Webコンサルタントの松崎です。
これまで「自分でできる!SEOセルフチェック」で、常時SSL対応やページ表示速度、スマートフォン対応などについてお伝えしてきました。
今回は、SEOで最も基本的かつ重要な要素の一つである「ページタイトル」について詳しくご紹介します。
ページタイトルとは?
インターネットでWebサイトを見るとき、ブラウザのタブに表示される文字列が「ページタイトル」です。
専門的には「titleタグ」とも呼ばれています。また、Googleなどの検索結果ページで表示される青色のリンクテキストにもなる、とても目立つ要素です。
ページタイトルは、HTMLの`<title>ここにタイトル</title>`という部分に記述されていて、Webサイトの見た目には直接表示されませんが、検索エンジンとユーザーの両方にとって非常に重要な情報となります。
なぜページタイトルがSEOに重要なのか?
ページタイトルがSEOにおいて特に重要視される理由には、大きく分けて2つの側面があります。
1. 検索エンジンにとっての重要性
Googleなどの検索エンジンは、ページの内容を理解するために様々な要素を分析していますが、その中でもページタイトルは最も重視される要素の一つです。ページタイトルは、そのページが「何についてのページなのか」を理解するための手掛かりにされています。
適切なキーワードを含んだタイトルを設定することで、そのキーワードに関連する検索クエリで上位表示される可能性が高まります。特にページの主題やテーマを明確に示すタイトルは、検索エンジンからの評価が高くなる傾向があります。
たとえば、「東京 中古マンション 相場」というキーワードで検索上位を狙いたい場合、「東京の中古マンション相場|2025年最新情報」のようなタイトルの方が、単に「物件情報|〇〇不動産」というタイトルよりも効果的です。
2. ユーザーにとっての重要性
検索結果ページでユーザーの目に最初に飛び込んでくるのが、青色のリンクテキスト(ページタイトル)です。
ユーザーはこのタイトルを見て、クリックするかどうかを判断します。これはクリック率(CTR: Click Through Rate)に直結し、SEOにも間接的に影響します。
魅力的で検索意図に合致したタイトルは、より多くのクリックを集めることができます。Googleは、クリック率の高いページは「ユーザーに価値があるページ」と判断し、検索順位を向上させる傾向があるからです。
実際、同じ検索順位でも、タイトルの付け方によってクリック率が2〜3倍変わることもあります。ユーザーの興味を引く、具体的で魅力的なタイトルを付けることが、SEOでは効果的です。
適切なページタイトルの付け方
では、SEOに効果的なページタイトルはどのように設定すればよいのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
1. タイトルの長さと表示
検索結果で表示されるタイトルの長さには制限があります。デスクトップでは約30文字、スマートフォンではさらに少ない約20文字程度で切れてしまうことが多いです。そのため、重要な情報や魅力的なポイントは前半に入れることが大切です。
日本語の全角文字で27〜30文字程度が目安になります。
これを超えると「...」で省略表示されてしまうため、伝えたい内容が途中で切れないよう注意しましょう。
例えば、「東京の中古マンション相場ガイド|23区別・築年数別の詳細データ|2025年最新版|〇〇不動産」というタイトルは長すぎて途中で切れてしまいます。「東京の中古マンション相場|23区別・2025年最新版|〇〇不動産」のように簡潔にまとめる方が効果的です。
2. キーワードの適切な配置
SEOの観点からは、狙いたいキーワードをタイトルに含めることが重要です。
特に、タイトルの先頭または前半部分にメインキーワードを配置すると効果的と言われています。
ただし、キーワードの詰め込みすぎ(キーワードスタッフィング)は避けましょう。以前はキーワードを繰り返し入れる手法が効果的でしたが、現在のGoogleのアルゴリズムではむしろペナルティの対象となり、逆に検索順位をさげてしまう可能性があります。
