角界拳銃密輸事件と角界大麻汚染事件 | 大根役者

大根役者

日常と街道の旅を続けています。ガスリーのHobo's LullabyとアズナブールのLe cabotin(大根役者)を友に

日本相撲協会に外部理事3名が就任した。文科省の強い要請によるものなのだが、

正しいこととは思えない。相撲界は、閉鎖的であるべきなのだ。世間に迎合することはない。伝統文化を守るとはそういうものだ。外部理事各氏が横綱審議委員会のようにならないことを切に願う。再発防止委員会なんてのも必要ないと思うのだ。力士死亡事件は、不幸なことだとは思うのだが、特殊な世界の中での独自な法が存在してもかまわないと思う。「兄弟子は無理扁に拳骨と書く」という厳しい縦社会のルールはあるべきだと思うのだ。伝統文化の上になりたつ格闘技の世界なのだ。各国に250年以上前からの勝敗の記録が残されているスポーツってあるのだろうか?


諸々の不祥事といわれるものを根絶することは簡単なことだと思う。原点回帰すればいいのだ。神事の相撲に横綱という概念を導入し、「礼に始まり、礼に終わる」という武家相撲としての相撲の格式を定めた吉田司家の心を学習するだけで、変化するはずだ。相撲には、武士の心と.神の意志があることを忘れてはならない。形式だけが伝承され、心を教えられないから、不祥事が起きるのだ。吉田司家の破産により、相撲協会に横綱授与の伝統儀式がゆだねられ、関係は断絶されるのだが、それ以前に相撲協会が世間に開かれたイメージを作るため組織した横綱審議委員会が吉田司家に代わる権威となっていくことを協会が阻止できなかったことに今日の諸問題が起因している。彼等が自身を権威と錯覚し暴走し始めたのだ。ナベツネ、エビジョンイル、内舘牧子等の登場により、暴走ぶりが顕著になった。


やはり、北の湖は指導者としての力量が不足していたのだと思う。国技のボスなんだから、悠然と構えていればよかったのだ。ワキが甘いんだな。あれだけの名横綱なのに。横審も御しれないし、マスコミに反応しすぎたたため、いつのまのにか7億円訴訟の原告となった。講談社になりふり構わぬ、抵抗をされ、結果的に相撲に夢を託した若者の将来を抹殺してしまったのだ。若ノ鵬と露鵬、白露山を取り巻く環境は違うのだが、ロシア人力士3人の今回の事件の責任は、相撲協会にあることも理解してもらいたい。


1965年、戦後復興の第一ステップを終えた時代に元大関若羽黒に端を発した角界拳銃密輸事件が発覚した。大相撲ハワイ、ロサンゼルス巡業の帰国時に拳銃を持ち込んだとされ、大鵬、柏戸両横綱、北の富士、豊国の平幕力士が拳銃密輸で書類送検された。ハワイで手渡された拳銃を帰国後、若羽黒は日本の暴力団に渡したとされ逮捕され、実刑判決を受けた。すでに、角界を引退していた彼と隅田川に捨てたと供述した両横綱始めとする現役力士への処分は明らかに違っていた。各地で抗争が激化した暴力団が力士への甘い入国審査を逆手に取った大事件ともされた。北杜夫がマンボウ航海記で記したガスピストルの所有の事実を確認し、没収したくらい警察は拳銃に神経を尖らせていた時なのに力士への処分は書類送検だけだ。協会はけん責処分にしただけでこの事件に真相は、いまだ、不明だし、当時のマスコミも追求していない。大相撲はそんな世界なのだ。いい、悪いは、別にして世間と隔絶した世界にいるのだ。今回の大麻事件と拳銃密輸事件の協会内の対応の整合性を追及するマスコミもいない。3人のロシア人があまりにもかわいそうだ。朝青龍だってそうだ。帰化することを拒否するということは、一代親方になる道を自ら絶っているのだ。だから批判されているとしか思えない。外国人力士を受け入れたときから、異文化との衝突は予測できたのだ。みんなが高見山ではないことを理解しよう。


八百長のことなんて、そもそも、興行の世界だから、当たり前だ。審判部なんて、その、最たるものじゃないか。15日間をブッキングの妙で、勝たせたい力士を勝たせることなんて簡単にできる。アマチュア相撲のようなトーナメント制にしたら、面白くなくなることは、必然だ。反応しちゃいけないんだ。大スポンサーのNHKの意見に左右されてもいけない。かって、NHKが場内と違う決まり手を主張し、番組を作ったけど、協会は無視した。NHKも結局は協会に従い協会を尊重したようなこともあったじゃないか。協会が組織の頂点であることを理解しよう。文科省にも文句を言わせないでほしい。極論かも知れないけど、日本相撲協会が独裁的な組織になれば、問題は解決すると思う。かって、そうであったように。


今回の大麻事件は相撲協会の有り方を定義してくれている。かっての拳銃密輸事件は同時期のプロ野球黒い霧事件ともリンクし、プロ選手が暴力団と関わらないようなマニュアルも作成されたはずだ。拳銃密輸事件は、証拠品がないため、書類送検で済んだのだが、刑事事件である。今回の大麻事件は、若ノ鵬を除き、事件にさえなっていない。しかし、協会の処罰に43年前と雲泥の差があった。解雇は、世間を納得させるため手段としては、仕方ないだろう。だが、彼等は、家族を日本へ呼んでいる。金銭的なハングリーさは想像以上のものがあることも理解しなくてはならない。裁判になると日本人力士、親方の実名が出てくる。泥沼の様相を呈してくる。彼等には、その前に規定どおりの退職金に見合う金銭を支払い、相撲の世界から、縁を切ってもらうべきだ。家族として、精神的対応ができなかったのだから、物理的な対応をすべきだ。.


相撲の国際化とは、外国人を日本人にすることではない。そんな、不可能なことを要求してはだめだ。イスラムの世界からも迎えることになるかもしれない。ブードゥ教の世界からも迎えるかも知れない。かっての朝鮮半島で行われた皇民化政策のようなことをしてはならない。残念だけど、外国人抜きには、考えられなくなった相撲界だ。東関親方を中心に外国人力士の対応マニュアルを整備すべきだ。、あの再発防止検討委員会にまかせることだけは避けてほしい。今の相撲協会には、適任者は東関親方しかいないのだから。