Webコンサルタントの松崎です。

 

ホームページの集客で悩んでいませんか?「Webサイトが集客できない理由 -10の自己診断法」では、自分でできるSEOチェックのポイントをご紹介しました。アメーバブログにも「自分でできる!SEOセルフチェック」を最初に投稿し、そのあと個別記事でSEOのチェックポイントを紹介してきました。

今日は、前回の「クラスターコンテンツを作る|自分でできるSEOチェック」に引き続いて、コンテンツマーケティングで活用できるGoogleの検索結果に表示される「People Also Ask(PAA)」について見てみます。

People Also Ask(PAA)って何?

 

Google検索をしたとき、検索結果の途中に「よくある質問」や「他の人はこちらも質問しています」というボックスが表示されるのを見たことがありませんか?これが「People Also Ask(PAA)」と呼ばれる機能です。

 

このボックスには、あなたの検索に関連する質問が4つほど表示され、それぞれの質問をクリックすると、その答えが展開表示されます。さらに興味深いことに、質問を開くと、さらに関連する新しい質問が追加表示されていきます。これは、Google検索のとても便利な機能の一つです。

なぜPeople Also Askはホームページ集客に役立つの?

People Also Ask(よくある質問)ボックスは、SEOとコンテンツ作りにとって宝の山です。

1. 検索ユーザーが本当に知りたいことがわかる

People Also Askに表示される質問は、実際にユーザーが検索しているリアルな疑問です。例えば「犬のしつけ」と検索すると、「子犬のしつけはいつから始める?」「犬の無駄吠えをやめさせるには?」といった関連質問が表示されます。

 

これらの質問を見れば、「犬のしつけ」に関するホームページを作る際、どんな内容を含めれば良いのか、リアルなヒントが得られます。ユーザーが実際に知りたいことに答えるコンテンツは、自然と検索上位に表示されやすくなります。

2. コンテンツのギャップを見つけられる

実際に自社サイトの内容と比較すると「あれ、この質問には答えられていないな」ということに気づきます。これはコンテンツのギャップ(隙間)です。この隙間を埋める新しいコンテンツを作れば、より多くの検索ユーザーにコンテンツを提供できるようになります。

 

例えば、不動産会社のサイトで「マンション購入」に関するページがあるとして、People Also Askに「マンション購入時の諸費用の相場は?」という質問が出ているのに、サイトではそれに触れていなければ、その質問に関する新たなコンテンツを作るチャンスです。

3. FAQ(よくある質問)コンテンツの強化

People Also Askで見つけた質問は、そのままサイトのFAQページに追加するネタになります。実際にユーザーが疑問に思っている質問に答えることで、コンテンツの価値が高まり、ユーザーの満足度も向上します。

 

さらに、FAQ用の構造化データも実装すれば、自社サイトのコンテンツが検索結果で目立つリッチスニペットとして表示される可能性も高まります。

4. ロングテールキーワードの発見

People Also Askの質問は、そのまま「ロングテールキーワード」(検索ボリュームは少ないが、具体的で成約率が高いキーワード)になることが多いです。

 

例えば「WordPress」という大きなキーワードから、「WordPressでお問い合わせフォームを設置する方法」といった具体的なキーワードが見つかることがあります。こういった具体的なキーワードで専門的なコンテンツを作ると、競合が少ない中で上位表示を狙いやすくなります。

People Also Askを活用したSEOチェックの方法

では具体的に、People Also Askを活用したSEOチェックと改善の手順を見ていきましょう。

1. 重要キーワードでの検索と分析

まずは自社のビジネスで重要なキーワードで検索してみましょう。

 

【チェック手順】

  • 重要な商品・サービスに関連するキーワードを検索する
  • 表示されたPeople Also Askの質問をすべて書き出す
  • さらに質問を展開して、新たに表示される質問も収集する
  • 集めた質問を分類・整理する

例えば、英会話スクールなら「英会話 上達」「英会話 初心者」などのキーワードで検索し、どんな質問が表示されるかチェックします。

 

「英会話 上達」で検索すると、こんな質問が表示されるかもしれません。

  • 英会話を上達させるには毎日何分勉強すべき?
  • 独学で英会話は上達する?
  • 英会話が上達する方法とコツは?
  • 英語をペラペラ話せるようになるまでどのくらいかかる?

