さて、今回が「子どもの成長の見方について」シリーズの最終回です。


前回紹介した株価チャートというのは、取引する大勢の人間の心理状態などが要因として大きく、株価の変動や株価それ自体が必ずしもその企業の価値や実態を表しているとはいえない面もあります。(その極端な例として、情報や売買の操作で意図的かつ不当に株価を上げ、高値で一気に売り抜ける「仕手」というのがあります。もちろん違法です)

 

短期的な「投機」であれば株価チャートやローソク足を基軸に取引を判断するのですが、通常の中長期的な「投資」であれば株価チャートで株価だけを見て判断するのではなく、企業の実態を反映した「ファンダメンタルズ」と合わせて判断することになります。ファンダメンタルズには広義では政治・経済・外交など「その企業が取り巻く環境・社会状況」が広く含まれますが、狭義における基本はその企業の経営・財務状況(四季報に載っている内容)にあります。

※参考図:頼藤太希のFX基礎講座より https://soldie.jp/toushi/fx-reading05

 

テクニカル分析は株価が「どう」変動したかについてを示すのに対し、ファンダメンタルズ分析は「なぜ」変動したかを考えるもの、といってもいいでしょう。今シリーズの(1)で使った航海と海図で例えるなら、テクニカル分析はそのときの風や潮の流れから船の動きを予測するもの、ファンダメンタルズは地形や季節といったより根本となる気象原因から船の動きを予測するものといえます。

 

なお、この考え方は以前書いたシリーズ「三層構造という考え方」に共通するものがあります。三層構造の理論部分だけなら(1)(2)だけで十分なので、興味のある方はご参照ください。

↓シリーズ「三層構造という考え方」(1)~(7)

https://ameblo.jp/mammo-t/theme-10085676970.html

 

さて、ではファンダメンタルズの考え方ですが、まず株取引においてはこんな感じです。ここでは先程述べた「狭義のファンダメンタルズ」として四季報の財務表を例として挙げてみます。

これがネットから適当に拾ってきた「四季報」の内容です。こんな感じで各社の経営・財務状況がまとめられていますが、読み方を知らなければ何を書いてあるのかサッパリです(笑)

 

詳しい読み方は省略しますが、これを必要な部分だけ抜き出して子ども用に転用すると、大体こんな感じになります。

「マンモス太郎」と書いてますが、中身は12歳当時の私です(笑)今の私が当時の私を生徒としてみたらこんな感じで頭にデータを入れるだろうなぁと想像しながら書いてみました。

 

まず【能力】【性格】の概要欄があり、次に【身体面】【心理面】【頭脳面】とそれらに準じた項目があり、最後に【運動履歴】となります。運動履歴は教室での成長・上達履歴なので書くのを省略しましたが、大体一人一人のデータがこんな感じで頭の中に整理&インプットされています。

 

子どもの成長曲線は実際の株価と違い大衆心理に左右されるものではありませんが、ローソク足を基本とした成長チャートはその日の心身の調子やクラスのメンバー&雰囲気、学校や家庭での出来事、更にはその日の気温や湿度など、様々な「そのときだけの要因」によって左右されやすいのも、また事実です。

 

そこでチャート(テクニカル分析=動き)だけに頼るのではなく、その子が本来持っている力や様々な特性といったその子のファンダメンタルズ(=土台)を把握し、それをチャートと重ねて分析するわけです。そして、チャートとファンダメンタルズとの間におかしな「ズレ」はないか、ズレが生じているとしたらその原因は何か、それに対しコーチとして何ができるか、それらを考えて指導方針や指導計画、指導案、指導法を組み立てていくわけです。

 

おかげで、この仕事に飽きるどころか、データ量と更新頻度が多すぎて常に頭がパンクしそうです(苦笑) 頭のHDとCPUの増設ってできませんかね?

 

さて、そんなわけで今回は「株価チャートの応用」による子どもの成長の見方の紹介でしたが、なんで私がこんな考え方をしたかというと、学生時代に少し株をやった経験からでして。といっても、奨学金借りながらの貧乏苦学生だった私に資産運用するようなお金はなく、あくまで社会勉強の一環としてごく少額を使ってですが。勉強するだけなら本読むだけでもいいのですが、実際に自分のお金がかかる/かからないでは、やはり「本気度」が違うので(笑)

 

とはいえ、今考えるとバイトと大学の授業に追われる日々、お金も時間も貧窮問答歌の中、我ながらよくやってたな、と(苦笑) まさかそこで得た知識や経験が後々このような形で役に立つとは、当時はまったく予想もしていませんでしたが。

 

まぁ、私の学生時代の話は余談ですが、他にも指標はいろいろあり、学習曲線や株価チャートの考え方はその一例となります。指標やモデルというのは便利なものではありますが、それぞれ分析の対象や内容、方法に得意/不得意があり、ある指標を使うならそれが不得意とする面を把握し、その部分を補う別の指標も同時に用いる必要があります。こうして複数の指標を用いて分析を重ねれば、精度はより精密になります。

 

ただ、指標やモデルはあくまで理想形や理論値、平均値などに過ぎず、それが個々の現実を正しく映し出しているわけではないことも同時に肝に銘じておかねばなりません。それが今回のシリーズの(1)で書いた「計画の絶対性を信じない」ということで、それを忘れると「木を見て森をを見ず」か「森を見て木を見ず」となり、仕舞いには「策士、策に溺れる」ことになります。

 

そんなわけで、今回の「子供の成長の見方」シリーズ、如何だったでしょうか?まぁ、こういう見方や考え方もあるよ、というくらいで考えてもらえればいいのですが、今回紹介した考え方は子どもの成長だけでなく部下や後輩の育成などにも当然使える指標なので、そういう立場にいる人は頭の片隅に置いておいておくと、部下や後輩に対し今までと多少違った見方や接し方ができるかもしれません。

 

ふ~、久々に頭使う真面目なシリーズもの書いたので疲れたぁ…

おバカな話書きた~~~い!(←心理的防衛機制の一つ「反動形成」の典型例)

 

それでは、また♪