卒業制作を作ること。
それだけ(笑)・・・・
それだけを考えて、没頭芸大生活してたので、
いわゆる、就職活動と呼ばれるものを、
大学4年の10月終わり頃まで一切やってなかった。
※教員免許を取っていないにも関わらずだ! (笑)
なんて呑気だったことか!! 今もか・・・・(笑)
で、人並みに焦ってはみたものの、やったことないんだから
当然、どうしていいかわからず、聞く人もおらず、
とりあえず就職課のデザイナー募集掲示板にずっと長い間
貼ってあった古い募集チラシを見て、唐突に
そこに行くことに決めた。
京都にあるその会社では、その時までに
すでに二次試験まで済んでいたので、かなりの人数から
200人くらいに絞り込まれたところでの
最終試験途中参加だった・・・。
(グラフィックデザイナー募集してた)
可能性は限りなく低いと言われたが
(デザインの事なんて知りもしない洋画科だったし)
仕方ない。当たって砕けろだ!!
(他にはそれらしい募集も無かったし、時期的にも無理)
まず第一に、他を探すのが面倒だった・・・・
というのも、心の奥では、
「俺って作家になれるかも? 」
とか甘い夢、起きてても見てたから(笑)
だめなら作家になれば良い・・・とでも思っていたのだ。
きっとそうだったのだろうと思う(なぜそうだったかは忘れた)
自分ながら、とことん笑わせてくれる(笑)
とはいえ、一応、就職試験である。
常識知らずのわたしでも、見た目の格好について
普段着のツナギっていうわけにもいかない事は
なんとなく雰囲氣でわかってたから、
その辺にあった、皺だらけの茶色の背広着て、
両手にパステルとかで描いた大判の作品を大量に持って
京都、下京区にある最終面接会場に出かけた。
面接会場では、CMの事とか、ポスター制作の事とか、
企業の販促活動について、学生は10人くらいの集団に
分かれて採用担当者から矢継ぎ早に質問された。
周りの奴らはスムーズに答えていたが、
(そりゃそうだ! 最終面接に来てる奴らだからね・・・)
そんな中、デザインにまったく興味のない私は
学校の作品制作だけで生きてたから、企業分析とかしてないし
当然、流行調査の為にテレビとか見てないし、勿論、
デザイン的視点でCMなんて見ないし・・・・
で唯一知ってたCM。
「この木なんの木氣になる木
・・・のCMが好きです」
とだけ言った。
試験官含め、そこにいるみんなが笑った。
評価される事を避け続けた大学時代の
総まとめ的な就職活動は、一社で終わった。
後日、合格通知が届き、
杜の都 仙台に行くことになったからだ。
