不妊治療情報センター・funin.infoでは、毎年、全国の体外受精実施施設に詳細なアンケートを行い、サイト 体外受精を考えているみなさまへ(http://www.quality-art.jp)で紹介をしています。
そこにはどのような情報があるのでしょう? シリーズでその詳細を紹介しています。
第22回目は、培養室に関する話から、 培養室の掃除 についての話です。
この内容は、2017年6月発行の 体外受精実施施設完全ガイドブック2017 でもご覧いただけます。
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不妊治療(体外受精対象調査)で必要な培養室の話(2)
No.25 培養室の掃除はどのくらいの頻度で?
培養室の環境は、女性の体内環境を模しているといわれています。雑菌がなくクリーンで、清潔が基本で、温度や空調などの配慮がなされます。その徹底振りは病院やクリニックごとに違いがありますが、めざすところは同じです。そして、その環境を守るためには、色々なことが必要になりますが、掃除も欠かせません。
あるクリニックの培養室にうかがったとき、培養士に掃除はどのようにするのかを聞いた際、一通り実践して教えてくれました。そこで目についた遠心分離機を、『ホコリってこういう装置の下に溜まりますよね』といいながら台ごとコロを少し動かしてみると、案の定、たくさんのホコリが溜まっていてそのスタッフも驚き、恥ずかしがっていました。
培養室入室は、着帽、マスク、専用着衣、手洗い、(あれば)エアシャワーを通って行います。それでも、ホコリは侮れないですから、掃除をしっかりします。その状況を調べた結果が次のとおりです。
●培養室の掃除の頻度
夫婦の大切な卵が育つところだから
衛生にはしっかり気を使って欲しい…
毎日するが71%で1番多く、つづいて週に22%、月に数回が6%でした。人がいるところには、ホコリはついて回るものです。そう考えれば、日頃の掃除は大切な仕事でしょう。気持ちを高めて夫婦の大事な卵子や精子、胚を世話するためにも、培養士の心得として、ルールづくりは欠かせません。培養室に管理者がいて、その厳格な指導を受けながら培養士はしっかり育ち、清潔に気をつけて掃除を欠かさないのが、きっと夫婦の願い、胚の願いでもあるようですよ。
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今後も、培養室をテーマにさらに探っていきましょう。
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明日の採卵、上手くいくといいんだけどな〜
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