貞彦332話  『カフェでの出会い』

 


週末の夕方、ぷう助と一緒に
カフェの『お遊戯会』を
見に行く。

若い頃、サバ子に連れて
行ってもらった時の事を
思い出しながら店内へ
入ると、ほぼ満席で子供は
7歳から中学生くらいの

子も来ていた。

顔見知り同士で賑わって
いる間を通り、カウンターで
おしゃべりをしながら手は
忙しそうにドリンクを作って
いるオーナーに挨拶をして

観客としての料金を支払う。

お金を渡した時なぜか顔を

数秒間みつめられて、いきなり

兄の名前を言われ、私が

妹だということやサバ子と

若い頃に行った日のことを

憶えているといってくれた。

私は驚いて、ぷう助と
手を繋いでいる事を忘れて
しまいそうになりながら話を
聞くと、兄は友人がお遊戯会
にでるから見に来たのが
きっかけで、他の人とも交流
を持ち、夜はバーのように
なるカフェの常連らしい。

オーナーと兄は話をするうちに、

昔サバ子と一緒にいた私が
兄の妹だということがわかった

という。

オーナーは笑ってそんな
話をしながら、近くにいた
何人かのひとに私が兄の
妹だということを教えると、
私の事を前から知って
いるかのように親しみ
話しかけてくれた。

他にも常連さんはみんな
兄のことを知っている
ようで、ぷう助は色々な

人にかまってもらえ

上機嫌でお遊戯会が始まる。

今回は6人の出演者が
いて、最初は男性が花魁の
ように華やかな着物を来て
ギターを演奏するという
美しい始まりから、子供は

ぷう助をいれて4人しか

いなかったけど、可愛い

人形劇をする人や、
マリーアントワネットの
格好をした40代くらいの
女性がピアノでベートー
ヴェンを弾く。

ぷう助は楽しんだり不思議な
顔をしながら、オーナーの

サービスでカレーやお菓子を

もらい最後まで見ることが
できた。

すべての出演が終わると、
出演者もお客さんも
賑わい食事やお酒を
楽しむ時間になり、
そろそろ帰りが遅く

ならないよう帰ろうかな

と思っていると、ぷう助が
席を立ち、静かに楽譜を
見ながらお酒を飲んで
いる男性の横に座って
しまった。

ぷう助は人見知りをする
タイプではないけど、
自分から知らない人の
ところへ、いきなり

いくようなことは今まで
したことがなかったから
突然の行動に慌てる。


「すみません、ぷう助
 こっちへおいで」

「えっ、あ、いいですよ。
 困ったな、でも僕
 なにもできないですけど。
 う~ん、えっと…
 今日は楽しかった?」

「うん!」

「そっか…、うん。
 えっと、困ったな、困った、
 僕あまり面白い楽器もって
 ないんだけど、こういうの
 やってみる?」


そういいながらリュックから
タンバリンや、中学の頃に

音楽で使っていた笛などを

並べて音を聴かせてくれると、

男性と目が合い


「あの、僕は人前で演奏できる
 勇気はないので、今は
 みなさんのを見に来ている
 だけなんです。
 あとご飯もおいしいので
 僕は晩ご飯を食べにくるだけ
 というか…
 
 すみません、どう接して
 いいのかわからなくて、
 けして子供嫌いなわけじゃ
 なくて…あの、子供は好き
 なんですけど、でもわから
 なくて…
 僕、道野場といいます」

「こちらこそ、いきなりで
 ごめんなさい。

 普段あまりこういう
 ことをしない子なんですが、
 優しい方だと思い横へ
 座ってみたくなったのだと
 思います」


こういう時、どういう
対応をすればよいのか
迷いながら返答をする。

最初に「すみません」
といって、ぷう助を無理やり
席から離すことも出来た
けど、お言葉に甘えて
ぷう助に楽器までみせて

もらい、迷惑ではなかった

だろうかとも思う。

ぷう助は、そんな私の

気持ちなどおかまい
なしに、見せてもらった
楽器の1つをじっと見つめ
ている。


「これいい音でしょ。
 僕も好きなんだよ。
 やってみる?」

「うん!」

そんなやり取りをしながら、
ぷう助は道野場さんの横に
ぴったりくっつきその楽器の
使い方を嬉しそうに教わって
いる。

私もその楽器の名前は
ツリーチャイムという事を
教えてもらい、少しの
間だけ楽しませてもらって
お礼をいい、ぷう助とカフェ
を後にした。

帰宅後、ぷう助はすぐに
眠り、私は兄へ道野場さん
との出来事をメールにして
迷惑をかけたのではないかと
送ってみると、すぐ返信が
きて通野場さんのブログを
教えてくれる。

ブログは今日の日付で
更新されていて
「子供と接する体験が
 できたのが幸せでまた
 会いたい。楽器教えたいな」
と書かかれていてほっと
した。

私は道野場さんにお礼の
メッセージを送ると、
ブログ以上に情熱的な
お返事で、ぷう助と
話している時間がとても
楽しかったという事や
またツリーチャイムを
教えたという気持ちを頂く。

そして週末のカフェはお遊戯会が
なくても、常連さんたちが
ランチに集まるということで、
ぷう助がまた道野場さんに
会えるようカフェへ行へいって
みることにした。

 

 

 

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ツリーチャイムという楽器です。

学校の音楽室でこれより大きなものを

見たことはあったのですが、

これがツリーチャイムという

名前だったというのは、カフェで

初めて知りました。

 

☆このツリーチャイムは後々、

調査報告書に楽器として

記載されることになります。

なんであの時、道野場さんの

横に座ったのかは、ぷう助も

よくわからないそうです。

 

☆4月分の貯金は明日、投稿の投稿になります。

 

☆まだスマホがなく携帯電話が主流の時の

お話です。

現在は離婚して平穏に暮らしています。

 

☆個人の特定につながらないよう

一部の表現をかえています。

 

 

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バナーの絵は、漫画家さんが
描いてくださった下絵です。
私が子供を望み、貞彦さんと
幸せな未来を思い描いている
シーンです。

下絵は漫画家さんと繋いでくださった
株式会社パルソラ様の提供です。

 

砂糖、生乳、香料のシンプルな

原材料で私とぷう助が1番好きな

ヨーグルトです。

お菓子と絵本の紹介です。

 

最後の最後までお読み頂き

ありがとうございます。

毎日を乗り越えようと

している人が報われる

明日になりますように。

幸せがいっぱい訪れる

明日になりますように。