良い例:「東京の中古マンション相場|2025年最新データ|〇〇不動産」
悪い例:「中古マンション 相場 東京 中古マンション 価格 東京都 マンション」
人が見て自然な日本語として読みやすく、かつ重要なキーワードを含めたタイトルを心がけましょう。
3. ページごとに異なるユニークなタイトル
サイト内の全ページに同じタイトルを使用するのは、SEOにとって大きなマイナスです。各ページの内容に合わせて、それぞれ異なるタイトルを設定することが非常に重要です。
同じタイトルを複数のページで使うと、検索エンジンはどのページが特定の検索クエリに最も関連性が高いのか判断できなくなります。これは「カニバリゼーション(共食い)」と呼ばれる現象で、検索順位の低下を招きます。
例えば、会社概要ページなら「会社概要|有限会社 流楽」、サービス紹介ページなら「Webコンサルティングサービス|有限会社 流楽」というように、内容を明確に区別したタイトルを付けましょう。特にブログやニュース記事では、記事ごとに具体的で魅力的なタイトルを考えることが大切です。
4. ブランド名(サイト名・会社名)の入れ方
ページタイトルにはブランド名やサイト名、会社名を含めるようにしましょう。
これにより、検索エンジンに対しても、ユーザーに対しても、ブランド認知度の向上や信頼性の構築に役立ちます。
一般的には、タイトルの後半部分にブランド名を入れる形式が多く採用されています。区切り文字として「|(パイプ)」や「-(ハイフン)」、「【】(かっこ)」などを使うケースが多いです。
例:「東京の中古マンション相場|〇〇不動産」
例:「Webマーケティング事例集 -〇〇株式会社」
ただし、ブランド力の高い企業では、あえてブランド名を前に出すこともあります。例えば「TOYOTA|新型カローラの特徴」のような形式です。自社のブランド力や認知度を考慮して、最適な配置を選びましょう。
5. 魅力的で価値を伝えるタイトル
SEOだけを考えるとキーワードに注力しがちですが、実際にクリックしてもらうためには、ユーザーにとって魅力的で価値を感じるタイトルであることも重要です。
以下のようなポイントを考慮すると、クリック率が向上することが期待できます。
- 数字を含める(「7つの方法」「2025年最新」など)
- 具体的なメリットを示す(「30日で効果が出る」「初心者でも簡単」など)
- 疑問形を使う(「〇〇とは?」「なぜ△△なのか?」など)
- 感情に訴える言葉を使う(「驚きの」「知らないと損する」など)
ただし、過度に刺激的な「クリックベイト」(内容を誇張したり、実際の内容と異なるタイトル)は避けるべきです。ユーザーの期待を裏切ると、直帰率が上がりSEOにマイナスとなります。
ページタイトルのセルフチェック方法
自分のサイトのページタイトルが適切に設定されているかどうかを確認する方法をいくつか紹介します。
1. ブラウザのタブで確認する
最も簡単な方法は、ブラウザのタブを見ることです。サイトを開いたとき、タブに表示されている文字列がページタイトルです。内容に合ったタイトルになっているか、長すぎないか、重要なキーワードが含まれているかをチェックしましょう。
複数のページを開いて、それぞれ異なるタイトルが設定されているかも確認してください。多くのページで同じタイトルが使われていないかが重要なポイントです。
2. HTMLソースを確認する
より詳細にチェックするには、HTMLのソースコードでtitleタグを確認する方法があります。
- Webサイトを開く
- キーボードで「Ctrl + U」(Mac:「Command + Option + U」)を押すか、右クリックメニューから「ページのソースを表示」を選択
- 表示されたHTMLソースで「title」を検索(Ctrl + F)
- <title>~</title>の間に書かれている内容を確認
これにより、実際にHTMLに記述されているタイトルを正確に確認できます。ブラウザのタブ表示では省略されている場合でも、全文を確認することができます。
3. サイト全体をチェックするツールを使う
多くのページを持つサイトの場合、一つずつ確認するのは現実的ではありません。
