しかしそれは、緩和ケアの一部であるターミナルケアやホスピスケアと少し混同して捉えられてしまうからかもしれません。
WHOが決める緩和ケアの定義とは、生命を脅かす病気に関連する問題に直面している患者と家族の痛み、その他の身体的・心理社会的スピリチュアルな問題を早期に同定し、適切に評価し対応することを通して、苦痛を予防し緩和することにより患者と家族のクオリティオブライフを改善する取り組みであるとされています。
緩和ケアの目的をわかりやすく言うと、
一、苦痛(辛さ)を和らげること
二、患者さんの気がかりに気づくこと
三、様々な場面で提供できる体制を整えること
がんという病気になると、患者さんは診断時から終末期まで様々な症状や辛さに悩まされることになります。その辛さや気がかりを改善、解決するために診断時から取り入れられるのが、現在の正しい緩和ケアのあり方、とされています。
まとめると、緩和ケアは病気の時期や治療の場所を問わず提供され、苦痛(辛さ)に焦点があてられるものです。辛さ、と共に病気に伴う患者さんの生活の変化や気がかりに対応してくれます。
様々な場面で切れ目なく緩和ケアを受けられることが、がんと向き合う上ではとても大切です。
あまり、緩和ケアという言葉だけに過剰に反応せず、自分の不安を一緒に考えてくれる、ということだと思って前向きに緩和ケアチームや緩和ケア外来にかかってみてくださいね。
あなたの不安や辛さが、どの治療の段階においても少しでも改善されることを祈っています。