「単騎、千里を走る。」(監督:チャン・イーモウ 降旗康男(日本部分)108分)
話の内容は、健さん中国をいく!!
オープニングのカモメが飛ぶ岩場の海岸で手紙を読む健さんが良かった。
中国の街並み(雲南省)・山並み・カラフルな衣装・おばさん達の踊りをビデオに撮っている健さんが良かった。
漢字の旗で役所の人に頼みこむという演出がボク的には良かった。
中国の夜の街(雲南省。近代的ではないが、中国風提灯や照明が照らしている街並み)で、頼み事が許されたか、結果を待っている健さんが良かった。
刑務所の楽団が良かった。刑務所に場違いなカラフルな光線を出すクルクル回るボール照明も良かった。
山の曲がりくねった道を車で走るシーンが良かった。
石切り場で作業している人達が良かった。
乗合トラックの荷台で、カラフルな服を着たおばさん達に囲まれて乗っている健さんがコミカルだった。
中国の田舎の村の街並みが良かった(特に電波が届かない為、屋根に登って携帯をかけるシーンの瓦の屋根がびっしり並んでいるショットが良かった)
村での、ずっと一列に並んだテーブルでの、村人達の食事シーンは圧巻だった。
トラクターでガタガタ畦道を走るシーンが良かった。
崖の中での子供と健さんとの触れあいが良かった(切り立った崖のロケーションがとても良かった。うんこする子供とのやり取りのコミカルさ・笛とカメラのフラッシュで助けを求める演出・寝ている子供に健さんが服をかける演出なんかが良かった)。
松明を手に探しに来る捜索隊が良かった。
崖に朝日が射すショットが良かった。
健さんが子供を抱きしめた時の「抜けるような青空」が良かった。
刑務所で子供の写真をスライドでテレビに映すというのが良かった。
仮面劇の役者が、健さんの息子が死んだ事を知らずに「もう一度息子さんに観に来て欲しい」と言うのを、健さんが否定せずに相槌をうつ演出が基本的だが良かった。
ラストの踊りはボク的にはイマイチだった。
全般的に
本当に古臭いストーリー(親子の絆や義理、人々との触れあい)だが、通訳を通さないと喋れないという異文化コミュニケーション演出や携帯・ビデオカメラ・デジカメなど小道具が新しいので、アクセントがついて最後まで楽しく観れた(ボクは大筋の古臭いストーリーが好きだからかもしれないけれど・・・)。
シーン的にも中国のとてもいい風景をたっぷり楽しめる。
健さんも良かった。中国の人達も皆「人が良い」のが良かった。
ムチャな要求をしてくるモンスターツーリストで、無意味な事にやたらこだわる主人公ではあるが、健さんの良さでその辺は大分緩和されているのではないかとボクは個人的に思った。この作品の中の中国はどこに行っても、人は優しいし、文化も面白いし、景色も綺麗なので、いい国だなとボクには思えた作品。