Google Search Consoleを使うと、サイト全体のタイトルタグをまとめてチェックできます。
→カバレッジレポートでタイトルタグの問題を確認可能
以下のような問題を発見できます。
- タイトルが設定されていないページ
- 同じタイトルが使われているページ
- 長すぎるタイトル
- 短すぎるタイトル
4. 競合サイトとの比較
自分の狙っているキーワードで検索して、上位表示されている競合サイトのタイトルを参考にすることも有効です。
- どのようなキーワードを使っているか
- タイトルの構成はどうなっているか
- クリックしたくなる要素は何か
こうした情報を分析することで、効果的なタイトルのパターンを見つけることができます。ただし、単に真似るのではなく、自社の特徴や強みを活かしたオリジナルのタイトルを考えることが大切です。
よくある問題とその改善方法
ページタイトルに関する一般的な問題とその改善方法を見ていきましょう。
1. デフォルトのタイトルをそのまま使用している
WordPressなどのCMSでは、初期設定のままのタイトル形式を使っているケースがよくあります。たとえば「サイト名 | アーカイブ」「サイト名 | カテゴリー名」などです。
【改善策】
プラグインやテーマの設定でタイトル形式をカスタマイズしましょう。特に重要なページ(トップページ、主要サービスページなど)は個別に最適化することをおすすめします。
2. すべてのページで同じ(または非常に似た)タイトル
中小企業のサイトでよく見られる問題です。全ページで「〇〇株式会社」や「〇〇株式会社 | ホームページ」のような同一のタイトルを使っているケースです。
【改善策】
各ページの内容に合わせて、具体的で異なるタイトルを設定しましょう。特にユーザーがそのページを検索する際に使いそうなキーワードを含めることが重要です。
3. キーワードの詰め込みすぎ
SEOを過剰に意識するあまり、「東京 中古マンション 相場 価格 査定 売却 購入」のように、関連キーワードを詰め込みすぎているタイトルがあります。昔に有効だった手法ですが、現在はスパムと判断され、検索順位が下落してしまいます。
【改善策】
自然な日本語として読みやすいタイトルを心がけましょう。主要なキーワード1〜2つに絞り、それを自然な形で含めることが効果的です。
4. 内容を適切に表していないタイトル
クリック数を稼ぐことだけを目的として、実際のコンテンツとマッチしないタイトルをつけるケースがあります。これはユーザー体験を損ない、直帰率の上昇を招きます。
【改善策】
ページの内容を正確に反映したタイトルを設定しましょう。魅力的な表現は大切ですが、誇張や虚偽の表現は避けるべきです。
5. タイトルが長すぎて途中で切れている
検索結果で「...」と省略表示されているタイトルは、重要な情報が見えなくなっている可能性があります。
【改善策】
タイトルは全角27〜30文字以内(半角55〜60文字以内)に収めるようにしましょう。特に重要な情報は前半に配置して、切れても問題ないようにします。
まとめ
ページタイトルはSEOの基本中の基本であり、比較的簡単に改善できるポイントです。適切なタイトル設定によって、検索順位の向上だけでなく、検索結果ページでのクリック率のアップや直帰率の低下など、様々な効果が期待できます。
SEOを意識しすぎて機械的なタイトルになりがちですが、最終的には「ユーザーにとって魅力的で価値のあるタイトル」を目指すことが大切です。検索エンジンの評価とユーザーの行動は、長期的に見れば必ず一致していきます。
日々の更新や新規ページ作成の際に、タイトル設定のポイントを意識しながら取り組んでみてください。一度に全ページを変更するのが難しい場合は、アクセス数の多いページや重要なランディングページから順に最適化していくのもよいでしょう。
より詳しいWebサイトの診断方法については「Webサイトが集客できない理由 -10の自己診断法」をご覧ください。また、ページタイトルを含めたSEO対策の専門的なサポートが必要な場合は、当社のWebコンサルティングサービスもぜひご検討ください。
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