これらの質問から、ユーザーが知りたいのは「必要な学習時間」「独学の可能性」「具体的な方法」「上達までの期間」などだとわかります。

2. サイトコンテンツとのギャップ分析

集めた質問と自社サイトのコンテンツを比較し、答えられていない質問や不十分な回答しかない質問を洗い出します。

 

【チェックポイント】

  • 各質問に対して自社サイトで回答しているか
  • 回答している場合、十分な情報を提供できているか
  • 回答している場合、見つけやすい場所に情報があるか
  • 競合サイトではこれらの質問にどう回答しているか

例えば「英会話を上達させるには毎日何分勉強すべき?」という質問に対しては、

  • 自社サイトでは具体的な学習時間に言及していない
  • 競合サイトでは「1日30分でも効果的な勉強法」という記事がある

このような分析から、「効率的な学習時間」についてのコンテンツが不足していることが明らかになります。

3. 見出し構造の最適化

People Also Askで見つけた質問は、そのままコンテンツの見出し(h2, h3など)として活用できます。

 

【最適化のポイント】

  • 質問をそのまま、または少し調整して見出しに使用する
  • 論理的な流れになるよう見出しの順序を整える
  • 見出し配下に具体的かつ充実した回答を提供する
  • 必要に応じて画像や図表で説明を補完する

例えば「英会話上達のコツ」というページなら、

 

h1: 英会話を確実に上達させる7つのコツと勉強法

h2: 英会話を上達させるには毎日何分勉強すべき?

回答内容...

h2: 独学で英会話は本当に上達するのか?

回答内容...

h2: 英語をペラペラ話せるようになるまでの期間

回答内容...

 

このように質問を見出しとして使うことで、検索エンジンとユーザーの両方にとって、内容が明確なコンテンツになります。

4. FAQ構造化データの実装

収集した質問と回答を元に、FAQ用の構造化データを実装することで、検索結果でのリッチスニペット表示の可能性が高まります。

 

【実装のポイント】

  • JSON-LDフォーマットでFAQページスキーマを実装する
  • 質問と回答を正確に対応させる
  • HTMLマークアップとスキーマの内容を一致させる
  • Googleの構造化データテストツールで実装を検証する

FAQ構造化データの基本的な記述になります。

 

<script type="application/ld+json">

{

  "@context": "https://schema.org",

  "@type": "FAQPage",

  "mainEntity": [{

    "@type": "Question",

    "name": "英会話を上達させるには毎日何分勉強すべき?",

    "acceptedAnswer": {

      "@type": "Answer",

      "text": "効果的な英会話上達には、毎日最低15分、理想的には30分以上の学習が推奨されます。短時間でも継続することが大切です。"

    }

  }, {

    "@type": "Question",

    "name": "独学で英会話は上達する?",

    "acceptedAnswer": {

      "@type": "Answer",

      "text": "独学でも英会話は上達します。ただし、発音やリスニングの正確なフィードバックを得るには、オンラインレッスンや言語交換アプリを活用すると効果的です。"

    }

  }]

}

</script>

 

これにより、検索結果に直接FAQが表示される可能性が高まります。

ただし、構造化データは設定すると必ず表示されるものではありません。さらに、設定していなくても表示される場合もあります。

People Also Askを活用する時の注意点

People Also Askを活用する時には、いくつか注意点があります。

1. 質問の意図を正確に理解する

単に質問に表面的に答えるだけでなく、その背後にあるユーザーの本当の意図を理解することが大切です。例えば「英会話 費用」という検索の場合、単に価格表を示すだけでなく、コスパの良い学習方法や予算別のおすすめプランなど、費用対効果を知りたいというユーザーの意図に応える内容が必要です。

