私ががんになった時 ホテルで働いていました。
市内のホテルに色々派遣されて若い頃からイベントでお手伝いしていたので同じ場所で働きたくて 結婚出産後再び希望し、宴会の配膳にまわりました。
大きな会場を持つ市内有数のホテル。私はここでベッカムやゴルバチョフも見ました。
イベントの時のお仕事はパーティーが終わればお終い。お疲れ様でしたと引き上げることができる。
でも配膳の仕事はそうはいかない。すべての食器や残飯を片づけて 掃除をして 明日のパーティーのため会場を設営し直して 人数分のグラスや食器を確保して、明日来た人が後はテーブルにセッティングするだけ。というところまで準備をしておかなければならない。
翌日に大したパーティーが無ければいいけど 朝から300人の講演会があったり800人の学術会とか説明会とか テーブルをきっちり並べるだけでも大仕事。重いテーブルを女の子でも一人で運べなくては一人前とは言えない。一つ一つ人の手でテーブルを運び、新品のテーブルクロス貼って 椅子を糸で合わせてまっすぐに置いたり。
最低限お水とおしぼりとコーヒーくらいは出すから それも人数分確保。グラス カップ&ソーサー ティースプーン コースター シュガー&コーヒーフレッシュ ナプキン 等々。
昼食会もあったらさらに大量の準備が必要である。
ラックに入ったグラスを抱えて瞬時に定位置に置いていく。その時にグラスや食器に曇りがあったらもういっぺん洗い直し。
そもそも会場にテーブルが入りきらない事もある。
無理やりテーブル並べるからきっちきちで 人が通れるぎりぎりで、配膳する時お客様の頭に大皿がぶつかりそうな時もあった・・・冷や汗もんだ。
片付けと準備。本番は二時間くらいだが。
つまり21:00に終わったパーティはすべて片付くのは23:00くらい その後明日の準備。
私が体を壊した理由がそこだ。
仲間がまだ疲れ切った体を引きずって仕事に追われているのに 先には帰れない。
家につくのは午前様 翌日は子供が学校に行くから7時半までにお弁当と朝ご飯作る。全然疲れ取れない状態で稼いでいた。
もう 同じ事はやれと言われても真似できない。二度とあんな事はしないが…仕事自体は好きでした。お客様がいい気持ちで帰られて行くのを見て ああ よかったって思う。
いまやパンプスで階段駆け上がってワインを取りに行く体力はもうない