。同じお金があったら、女性のほうが1.5倍くらい使う傾向にある。
また若者の賃金もあげた方がいい。若者の賃金を上げて消費させて景気を拡大させて納税させて年金を払わせた方が、お年寄りの生活は安定する。若者と年長者の給料を逆にしたほうが景気が良くなる。

 

田原:なぜ女性のほうが働く人が少ないのか。

藻谷:「女性は家で家事育児をやって・・・」という意識がまだ残っている。(独身でも)働きたくなくて家にいる女性もまだ一定数いるが多くは働いている。しかし出産後は保育園が足りない⇒どちらかがやめて育児をしなければ⇒給料が安い方(女性)が辞める・・・となるケースが多い。これは都会に多いケースだが、実は女性の就業率が高い島根県、特に日本一高い松江市は女性の就業率82%で、出生率は2人に近い(全国平均は1・43人)。東京都の女性就業率は68%で出生率は1・2人。島根の3分の2。保育所が100%ある島根のほうが、女性も働くし子どもの数も多い。東京に人を集めすぎてる結果、やってもやっても保育所が不足する。
だから、地方にもっと人を集めようということで、アベノミクスと地方創生はセットだったはずなのに、途中から「GDPさえ成長すればいいんだ」という話ばかりになって、賃金が増えてない、消費が伸びない、女性が働きにくい、東京の出生率低いという根本的な問題を言わなくなってきた。

 

田原:なぜ東京にそんなに人が集まるのか。

藻谷:50年前の教育のままだから。「田舎には仕事がない。東京さ行って稼いで来い」という50年前の意識がまだ人々の中にある。今現実に仕事が多い(失業率が低い)のは島根のほうなのに。

東京は失業率も高いし、生活保護率は日本のワースト3に入る。東京は生活費が高いので、生活保護のリスクが高い。田舎のほうが全然、食える。しかし教育では(50年前はそうだった)「東京行ってお台場行ってマンション買えば食える」といって、優秀な子どもたちをどんどん東京に出す。本当は老後を迎えてローン残ったらアウト。50年前のいわば宗教のような尊師の教えのような意識が生きているが実態は逆。関西も、まだ東京より出生率高いのに、優秀な学生は東京に行く。東京に行くと、(前にも言ったように)保育園が足りない、女性が働きにくい、など、本来なら地元でもっと子供数を持っていてもいい人材が子どもを持つ数を減らす(平均してその人が残す子孫の数が低い)ので、少子化に拍車がかかる。

 

田原:なぜ大阪の会社は東京へ?トヨタや京セラは地元でがんばってるのに。

藻谷:大阪は、東京に全国的なマーケットを求めた。愛知のトヨタ、京都の京セラ、広島のマツダ、浜松のスズキ、ヤマハは地方でもともとマーケットが小さいので、グローバルにマーケットを求めた。大阪は日本全国にマーケットを求めたために、例えば大阪駅に商品を置きたいと地元の業者が思ったとしても東京に営業に行かなくてはならない。大阪は地元の営業力を損なう方向にいった。


田原:異次元の金融緩和について。日本の国債の4割を日銀が買っている。これはどうなんだ。

藻谷:これは分かりやすく言うと日銀がお金を刷って国に渡してるのと同じこと。世界で過去いろんな国がやったけど上手くいかなかった。戦前の日本、ナチス、途上国・・・。普通だったら大インフレになるはず。

田原:でもなっていない

藻谷:日銀はやけのやんぱちでやってるように見える。日本の所得や消費はずっと横ばいだというのは見てわかることなのに、経済人だったらみんなわかっているはずなのに、なぜ誰も何も言わないのかわからない。分かっていて言わないのか。景気がなんとなくいい雰囲気になって商品が売れればいいと思ってるのか。あるいは円安になると得をする輸出企業もあるし…。私はアベノミクスの金融緩和を良いと思っている経済人はあまりいないのではないかと思っているのだが。

アベノミクスの中でも女性の活躍推進や若者の賃上げなど3本の柱のいいところだけを評価して付き合っているのかもしれない。しかし経済人も目先のことを大事にし過ぎて将来を犠牲にしているように見える。
今はマイナス金利なのでこれ以上下がることは無理で、あとは上がるしかない。金利が上がると国債の価値が下がり、最悪破たんするかもしれない。だから上げるのを怖がっている。しかし今後アメリカなど世界中の金利が上がると日本も金利を上げざるを得なくなる。黒田総裁は分かってやっていると思う。水際だが辞めずに続けている。ある意味責任感がある。ただ副総裁が・・・??

