仙台に勤めていた頃は、食事付き寮生活だったので、
出不精の私は、必然的に寮と会社の往復しかしてなかった。
食事付きだったから(近所の奥さんが作ってくれていた)
週中も休みの日もどこへも行くこともなく
ただ、寮の部屋で一人、ぼーっとしながら
ギター弾いたり、コソコソ絵を描いたりして過ごしていた。
今思えば、そんなことしてるから短絡的になったのだと思う(笑)
で、短絡的になった結果、退職だ。
好きになる努力をしなかっただけだと今は分かっている。
ほんとうに残念だと思う。
ただ、居ただけだったからだ。
とても暮らしていたとは言えない。
辞めると決めた後、初めて仙台の美術館に行った。
来てみて氣がついた。素晴らしい場所だった。
作品を見ようと思わなかった。ただ、
外の芝生でぼーっと過ごしていた。
やがて夕闇に包まれつつ、ただ、じっとしていた。
なんだか泣けてきた。
味わうことなく捨ててしまった環境の美しさを
感じていたのかもしれない。
