2024年2月2日(金)13時開演
森ノ宮ピロティホール


キャスト:柿澤勇人、宮澤エマ、迫田孝也
演奏:荻野清子
ナレーション:横田栄司
作・演出:三谷幸喜

三谷幸喜さんの作品は大好き、ってことで外せないと思って鑑賞、結論、マジ、面白かった。
リピートしたい作品、なんならDVDが待ち遠しい感じ。
人間性やお人柄はよくわかりませんが、いつも思う、三谷幸喜さんって天才!

三谷作品にもはや欠かせない存在の荻野さんの演奏もとても素敵。
激しい主張はないんだけど、確実にそこに在る。

今回の舞台では仕掛け満載で、とにかく意表を突く演出の数々に、退屈しないし楽しいし。
これって、思いついた時、形にした時、お客さんの反応を想像したり予測したりして、とっても楽しいんじゃないかしら。
やられた~ってだまされたり驚かされたりするのも楽しいし、気づけた時は嬉しいし、アイディアが出ない時や思う通りに収まらない時は苦しいこともあるかもですが、面白くてやめられないんだろうなぁと、思う。
とっても豊かな人生でホント羨ましい。
同世代なのになぁ。この違いは何だろう。ってまぁ、凡人が考えても仕方ないね。

主な登場人物は3人。
贅沢にもナレーターが存在しますが、舞台でこのコメディを繰り広げるのは3人ぽっきり。
英語しか話せない警官(宮澤エマさん)、英語と鹿児島弁を話す青年(柿澤勇人さん)、鹿児島弁しか話せない(ように見える)怪しいおじさん(迫田孝也さん)。
観客がこの設定を理解するまでの時間がまた面白い。
補足説明のように、英語を話す場面では背景スクリーンに和訳(と思われる日本語)が示される。
パンフレットによると、英語監修は宮澤エマさん、鹿児島弁監修は迫田孝也さんだそうです。

時は1999年、場所はアメリカテキサス州西部の町、オデッサ。
人口12万弱位の実在する都市です。
なぜこの地を舞台に選ばれたのかはわかりませんが…。
夜更けに小さなダイナーで繰り広げられる3人芝居。
3日前にこの近くで発生した殺人事件の重要参考人として日本人旅行者が事情聴取を受けているものの、彼は全く英語が話せない。
操作するカチンスキー警部は日系人だが日本語がわからない。
この土地の警察関係者に日本語がわかる人材がいないため、地元ホテルのジムトレーナーの日本人青年スティーブが急遽通訳として駆り出される。
日本人旅行者はコジマカンタロウ、鹿児島在住という。
スティーブ(そう呼ばれているが本名はバリバリ日本人名)と同郷ということで、二人は急接近。
通訳を介しての事情聴取はなかなか一筋縄ではいかない。
カチンスキー警部は留守番中の子供が気になり電話連絡をする。
その時のやりとりであることに気づくスティーブは「真実」に近づいた気がして…。

そこで繰り広げられる出来事の中に、いろんな思惑や事情が盛り込まれ、私の大好きなどんでん返しがある。
伏線もいっぱい、その回収は完璧、事実が明るみに出るきっかけもあり、それに気づいた時の気持ちよさったら(笑)
それでも思いがけない展開がさらに準備されていて、お~!ってなりました。

「言葉がわからない」ことを伝える演技力が必要なので、とても難しい舞台だと思います。
しかも「わからないふり」まであるからややこしい。
3人とも名演技でしたが、迫田さんの「豹変ぶり」がカッコ良過ぎて後半すべてを持って行った感がありました。

それにしても面白かった。
やっぱりDVDが欲しいかも。
映画化してくれないかなとか。
複数回観たい作品でした。
大満足です。