2. 質よりも量を優先しない

すべての質問に答えようとするあまり、薄い内容にならないように気をつけましょう。自社の専門性や強みを活かせる質問を優先し、その質問には他では得られない価値ある回答を提供することが大切です。

3. 競合分析も忘れずに

同じキーワードで検索した際、競合サイトがPeople Also Askに表示されていないか確認しましょう。競合がすでに表示されている場合は、そのコンテンツを分析し、より詳しく、より役立つ情報を提供することで差別化を図りましょう。

4. 定期的な確認が必要

People Also Askの質問は、検索トレンドの変化とともに変わります。季節要因や市場変化に応じて新しい質問が表示されることがあるため、定期的(少なくとも四半期に一度)にチェックして、コンテンツを更新することをおすすめします。

当社のWebコンサルティングでのPeople Also Ask活用

当社のWebコンサルティング(https://www.ryu-raku.co.jp/webconsulting/)では、第一段階と第二段階の効果的なコンテンツ戦略の一環として、People Also Askの分析と活用を重視しています。特に10ヶ月間のコンサルティング期間の中で、3〜6ヶ月目のコンテンツ充実フェーズでこの手法を積極的に取り入れています。

3ヶ月目:ページコンテンツの充実

このフェーズでは、People Also Askの分析結果を基に、初期のコンテンツ改善と拡充を行います。

  • お客様のビジネスに関連するキーワードでPeople Also Askを分析
  • コンテンツギャップの特定と優先順位付け
  • 既存コンテンツの見出し構造とFAQセクションの最適化
  • 競合との差別化ポイントの明確化

この段階では、「ユーザーが本当に知りたいこと」をきちんと把握して、その疑問に答えられるコンテンツへと改善していきます。

4〜6ヶ月目:アクセス解析とコンテンツの充実

第一段階の改善後は、People Also Askからの洞察と実際のユーザー行動データを組み合わせ、さらに効果的なコンテンツ戦略を展開します。

  • 改善コンテンツのパフォーマンス分析
  • さらに深掘りすべきトピックの特定
  • 新たに出現したPeople Also Ask質問への対応
  • ピラーページとクラスターコンテンツの拡充
  • -AQ構造化データの実装と検証

このアプローチにより、単なる表面的なキーワード対策ではなく、ユーザーの情報ニーズの核心に迫るコンテンツ戦略を実現します。People Also Askの活用は、「ユーザーファースト」と「SEO効果」の両立において極めて効果的な手法です。

People Also Ask活用のまとめ

Google検索結果に表示される「People Also Ask(よくある質問)」は、SEOとコンテンツ戦略の重要ポイントです。ユーザーが実際に知りたいことを直接教えてくれるこのツールを上手に活用することで、より検索エンジンとユーザーの両方に評価されるコンテンツを作ることができます。

People Also Ask活用の重要ポイント

  • 重要キーワードでのPeople Also Ask質問を定期的に収集・分析
  • 自社サイトのコンテンツとのギャップを特定し、優先順位付け
  • 質問をそのまま見出しとして活用して的確に回答
  • FAQ構造化データを実装してリッチスニペット表示を狙う
  • 競合分析と併せて、自社の強みを活かした差別化を図る

SEOは「検索エンジンに好かれること」だけでなく、「ユーザーの悩みや疑問に本当に応えること」を最も重視して取り組まなければなりません。People Also Askは、その両方を実現するための貴重なヒントを提供してくれます。

 

これまでご紹介してきたSEOチェックのポイントやコンテンツ戦略と組み合わせれば、より効果的なホームページ改善が可能になります。「コンテンツの充実|自分でできるSEOチェック」や「ピラーページを作る|自分でできるSEOチェック」の記事とあわせて参考にしていただければ幸いです。

自社サイトの総合的な診断には「Webサイトが集客できない理由 -10の自己診断法」も役立ちますので、ぜひご活用ください。

 

効果的なSEO対策やコンテンツ戦略でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

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