《黄帝内経》(こうていだいけい)の「生気通天論」(せいきつうてんろん)は、『素問』の中の一篇であり、主に人の生命活動と自然界との関係性について述べています
「生気」は人の生命活動を指し、「天」は自然界を意味します
人間の生命活動と自然界は密接に関わっており、常に影響を受けています
そのため、人間は自然から離れて生活することはできません
四季の気候の変化に順応することが重要で、もし順応できなければ、体内の正気が損なわれて健康が悪化してしまいます
その結果、「風なる者」が体内に侵入しやすくなります
「風なる者は百病の始めなり」という言葉があります。
ここから「風邪は万病のもと」という考え方が生まれたと思われます。
現代の「風邪」と昔の「風邪(ふうじゃ)」は少し意味が異なります。
昔の「風邪(ふうじゃ)」は寒、暑、湿、燥、火などを運ぶもので、多くの病気の原因になります。
この「風邪(ふうじゃ)」を体内に入れない方法や、入ってしまった「風邪(ふうじゃ)」を追い出す方法が重要です
「生気通天論」は、東洋医学の考え方や治療法を理解するための重要な基盤となる章と言えます。