スペインの巨匠ペドロ・アルモドバルが、「ビフォア・サンセット」「6才のボクが、大人になるまで。」のイーサン・ホークと、「マンダロリアン」「THE LAST OF US」のペドロ・パスカルを主演に迎えて手がけた短編作品。男性社会で生きるクイアの保安官たちの切ない愛を濃密に描いた西部劇ドラマ。

 

1910年。若き日にともに雇われガンマンとして働いていた旧友の保安官ジェイクを訪ねるため、シルバは馬に乗って砂漠を横断する。メキシコ出身のシルバはしっかり者で感情的、つかみどころがないが温かい心の持ち主だ。一方、アメリカ出身のジェイクは厳格な性格をしており、冷淡で不可解で、シルバとは正反対だった。出会ってから25年が経つ2人は酒を酌み交わし、再会を祝い愛し合う。しかし翌朝、ジェイクは前日とは打って変わり、シルバがここへ来た本当の目的を探ろうとする。

メゾンとして初めて本格的に映画製作に参入したイヴ・サンローランの子会社サンローラン・プロダクションズが製作に参加した作品で、サンローランのクリエイティブディレクターとして知られるファッションデザイナーのアンソニー・バカレロが手がけた色鮮やかな衣装も見どころ。アルモドバル監督が短編を手がけるのは「ヒューマン・ボイス」に続いて2作目。

2023年製作/31分/G/スペイン・フランス合作
原題または英題:Extrana forma de vida           映画.comより転載

 

 

ホントに短くて31分、あれ?もう終わったの?という感じですが、映画は長ければよいというわけではない、何故かほっこりとニマニマと、微妙な哀愁・・・おっさん二人だし、片やイーサン・ホークだしね。濃厚なアルモドバルの味わい、さすがです。

25年の歳月を経て再会、表面上はともかく激しい愛の感情はいささかも薄れてはいなかった。

かつての若い二人、アルモドバルのゲイ好みエロさ濃厚、ワインの赤はアルモドバルの色、登場する美女たちのスペイン語はみんながペネロペ・クルスに見えてくる。

25年後の今、お互いの心の内を探り合い、現在の問題を抱えながらも、血を流す愛が二人をつなぎとめる。

イーサン・ホークとペドロ・パスカルの二人の対比が良い、彼らの騎馬シーンはとても素敵だ、砂漠、西部劇、馬・・・・それらに合うファッションをサンローランブランドが手掛ける、西部劇でも見事なアルモドバルカラー。

 

 

 

色、構図、計算された画面構成が、さすがの感あり。