今日のYahooニュースの中で、少し気になる記事を見つけたので今日は親への伝え方、関わり方についてです...
まずは、その記事の内容を転載しますね ↓ ↓ ↓
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161112-00000020-pseven-soci
がん患者、母親の過剰な心配で家族関係こじれる
NEWS ポストセブン 11/12(土)
日本人の死因でもっとも多い「がん」。心配や不安が募るあまり、がん患者に対して心ない言葉をかける親もいる。埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授の大西秀樹さんは、「親といういちばん近い存在だからこそ」だと指摘する。
「実親にがんであることを、どこまで、どう伝えるのか、患者は悩みます。離れて暮らす親に心配をかけたくないから、病状が悪くても、何年も親に黙っているという患者も少なくありません。また、聞かされた親がショックのあまり、頻繁に電話をしてきて、毎回電話口で泣いたり、サプリや漢方薬を大量に送ってくるなど、困った行動に出ることもあります。がんであることは親に伝えたほうがいいですが、状況にもよります。私たちも一緒にタイミングを検討することもあります」(大西さん)
実際、親の行動が患者のストレスになったというのは、4年前に乳がんを発症した田中恵美さん(仮名、47才)。彼女は「正直、母の存在が疎ましかった」と吐露する。
「10年前に肺がんで父を亡くしてから、母にとって『がん』はトラウマなんです。末期の肺がんだった父を、母は自宅介護しようとしました。だけど父は痛みや不安から暴言を吐くようになり、結局ホスピス病棟で亡くなったんです。母は“父を見捨ててしまった”という罪悪感でひどく落ち込んで、家にこもるようになってしまって…」(田中さん)
6年前、姉に子供が生まれてからは、「孫のために」と少しずつ元気になってきた母。そんな時、娘ががんだと知ったらどうなってしまうのか…。そう逡巡したものの、親にとって子供から隠しごとをされるのはつらいことだと思い、最終的に伝えることにした。
「実家に行って、母と兄、姉が同席する中で乳がんだと伝えました。母はしばらくぽかーんとしていて、徐々に涙を流し始め、台所で号泣。見ているこちらがつらかったです」(田中さん)
それからすぐに、母の「過剰な心配」が始まる。
※女性セブン2016年11月24日号
父も母も私を大事に育ててくれて、大好きだから、私だってつらい。もうずっと私のことが心配で、夜も眠れないと言っています。私も彼も、そんな親をふり切ってまで結婚はしたくありません。年齢的にも子供を産むならそろそろちゃんと籍を入れたいんですけどね…。納得してもらえる日が来るのか…」(高田さん)
「親は私が30才を過ぎた頃から『早く結婚しなさい』と言っていたんですが、彼との結婚だけは許してくれません。『先が見えないとわかっていながら結婚するなんて、親として絶対許せない』『その年で未亡人になったらどうするの?』って、怒ったり泣いたりしながら、訴えられます。それを直接彼に言ったりもするんです。いちばんつらいのは彼だから、私は親を遠ざけることしかできない。
またパートナーががんになってしまったことで、親との関係がこじれる人もいる。2年前、婚約中の彼が胃がんにかかり、彼が職場復帰した今も両親から結婚を反対されているのは高田理子さん(仮名、33才)だ。
母が一生懸命なのがわかるから、怒ったり、無視したりすることもできない。だけどやっぱり母の言動に傷ついたりイライラしたりしてしまうので、治療中は母と疎遠になりました」(田中さん)
「治療がうまくいった“勝ち組”の例を出して、『あなたはこの治療をしてないけど大丈夫なの?』って。そんなこと言われたって、私だってわからない。母の言動は私の不安をあおるだけでした。しまいには、乳がんで亡くなったお母さんが、残された娘にみそ汁の作り方を教えていたという話をテレビで見て、私の娘にも料理を覚えさせたらいいんじゃないの、なんて言うようになって…。
さらに、母はテレビの乳がん特集を欠かさず録画し、新聞の切り抜きや資料を集め、田中さんに送って来るようになった。
「父の時のように、後悔したくないという気持ちがあまりにも強すぎて…たとえば、執刀医が有名な医師でないことを心配して、これまで何件手術した経験があるのか、勝手に病院に電話で問い合わせたり…」(田中さん)
さて、皆さんはこの記事を読まれてどう思いますか?
「こんな母親は困る」 「ただでさえ自分の病気で辛いのに母親にまでこんな辛い思いをさせられたくない」....そう思う人もおられるかもしれません...
ですが、ここで一つ考えてほしいことがあるのです
こういう行動をしてしまったお母さまたちは、がんになってしまった娘さんを苦しめたくてこうされたのでしょうか いいえ、そうではないことを誰もが理性の中ではわかっています。
ではなぜ??