 

田原:消費税は上げると言ってなかなか上げない

藻谷:消費税を上げると消費が落ちるというが、他国でもそんなことはなかったし、今まで3回日本も消費税を上げてきたが、トータルで見たらこの25年間ずっと個人消費は落ちていない。横ばいだ。上げて半年くらいは下がるが、その後半年くらいで上がるので結果、横ばいだ。消費税導入で消費が落ち込むなどというウソを吹き込むブレーンが悪い。

 

田原:朝日や毎日もこのように経済からの見方で政治を報道しないのはなぜ?

藻谷:知ってて隠しているというわけではなさそう。報道人だけでなく与党も野党もこのような見方をしない。知らない。そして最近はメディアも目先のトピックに流されやすい。日本人全体がワイドショー化していて目の前の話しかしなくなってる。これはよくない傾向だ。

(グラフを示しながら)有効求人倍率は、野田政権(民主党)の時から右肩上がりに回復しているのに、誰も知らない、見てない、認めない。当の民主党も言わない。それは、民主党の時に上がったことを認めると、アベノミクスで上がったことも認めなければならないから。有効求人倍率が上がるのは、ほんとは人手不足だという証明なので良いことではない。事実に即した議論をすべき。与野党ともに経済に詳しくない。

野田政権の時から有効求人倍率は回復しているし、ドルベースで見るとGDPのピークは2012年、野田政権の時。今はその時より25%位落ちている。日本は円で見ているが世界はドルで見ている。アベノミクスでGDPが伸びたと安倍さんは言ってるが、円安になったからであり、ドルで見ると落ちている。ファクト(事実)ベースの政治になっていない。
ちゃんと政府の作ったデータをもとに事実を話しているのに、こういう話をすると「アベを嫌いな藻谷」と言われてしまう。そんなことはない。事実を言うと批判されるというのは中国化の一歩手前だと思う。

 

田原:人口減少で東京に人が集まり地方はひとが減っていく?

藻谷:2005年と2010年の国勢調査によると、東京都の人口は36万人増えている。そのうち35万人は移住してきた(地方から奪った)若者。しかし15~64歳は何人増えたか?8万人の減少である。どういうことかというと、65歳以上の人が、15歳~64歳までの人より43万人多かったということ。東京は65歳以上の人2人に対し、15歳以上の人が1人。(正確には9対5)団塊の世代100人に対して15歳以上が55人。(つまり若者の人口が増えたと言っても、税金年金を納める人の数が、元々いた年金をもらうほうの世代の人の数に追いついていないという状況。雁瀬注)
田原:これからは地方創生?地方ではうまくいってる?

藻谷:上手くいってるところもあるがまだまだほんのわずか。島根は、いま0~4歳の子どもが増え始めている。なぜか?それは行政が子育て支援に重点を置いているから。保育所の整備はもちろんのこと、助け合いの仕組みづくりや、教育。高校などで本格的に地域の授業を採り入れている。失業率も低くて地元で何とかやって行けるような行政の動きがある。

過疎山村はお年寄りばかり・・・という風に思っている人も多いが、実は過疎山村ほどお年寄りの数が減っている。今高齢者と言われる層の人たちは都会に出ていって帰ってきていないので、お年寄りの絶対数は減っている。そうすると医療・福祉にかける行政のお金が減り、子育て支援に回そうという発想になっている。私がそういう地方に行って話していて実感するのは、周りのお年寄りがどんどん減っていくのを目の当たりにして、初めて寂しく不安になり、子どもを増やすことに目が行き始める・・・ということ。

県単位では島根、鳥取が良い感じ。同じ状況なのにできていないのが秋田県。全国学力テストなどで一位になるなど優秀な学生を育てることに力を入れ、どんどん東京に出そうとしている。今それを真似て、大阪が同じことをやろうとしている。

東京の生活保護率は23%。先日行った佐渡島は生活保護率0・8%。ここは里山資本主義。物々交換や自給自足、豊かでコミュニティが生きている。田舎は現金収入がなくても食える。自然があり、子育てもしやすい。

 

学生に「大学に行けないのは運命だ」と言った大臣がいたけどそうじゃない。子どももお年寄りも社会で支えるべき。赤ちゃんもお年寄りも、支えがないと生きていけない。ひとは、成人するまでは人の助けを受ける必要があるし、人の助けを受ける能力があるし、人の助けに感謝を持つべき。「俺はひとの世話になっていない」という人は、それは今大人だから。子供と大人を混同してはいけない。あなたが老人になって動けなくなってもひとに頼ってよい。スフィンクスのなぞなぞのように、人は「朝は4本足、昼は2本足、夕方には3本足」で、朝と夕方の時はひとに頼ってよい。昼は一人で歩ける。田舎にはそれが残っている。

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