「フラガール」(監督:李相日 120分)
話の内容は炭鉱が閉鎖されて寂れた町が、ハワイアンセンター建設・その目玉のフラガールのフラダンスで再起を図ろうという話。
炭鉱の労働争議で激しく紛糾していたのを見て、ハワイアンセンターの部長が下に着ている派手なハワイアン柄のシャツをジャンバーのチャックをしめて隠すのがコミカルだった。
炭鉱で働いた後の人達の顔が真っ黒なのが良かった。
車が故障して、トラクターの後ろでビール瓶をラッパ飲みしながら派手な服を着ているダンサーの先生というのが良かった。
ダンスの練習中に、センターの部長と大柄の娘の様子を見に来た父親が、練習を見ながら並んで男二人でフラダンスのステップをふむのがコミカルだった。
フラダンスに手話の要素があり、踊りにメッセージ性があるというのがとても良かった。
持ってきたお土産を自分で開けて食おうとする借金取りがコミカルだった。
先生が娘をぶっとばした父親を殴りに、裸の男達がいっぱいいる男湯に殴り込んで暴れるというのが、無茶していて良かった。
先生が父親に殴られた娘と別れる時に、かけていたサングラスをあげるのがとても良かった。
初めての舞台が旅館のお座敷かなんかで、客もヤジを飛ばしたり、客とケンカが始まって大騒ぎになるのが良かった。
その後の帰りのバスで、ダンサー同士の仲間割れのケンカが始まり、先生が「踊りが上手くできないなら協力したり、助け合ったりできないの?」と捨て台詞を言って、怒りながらバスから降りていなくなってしまうのも良かった。
作業員が「福島は寒いだろ」と言ってヤシの木に着ているジャンバーをかけてあげるのがコミカルだった。
落盤事故で身内が死んでも、娘のダンサー達が自分達から踊りを続けようと言い出すのが、感動的だった。
母親が初めて娘が踊るのを見て、娘に理解を示して、ハワイアンセンターの為にストーブを集め始めるのが感動的だった。そして反対していた人達も皆協力的になっていくのもとても良かった。
出発する先生をダンサー達が皆で駅に走ってやって来て見送りするシーンも感動的だった(主人公「ボクは蒼井優が主人公だと思っています」が踊り始めて、皆も集まって来て皆でフラダンスを踊り出し、先生に「別れのメッセージを送る」というのがとても良かった)。
作業員がヤシの木を抱いて温めているのもコミカルだった。
最後のハワイアンセンターオープンの時の最初のフラダンスのシーンも良かった(途中先生の借金取りと主人公の兄とのイザコザを挟んでいたのもいいアクセントになっていて良かったとボク的には思った)。
二番目のフラダンスのシーンで、客席の子供が舞台で踊っているかぁちゃんに大声で呼びかけ、会場に笑いが起こる演出がコミカルだったのもとても良かった。
満場の拍手の中の最後のフラダンスシーンもとても良かった(主人公の母親もこっそり見に来たり、主人公が親友のくれた花飾りをつけたり、主人公のソロの踊りという見せ場もきちんとあるのもとても良かった)。
全般的に
寂れた炭鉱町のセットもいい雰囲気で、キャストも皆良く(特に親友役の地味な女の子と岸部一徳がボク的には良かった)、炭鉱の悲惨さ・ショービジネスの厳しさもきちんと描かれているし、先生と生徒のダンサー達の交流を通したお互いの成長も上手く描かれているし、コミカル演出も多々あり、感動もでき、文句をつける所がない、とても良く出来た傑作とボク的には思えた作品。