今日は、前回よりまた間が空いてしまった「お家でできる柔軟体操」の続きをお届けします。




まず、前回ヒザと股関節を動かしたことで、この時点では開脚姿勢が崩れているはずですので、


①ヒザを伸ばして大きく足を開き、一度お尻を軽く上げて座りなおして、開脚姿勢をとり直します。


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一度お尻を上げることで、背筋と骨盤を真っ直ぐに直すことができます。これ、結構重要です。




次に、②片方の手を反対の足のふとももにあて、もう片方の手を耳にあたるくらいに上げます。


そして、そのまま横に倒します。


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倒す側の肩を足につけるようにすると、更にしっかり真横に倒せます。


しっかり真横に倒していれば、無理に手をつま先につけなくても構いません。


(むしろそれを無理にやろうとすると、次に説明するように姿勢が崩れてしまいます)




ここで手をふとももにあてているのは、体を真横に倒すためです。


この手を前や同じ側の足の方に出してしまうと、下の写真のように体の角度が変わってしまいます。


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これはこれで柔軟にはなっているのですが、伸ばしたい部位が異なってきます。


ただし、小学生未満の子なら「ヒザを伸ばして体を倒す」という基本動作の習得を優先して、


わざとこのような倒し方をさせた方がかえって良いと思います。


(真横に倒す姿勢は難しくヒザが曲がりやすい)


これを左右両方で行います。




左右が終わったら、また正面向きの開脚姿勢に戻り、


③しっかりヒザを伸ばしたまま大きく息を吸い、吐きながら前に倒します。


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このとき、下の写真のようにつま先やヒザを前にしてしまうと、ヒザが曲がりやすくなったり、


骨盤の角度が変わってしまって効果が低くなってしまうので、


特にお腹が下につくような柔らかい子ほど意識的につま先とヒザを上に向けさせます。


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なお、大きく息を吸って、吐きながら前へというのは、「その1」でやった長座前屈のときと同じ理屈です。


厳密にはすべての柔軟姿勢で意識するべき点なのですが、初心者や子ども向けと考えると、


姿勢のわかりやすさと呼吸のしやすさで長座&開脚での前屈時に意識させるのが良いと思います。




さて、これで柔軟体操は次の「前後開脚」で終わり、「準備体操」へと続いていきます。


一応、準備体操も柔軟体操と同じカテゴリー扱いで、このシリーズでやっていきます。




ちなみに、柔軟体操と準備体操の違いですが、


どちらも「体の柔軟性を高める」ことで「ケガを予防する」と同じように見えるのですが、


重点の置き方という点で、柔軟は「柔軟性向上>ケガ予防」、準備は「柔軟性向上<ケガ予防」


と私は捉えています。


また、ちょっと変わった捉え方かもしれませんが、柔軟は「主に床に寝てor座って行う」のに対し、


準備は「主に立ったまま行う」とも考え、分けて考えています。


外でちょっと運動をするときに手首や足首を回したり、肩を回したり、屈伸や伸脚をしたりしますよね?


あのようなラジオ体操的な体をほぐす運動が準備体操だと考えているわけで、


実際、生涯にわたって様々な運動やスポーツの前に行う回数は圧倒的に「準備>柔軟」になるでしょう。




ここでちょっと問題提起。


いわゆる子ども向けの「体操教室」などで行う事前体操は「柔軟体操」が圧倒的に多く、


確かに柔軟性&柔軟効果が高い幼少年期のうちにそれをよく行おうというのは私も賛成します。


ただ、「正しい準備体操のやり方」の指導をもっと取り入れた方がいいのではないかとも思うわけで。




たとえば選手として専門的にスポーツをがっつりやる場合は、


身体的ポテンシャルの向上や選手生命を伸ばすために柔軟の必要性は格段に高まります。


しかし、みんながそこまで専門的にスポーツを行っているわけではなく、


むしろ多くの人はレクレーション的にスポーツを行っていることが多いと思います。


そして、そういった場面では「早く・手軽に」できる準備体操の方が多く行われます。


私も以前、地域のソフトボールチームに所属していましたが、(今は日曜授業があるので休業中)


よほど早めに来たときでもないと柔軟体操まではやらず、アップは準備体操だけで済ませていました。




確かに、準備体操は「早く・手軽に」できる分、大人になってからでも十分習得できます。


でも、子どもたちも休み時間や放課後に「レクレーション的」運動を大人以上に日常的に行うわけで、


そういった場面で子どもたちが柔軟体操をやるかと言えば、まずやらないでしょう。


もし放課後に外に遊びに行って、みんなでサッカーするからとグラウンドで寝転がって柔軟やったら、


当然服が汚れるので、帰ってからお母さんに叱られてしまうわけで(笑)




かといって、まったく事前体操をすることなく動くのも当然良いとは言えません。


なので、「早く・手軽に」できる準備運動、大人になってからも行うことの多い準備運動の


正しいやり方やバリエーションを、子どものうちから身につけておくことは


非常に大切なのではないかと私は考えています。


そのため、当教室では「柔軟体操」の時間枠の中で「準備体操」も行っていますが、


そこには子どもたちがそれを覚えて、様々な場面で「正しいやり方で、早く、手軽に」


ケガ予防の準備体操をできるようになってほしいという思いと目的を込めています。




なんか、随分熱く準備体操について語ってしまいましたが(苦笑)、


「お家でできる柔軟体操」の中で準備体操も続けてやっていきますというお知らせでした。