父の余命 | 幸せな家庭の作り方〜Happy Family〜

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東京下町で暮らす5人の子沢山ママです。結婚27年目。
長男25歳(社会人・一人暮らし)長女15歳・次男14歳・三男9歳・四男6歳。
非常勤保育士として働きながら、オリジナル家計簿を販売中。


先日、父の病院に行ってきました。


雲ひとつない、青空の快晴の日でした。



帰り道の公園の新緑は、まぶしいくらいキラキラ


保育園の子どもたちがたくさんお散歩していて


「普段は私もあっち側なんだけどなー」


なんて思いながら可愛い姿を見ていました。





主治医の先生は、CTスキャンの画像をもとに、とてもわかりやすく説明してくださって


深刻な病状を冷静に、かつ、家族感情に配慮しつつ話すことに慣れているんだろうなーと思いました。


結論から言うと、脳に腫瘍ができていて、それが神経を圧迫しているので、歩行が困難になったり、言葉が遅くなっているとのこと。


この腫瘍の治療を積極的にするかどうか?ご家族で判断してくださいとのことで…


もし何もしなければ、余命はあと数ヶ月


でも、治療したからと言って、高齢のため、体力が落ちるかも知れないし、完治を目指すものではない、とのこと。


とても難しい判断を迫られて、冷静でいるのが精一杯でした。


でも、とりあえずCTよりもっと詳しくMRIの検査ができるとのことなので、その結果待ちになりました。




先生のお話があるまで、父のベッドサイドにいたのだけど、


看護師さんが、父の体温など測りに回ってきて「お名前言えますか?」など、いくつか質問したんです。


そのときに、「ココにいらっしゃる奥さんと娘さんのお名前言えますか?」と聞いたら、「そんなのわかるに決まってるでしょ!」という感じでちょっと笑って


「〇〇まゆみです」って、私の名前を旧姓で言うんです。


25歳で結婚して26年。


旧姓で過ごした期間より、結婚後の姓の方が長いです。


でも父の中では、いつまで経っても娘のまま。


そう思ったら、涙が出てしまって泣


先生のお話のときに感情的になることはなかったのだけど、父の姿を見るととても心が揺れ動きました。


「握手したらとても力があって、まだ体力はあります。」


と主治医の先生がおっしゃっていたので


私も別れ際、父と握手してみました。


その、ぎゅっと握った手は、予想以上に力強くて


弱々しい老人の手ではなく、私達家族をずっと守ってくれた、強い父の手でした。





まだ、生きてる。


もっと、生きて欲しい。


できれば、どこにも痛みなく、自分で体を動かせて、歩けるくらいになって欲しい。




そんな、今まで当たり前だと思っていた、普通の生活への欲が止まりません。


帰り道、ソラマチを通ると、スカイツリー観光の方がたくさんいます。


その中に、両親くらいの年齢のご夫婦が一緒にいると


「いいな、一緒にお出かけできるって、すごく幸せなことだな」


と思う。


さらに、父くらいの年齢の方が歩いているだけで、


「歩けるんだな、いいな」と、うらやましく思ってしまう。


自分の中にそんな感情があったなんて、知りませんでした。


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