「昭和残侠伝 唐獅子仁義」(監督:マキノ雅弘 89分)
話の内容は、ケンカも博打もご法度の志村喬が親分のヤクザ一家に花田秀次郎こと高倉健がお世話になる話。
最初の高倉健と池部良の切りあいが緊迫感があった。
志村喬が柔和で懐の深いヤクザの親分を好演していた。
富士純子が粋な芸者を好演していた。
石切り場で敵のヤクザが発破をドッカンドッカン爆発させる所は迫力がありオモシロかった。
金に汚かった待田京介が最後敵のヤクザのあまりの汚さに金をつき返す所がカッコよかった(待田京介は最初お調子者役かと思わせて、最後は二丁拳銃で切り込みに助っ人で参加するなどカッコイイ役回りを演じていて、この素晴しい俳優陣の中でも一際光っていた)。
高倉健と池部良の二度目の切り合いの最中、敵のヤクザが拳銃を発砲して、二人を止めに入った藤純子が撃たれて死ぬという演出が凄かった。
切り込みに行く時の高倉健と池部良が二人で歩くシーンとBGMの音楽(頭痛が痛いみたいですね「笑」)が最高にカッコよかった(唐獅子仁義の唐獅子牡丹の曲の歌詞がボクは一番好きで覚えていた「エンコうまれぇの浅草育ち」と「親にもらった大事な肌を墨で汚して白刃の下で」。)。
刺されても切りまくる健さん、二丁拳銃の待田京介、途中で倒れる池部良など切り込みシーンもとても迫力があって引き込まれた。
全般的に
出演陣がとても良い。粋な芸者の藤純子と志村喬の組の代がしの妹の女優などいい女が揃っていた。健さんのカッコよさ・池部良のクールさはもちろん良かったが、待田京介の最初お調子者だけど最後はカッコイイ役回り、志村喬の柔和なヤクザの親分がさらに良かった。左ト全などチョイ役も良かった。
話の筋が、昔片腕を切った男の嫁さんに助けられるというのも良かったし、藤純子が健さんに「悪い女房になりたいの」といいながらせまる所も面白かったし、石切り場を発破でメチャクチャにするシーンはムチャクチャだったし、それでもケンカと博打はご法度と耐える志村喬のヤクザ一家というのもオモシロかった。そして最後は二人の切り合い中に藤純子が拳銃で撃たれて死に、二人で敵のヤクザの所に乗り込むという演出は圧巻だった。
音楽も最高にいい。唐獅子牡丹の中でもベストだと思う。全てにおいてオモシロさ満載の大傑作。