私の義父が膵がんになってしまった時、義母はこう言っていました。
「病気なのはお父さんかもしれないけれど、家族も気持ちは病気になったの同然だ」と...
そうです。あなたの、家族の幸せを 願わない母親はいません。。。
もしもあなたが母親なら、自分が逆の立場だったら、と考えてみてください...。
大切な、誰よりも幸せを願っている娘が若くしてがんになってしまったら...
どんなにつらく苦しいでしょうか。。。
「変われるものなら変わってやりたい」 「なんとかしてやりたい」
そう思うのは当たり前なのです。。。そして、そう思っているお母さまは、まさにあなたと同じ病気になってしまったかのような心境なのです...
おそらくは、自分がなるより、 さらに辛く苦しいと思います...
だからこそ、あなたの病気がお母さまの中ではとてつもなく恐ろしいものに膨張してしまっていて、得体のしれない、これからどうなってしまうかわからない恐怖と不安に襲われるです
そう、がんと診断された直後に多くの方が陥りがちな深い落とし穴にどっぷりはまってしまうのと同じです
その時にお母さまはどう思えばいいか...どう思わせてあげればいいか...
それは 癌と診断された日は...② の以下の記事で書いたことと同じです。
http://ameblo.jp/mama-sasaetai/entry-12216451473.html
あなたの大切な娘が今ある状態は、こういう状態なのだ、ということをちゃんと教えてあげてください。
そして、一番いい方法は、毎回の外来受診を一緒にしていただくことだと思います。
一緒に受診して、一緒に医者の話を聞いてもらえば、もしかして、お母さまが一人で妄想を膨らませてしまってるように大変な状況ではないということをちゃんとわかってもらえるかもしれません。大変な状況だったとしても、今やるべき最善の方法は、きちんと標準治療をすることであって、大金をかけていろんな民間療法を試すことではないことに気づいてもらえるかもしれません。ネットの他の方とはがんのタイプが違うから、今やっている治療が違うのは当然だとわかってもらえるでしょう
ご主人でもご兄弟・ご姉妹でも、婚約者の家族でも同じです。
勝手に妄想を膨らませて不安に縛られてしまっているご家族はみんな一緒に外来受診に同伴してください
実際、私の外来にも必ずご夫婦で、親子で、パートナーさんと一緒に、来られる方が何人もおられます
最初は、その不安そうな顔はまさに患者さんと同じです。
ですが、患者さんと同じ説明を聞き、同じように状況を把握し、治療がどういう風に進んでいっているのか、治療のどの副作用で今 少し辛い症状が出ているのか、などなどわかってもらえると、多少何かがおこっても想定の範囲内だったりするので、あなたを煩わせるほどにうろたえられたりはしないはずです
だって、心からあなたの完治と幸せを願っているのですから
医者は、あなたと同様、あなたを心配するご家族をもケアしたいと思っていますよ
だから、ご遠慮なく一緒に受診してくださいね
そして長くなりましたが、もう一つ大事なことを最後に
あなたがどうしてほしいか、それをちゃんとご家族に伝えてください。
「いろいろ心配してくれるのはうれしいけれど、今私に必要なのは頻繁な電話でもサプリでも、心配しすぎていろいろしてくれることではなく、私や子どもを見守ってくれることなの。」
「これは私の人生だから、たとえ彼がどうなろうとも、今一緒にならなければ私は一生後悔すると思う。」
「私が幸せな人生を全うできるように、こうさせてほしいの。」
それをちゃんとご家族に伝えてください。
家族はあなたの幸せを願っています。あなたが不幸になることを望んでいません。
だから、きっと協力してくれるはず。。。
そして、 癌と診断された日は...①でも書いたように、ご家族が泣いたり愚痴ったりして感情を解放することも、また、認めてあげてくださいね。
http://ameblo.jp/mama-sasaetai/entry-12215467603.html
ご家族だって、それができなくては前に進めません。あなたの病気のことで自分を責めてしまうご両親がほとんどだと思いますよ。
でも、それをみるのが辛いときは、そっとその場を離れてください。もしくは、それを見るのが辛いから、自分のいないところでたくさん泣いてね、と声をかけてあげてください。
前述のYahooニュース記事に私が違和感を覚えたのは、母親の過剰な心配で、、、というところです。決して過剰ではありません。当然の心配なのです。
それが、悲しいかな母親です...
だから、その当然のお母さまの心配で、家族関係をこじらせてはいけません。
がんには家族で立ち向かうのです
あなたにはきっとそれができるはず。 信じています。