いつもは女性の患者さんばかりを診ている桜ですが... 先日、30代の男性にがんの告知をしなければならない場面がありました...
その方は、動揺する気持ちを抑えながら、「子どもが4人いるんです。まだ死ぬわけにはいかないんです」と絞り出すような声で言われました。。。
いつも乳がん患者さんばかり見ていて お母さんの気持ちとそのお子さんの気持ちばかりが気になってきた桜は ドキッとしました...
そうよね... お父さんががんになるときだって同じなんですよね...
そして家から奥様を呼ばれ、「子どもにはなんて言えばいいか...」と二人で悩まれている様子でした。。。
子を想う親ならだれもが頭を抱える問題です
そしてそこにはこれが正しい、という答えがないからこそ難しい問題なのです。。。
お子さんそれぞれの性格や環境があり、お子さんのことを誰よりもわかっているご両親が、
「この子にはこう伝えるのが一番不安を与えず、状況を分かってもらえて、そして一緒に病気を乗り越えるために前向きになれる。」
そう思える伝え方をじっくり話し合われてから、しっかり伝える場を設けてくださいね
(↓↓記事の一番最後に参考になるリンクをご紹介しています。 ↓↓)
小学校中学年以降の、言葉がしっかりと理解できるお子さんなら、
「どういう病気なのか」 「これからどういう治療をするのか」 「そのためにはお母さんは(お父さん)は無理ができないこともあること」 「でもその治療をがんばれば、きっとどういう風になれるのか」、という見通しをゆっくりと、お子さんにわかる言葉で伝えてあげてください
皆さんも同じと思いますが、これからどうなってしまうのか、悪いことばかりおこってしまうんじゃないか、そう思うと不安でたまらないはずです
だから、力を合わせて辛い治療を乗り越えたら、「また一緒にお出かけできるよ」 「また普通に生活できるよ
」 「そのためにママ(パパ)は頑張るからね
」と先の明るい見通しもちゃんと伝えてあげてくださいね
幼児さんや小学校低学年のお子さんは、まだ言葉での理解は難しい可能性もありますが、
何も伝えなくても両親の不安な気持ちはしっかりと伝わってしまいます
お腹の中からお母さんのことを知り尽くした子たちですからね
それに、言葉で表現ができないからこそ、その小さな心の中ではいろんなことを想像して不安になってしまうようです
「ぼくが、わたしが、いい子にしてなかったからお母さん病気になっちゃたのかな...」 「お母さんの病気、ぼくに(わたしに)うつっちゃうのかな...
」 など子どもの世界での精一杯の想像力を働かせて、大人が思いもよらないことを考えては不安をつのらせていることもあるのです
だから、「お母さんが病気になったのは、だれのせいでもないんだよ」 「うつる病気じゃないからね
」って、安心させてあげてください。
そして、どんなに小さい子でも、「お母さんの力になりたい!」 「お母さんが元気になるためなら頑張れる!!」 と思うものです。 だから、「一緒に頑張ってくれるかな?」って抱きしめてあげてください
お子さんが何歳でも、お話しの途中で疑問や感情をぶつけてきたら、決して話をそらさず、しっかり受け止めてあげてください。
どう答えてあげればいいかわからないときは、「そうだよね~... そう思うよね~...」って、その気持ちに共感してあげてください。 子どもが発した言葉を繰り返して、「○○っておもっちゃうね~...」って言うだけでも、ママはわかってくれてる、と少し安心できるものです。
なんといえばわからない時は、子どもが何歳でも、ぎゅーっと抱きしめてあげてください。
一緒に泣いてあげてください。抱きしめるのが照れくさければ、手を握るだけでも、肩に手を回すだけでも、いいのです。 お母さんと子どもは、言葉を超えた気持ちのつながりが可能なのです。 いわば一心同体。。。子どもの元になる卵子の細胞は、お母さんが生まれてきたときにはすでにもうお腹の中にあったのですから。。。
ご両親ががんになったお子さんをサポートするHope treeという団体が東京にあります。
HPにはお子さんへの伝え方など、かなり具体的な情報が載っています。
ぜひ参考にされてください。
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