母の鎖骨 | ママ、わたしは生きていくよ。

ママ、わたしは生きていくよ。

バリキャリ母と、平凡娘ひとり。
母子家庭を襲った母の癌。
闘病3年9か月で風になった母。

母の知らないわたしを徒然したためます。

大型連休ももう残り二日。

 

母を何日か家に呼んで

泊まってもらおうと思っていた。

 

そこに娘の体調不良。

わたしの喘息の悪化。

母と夫の不仲ww

 

いろんな不穏分子が漂っていた中

今日

母から正式に「やめとく」と断りが入った。

 

母はいま抵抗力がゼロで

少しのウィルスの可能性も排除しなければならない。

娘の鼻グズグズも

甘く見ていたら、

言葉通りの命取りになる・・・。

 

  おにぎり作っていくわ。

わたしの申し出も

「作らんでいい。お好み焼き買うてきてほし。」

「カゼをとても恐れているのよ。」

 

おにぎりを断るくらい

そこまで神経をとがらせている母。

 

母が家に来ない判断に至るのは

想像するに難しくはない。

 

今日はマスクをして

完全防御で母宅へお好み焼きを届けた。

 

母は珍しく洗い物をしていた。

その姿は

数か月前のそれと本当に別人。

 

グラマラスだった母のすべてが削げ落ちて

Tシャツから除く鎖骨が

生々しい人体骨格を思わせる。

 

立って歩いているからこそ

目に映る生々しい弱った姿。

浮き出る肋骨

首の細さ。

 

女であることを何よりも意識していた

美意識の高い母の面影はなく

だれよりも揺るぎない

わたしのママは病に食い荒らされている。

 

敏感な母はわたしの

隠しきれない不安のムードを察してか

 

「わたしな、立ってることもままならんねん。」

「子供たちと遊んでやることもできへん。」

「とても残念なことやけど・・・」

身体を支える手が震えている。

全体的にふらついていた。

 

 そんなこと考える必要ないねん・・・。

震える声で応えた。

無理強いすることもできず

マスクをしているわたしは

母にとっては脅威でしかなく。

 

早々に母のアパートを去るしかない。

 

母の大好物を並べ立てても

癌細胞の吸いとるエネルギーに全く歯が立たない。

 

キルフェボンのイチゴタルト

手作りプリン

 

前よりずっと食べているのに。

 

だからといって、

わたしが落ち込んではいられない。

涙も不安も飲み込んで

しっかり未来を作っていかないといけない。

 

その元気をもらいに

大好きなケーキ屋さんへ。

 

わたしが太ってしまいそう・・・

 

 

母よ、これも持っていくで~✨